歌が権力の象徴になるとき の商品レビュー
必要個所だけななめ読み。 だけどこれは個人的にはなかなか読みやすくてわかりやすくて面白い本でした。時間と余裕があれば全部通して読みたいくらいです。 タイトルにあるように、和歌のジャンルでも屏風歌と障子歌に焦点を絞ったもので、そもそも屏風歌・障子歌とはどういうものであるのか、紀貫...
必要個所だけななめ読み。 だけどこれは個人的にはなかなか読みやすくてわかりやすくて面白い本でした。時間と余裕があれば全部通して読みたいくらいです。 タイトルにあるように、和歌のジャンルでも屏風歌と障子歌に焦点を絞ったもので、そもそも屏風歌・障子歌とはどういうものであるのか、紀貫之の時代から後鳥羽院・藤原定家に至るまでの屏風歌・障子歌の例から変遷を見ていくものです。 私が得たかった知識は障子歌に関してですが、この本を読むことで障子歌についてもその他の事についてもとても勉強になりました。 勤労感謝の日が新嘗会から来ていて、新嘗会が稲の収穫祭だったとは知らなかった。 絵を描くのはわかるが和歌を襖に飾り付けてどうするんだ、と思ったこともあったけど、和歌と絵のイメージが混ざり合って絵では出せない動きや音や色を加えることができるという話を読んで、なるほどなぁと思いました。 私が知りたいのはここに挙げられているような公的な障子歌とは少し違って個人的に飾り付けた障子歌なので、この本で得た知識をもとにもう少し文献を探してみます。 徒然草に障子歌に関する記述があるということも知ったので、次はそれにあたってみたいと思います。
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屏風そして更に大きい障子に 絵画と詩歌を書く貴族たち。画の方が地位が低い! そして屏風・障子が権力の象徴になり中宮・藤原彰子は可愛らしさに加え、調度の素晴らしさでも一条天皇を惹きつけたと栄花物語に書かれているとは面白いものです。また著者が道長の次兄・道兼を詩会開催の故に再評価して...
屏風そして更に大きい障子に 絵画と詩歌を書く貴族たち。画の方が地位が低い! そして屏風・障子が権力の象徴になり中宮・藤原彰子は可愛らしさに加え、調度の素晴らしさでも一条天皇を惹きつけたと栄花物語に書かれているとは面白いものです。また著者が道長の次兄・道兼を詩会開催の故に再評価して上げても良いのではと書いているのは、納得!といいたいところですが、当時は通俗的な趣味かも知れないと考えると難しいものです。
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