スイッチョねこ の商品レビュー
絵がとても素晴らしく原画を見たいと思いました.大仏次郎氏が猫を好きでこのような童話を書かれるとは知りませんでした.とても可愛いお話でした.
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大佛次郎記念館に行った際にご紹介いただいた。スイッチョを飲み込んでお腹の中でスイッチョが鳴いて困るお話。可愛らしい。
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甘くないけど温かみのある猫の絵がいいです。 お母さんネコの背中の丸みがとても優しくて秀逸。 文字も微妙に整っていない感じが懐かしい。 小さい頃よく読んでもらっていたけど、大佛次郎作ということに今気がついた。
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歴史小説などで有名な大佛次郎がネコ好きで、 こんな童話を書いていたとは、つい最近まで知らなかった(^^;) 昆虫のスイッチョ(馬追虫)が白い仔猫の口に飛び込んで、 お腹の中でスイッチョ、スイッチョと鳴き出したので、 白い仔猫は不眠症になってしまい、 猫のお医者さんの診察を受けるこ...
歴史小説などで有名な大佛次郎がネコ好きで、 こんな童話を書いていたとは、つい最近まで知らなかった(^^;) 昆虫のスイッチョ(馬追虫)が白い仔猫の口に飛び込んで、 お腹の中でスイッチョ、スイッチョと鳴き出したので、 白い仔猫は不眠症になってしまい、 猫のお医者さんの診察を受けることに……という、 何とも微笑ましいお話。 かわいくってムズムズします(笑)
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ずいぶん前に奥さんが大佛次郎記念館で購入。娘にこのたびはじめて公開。文も絵もほのぼのとしていてやさしい。やわらかい。読み聞かせていても楽しい一冊。
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小さい子がお医者さまに連れて行かれて「お腹を切らないといけない」などと聞かされたら、どんなに不安なことでしょう。 この『スイッチョねこ』は仔猫のしろきちが主人公ですが、読者である子供達は、しろきちが経験する困り事を自分の身に置き換えて考えたり、しろきちと気持ちを同じくしてみ...
小さい子がお医者さまに連れて行かれて「お腹を切らないといけない」などと聞かされたら、どんなに不安なことでしょう。 この『スイッチョねこ』は仔猫のしろきちが主人公ですが、読者である子供達は、しろきちが経験する困り事を自分の身に置き換えて考えたり、しろきちと気持ちを同じくしてみたり、色々なアプローチが可能な絵本です。 文を書いたのは大佛次郎(おさらぎじろう)氏。絵は安 泰(やす たい)氏。 大佛次郎氏は歴史小説などを多く手がける非常に著名な作家ですが、大の猫好きとしても知られ、この『スイッチョねこ』は作者自身にとっても会心の作であったようです。ちなみに、以前書いた記事に『オサラギ事件!』というものがありますので、興味のある方はそちらもご参照下さい。 安 泰氏の描く猫達は、それぞれ個性が際立つように描き分けられていて、仔猫たちのクリクリした、鈴を張ったような目が印象的。 仔猫のしろきちは、秋の庭で鳴く虫達に興味深々です。まつむし、すずむし、スイッチョなどが草かげで大合唱をしています。おかあさん猫は「お腹を悪くするから、虫を食べるのはおよしなさいよ」と仔猫たちに注意しますが、しろきちだけは「あんなにいい声なのだから、食べてもうまいにちがいない」と考えます。虫を食べてみようと長いこと草むらにひそんで待ってみたものの、虫を捕まえることは難しく、しろきちは眠たくなって、あくびをします。と、そこへ、スイッチョがしろきちの口の中に飛び込んできたのです。しろきちはビックリして、スイッチョをごくんと丸呑みにしてしまいます。 ここから、しろきちの身に困ったことや悲しいことが起こるのです。 猫のお腹の中は夜のように真っ暗なので、スイッチョが四六時中、しろきちのお腹の中で大きな鳴き声を立ててかないません。 「スーイッチョ、スーイッチョ」という声に、兄弟猫たちも不満を言います。眠れないからあっちに行ってと言うのです。しろきち自身も不眠症になってしまってフラフラです。 とうとう、おかあさん猫はお医者さまのところにしろきちを連れて行き、どうするべきか診断を仰ぎました。すると、お医者さまのおじいさんとらねこは、 「虫下しが駄目なら、切開手術でスイッチョをつまみだそうか」などと言うのです。しろきちは恐くなって、わっと泣いてしまいました。 ひとまずは、虫下しを飲んで様子を見ることになりました。しかし、スイッチョは相変わらず、お腹の中で鳴いています。しろきちは一体どうなってしまうのでしょうか。 最終的には、しろきちのお腹の中のスイッチョは、ある朝鳴くのをやめてしまいます。 季節は初冬にさしかかり、冬の到来を感じた野の虫たちも声をおさめている様子。お腹の中のスイッチョも季節の移り変わりを感じ取っているのかもしれません。しろきちも一安心で、兄弟たちと遊べることでしょう。 しろきちのお腹のスイッチョが虫下しで退治されたわけではないという点に子供達が気付けば、「来年の秋にまたスイッチョが鳴き始めるの?」とか、「しろきちはどうなるの?」といった様々な質問や疑問が出てくるかもしれません。その時、大人の側がどう答えてあげられるのか、試される絵本とも云えます。「来年の秋までスイッチョは生きていて、また鳴き始めるかもしれないね」でもいいですし、「しろきちとスイッチョが一年一緒にいたら仲良くなって、スイッチョはしろきちを困らせないようにたびたび鳴かないかもしれないよ」でもいいと思います。「冬の間にしろきちが風邪をひいたら、くしゃみと一緒に出てきたりして」「胃酸でスイッチョは溶けるんじゃない?」も有りでしょう。子供から問いかけが出てきた時、大人も一生懸命に結末やその後のストーリーを考えてあげることで、来年になって初めての春を迎える仔猫のしろきちの成長が、色んなパターンで見えてくる気がします。 この作品の良いところは、言葉遣いがエレガントな点にもあります。言葉というのは他者と関係を取り結ぶ上での一番大事な手段ですが、ぞんざいな扱い方をしていると、人間関係自体もぞんざいになりがちです。軟らかくしなやかな姿の猫達が、エレガントな言葉でコミュニケーションをとっているこの絵本は、小さな子供達にもすんなりと受け入れられ、幼児期において美しい日本語に触れる良い機会になることでしょう。 『オサラギ事件!』の記事はこちらから→http://blogs.yahoo.co.jp/tomo31841211/7912785.html 所有分は1981年2月発行第9刷。
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