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検証 陰謀論はどこまで真実か の商品レビュー

3.7

4件のお客様レビュー

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2012/09/21

陰謀論を真に受けて、国会議員が国会で質問をするような時代だから、本書のような本はもっと広く読まれるべきだと思う。

Posted byブクログ

2012/04/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

疑似科学懐疑派による陰謀論ぶった切り本。良書。 「人工地震」や「ダイアナ妃暗殺」、「実は月行って無い」などの陰謀論を様々な角度から検証し、そのしょうもなさを明確にしてくれます。懐疑派の本を読むのは初めてではないので目新しいネタは少なかったのですが、丁寧な作りで好感が持てます。また、一部を除いて一項について長々と書かれているわけでもないので読みやすい点も良いと思います。日本ではなかなか評価されない懐疑派ですが、こういった丁寧な仕事の積み重ねで評価が進んでくれると良いのですが。 ただ様々な陰謀論を取り扱うのは構わないのですが、「古史古伝の迫害」とか「田中上奏文」あたりは一般性が低すぎる気も・・・。若干の自慰臭が残る為5点では無く4点。

Posted byブクログ

2011/11/28

 世の中は巨大な陰謀組織に操られていて,真相は隠されている。大多数の人はそのことに気付いていない。たいした根拠もないのにそのような主張をする人たちがいっぱいいる。  彼らの説は陰謀論と呼ばれる。彼ら陰謀論者の議論がどの程度のものなのか,34の事例について検証していく,という本。彼...

 世の中は巨大な陰謀組織に操られていて,真相は隠されている。大多数の人はそのことに気付いていない。たいした根拠もないのにそのような主張をする人たちがいっぱいいる。  彼らの説は陰謀論と呼ばれる。彼ら陰謀論者の議論がどの程度のものなのか,34の事例について検証していく,という本。彼らが主張する陰謀の根拠とは,知識の欠如からくる「どう考えても不自然だ」という思い込みとか,「…が事実をありのまま公開するはずはない」という偏見でしかない。  事例は,温暖化陰謀論,ケムトレイル,SARS,孝明天皇暗殺,満洲事変,下山事件,ロッキード事件,日航ジャンボ機墜落,人工地震・津波,ガス室否定論,911陰謀論,ダイアナ妃事故,アポロ月非到達説,チャレンジャー事故,フリーメイソンとイルミナティ,UFO陰謀論などなど。  フリーメイソンやイルミナティは,ダン・ブラウンの小説で日本でも有名になった陰謀組織。真に受けてはいけない。『天使と悪魔』も『ダヴィンチ・コード』も読んだが,あくまでもフィクション。「登場する団体は実在する」云々とおどろおどろしい注釈がついてたと記憶するが,そんな巨大陰謀をこととする組織なんかではないだろう。『天使と悪魔』では,CERNから盗み出された反物質が最悪の殺戮兵器として描かれていたが,なんで反物質をあんな大量に閉じ込めておけるのか?やっぱり小説だよねーと思った覚えがある。  満洲事変の発端となった鉄道爆破事件は関東軍の謀略だったということが明らかにされているが,実はソ連の策略だったのだ,というのが満洲事変陰謀論。『ワイルド・スワン』でブレイクした長戎の『マオ』が邦訳されて日本で一時流行った説らしい。 『ワイルド・スワン』はなかなか良い本だったが,『マオ』は事実誤認がはなはだしい本として酷評されている。このへんは過去ブログにも書いた→http://bit.ly/lFQy3U  あと,陰謀の主役とされるのはアメリカとかユダヤ人とかが多い。下山事件はGHQの陰謀らしいし,SARSとかロッキード事件もアメリカの陰謀,JAL123便もチャレンジャーもアメリカが落としたし,アポロの月の映像も捏造だ。アメリカは地震兵器まで持っている。いやはや。  HAARPによる人工地震というのは結構定番の陰謀論らしく,この本が出たのは1月だが,当然今回の311でも,陰謀論者たちが巨大地震は米軍の仕業だとか,純粋水爆が使われたのだ,とか陰謀論者が勢いづいている。→例:リチャード・コシミズ氏http://bit.ly/hFVwdl  そういうのを結構信じちゃう人がいるのがすごい。信じ込んでしまうと,陰謀を否定する証拠がないのは陰謀がひそかに行なわれている証拠と考えるし,陰謀を否定する証拠が出てきてもそれは目に入らなかったり捏造だとか思い込むので,正気を取り戻すのは難しい。  そもそもそんなに巨大な陰謀が行なわれるにはどんだけ沢山の人が関わって,口裏を合わせなければならないか。露見するリスクを負ってまで敢行するメリットは何か。冷静に考えれば陰謀論の方がよほど「不自然」と思う。  もちろん世の中に陰謀がまったく存在しない,という話ではない。ただ,いわゆる陰謀論がテーマにする陰謀は規模が大きすぎて発覚のリスクが高いわりに,動機となるほどのメリットが感じられないことがほとんどだ。  陰謀論はネットの普及によってとても身近になった。情報を選り好み出来るので,陰謀論批判は無視すればよく,簡単にはまれる。本書も,各事例について(伝説)として陰謀論を掲げ,(真相)としてそれが成り立たない根拠を述べるが,(伝説)だけ読めばそこは陰謀論ワールド。危険かも…。

Posted byブクログ

2011/04/07

氾濫する陰謀論から、よく聞く34種について、文献などを紐解き丁寧に反証を重ね、「この陰謀論の真実度は○%」というまとめをしている。 面白いのは、十分な反証ができないものの中にはけっこうな高いパーセンテージで「ひょっとしたら言われてる通りかも」なんてのが含まれること。 まぁ、著...

氾濫する陰謀論から、よく聞く34種について、文献などを紐解き丁寧に反証を重ね、「この陰謀論の真実度は○%」というまとめをしている。 面白いのは、十分な反証ができないものの中にはけっこうな高いパーセンテージで「ひょっとしたら言われてる通りかも」なんてのが含まれること。 まぁ、著者自体は項目ごとに異なり、実際のところは、反証自体も「反証を書いている参考文献をまとめた」形になっているだけで、本当に「真実度0%」と言い切っていいのかな?なんてものもあるのもまた事実。 しかし、本書のポイントは、陰謀論のように意外とすっと心の隙間に入ってくる「わかりやすい構図」に対して、「こういうことには当たり前に疑問を持って反証していけばいいのだよ」といういくつかのその「当たり前の手段」が載っているということだ。 全ての陰謀論を各論的に論破することを目的として読むよりも、ゆるーく「My視点」を変える手法を溜め込みながら読む感覚で手に取るとよいだろう。

Posted byブクログ