巨大翼竜は飛べたのか の商品レビュー
中部経済新聞2011.03.01。 「データロガー」という装置をつけて研究した動物たちの行動と体の大きさの関係を考察したものだそうです。
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センサーとペンギンとオオミズナギドリとかとか、と、最後に翼竜。ロガーでのフィールド調査が面白い。加速度データによる動物の行動の解析が勉強になる。
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野生生物に加速度や圧力のセンサーを取り付け、その生態を解き明かす学問をバイオロギングと呼ぶ。本書の著者、佐藤克文は、ウミガメ、ペンギン、ヨーロッパヒメウ、カワウ、アホウドリ等、種々の海洋生物にデータロガーを取り付け、その遊泳速度や飛行速度と体長、体重の関係を専門としている。フィー...
野生生物に加速度や圧力のセンサーを取り付け、その生態を解き明かす学問をバイオロギングと呼ぶ。本書の著者、佐藤克文は、ウミガメ、ペンギン、ヨーロッパヒメウ、カワウ、アホウドリ等、種々の海洋生物にデータロガーを取り付け、その遊泳速度や飛行速度と体長、体重の関係を専門としている。フィールドワークをもとに定量的なスケーリング則を導くことを得意とする研究者のようだ。 一般に、動物はコストを最小にするような移動方法を選択するとされるが、その経済的な移動方法(たとえば、海鳥の離水時の羽ばたきの周波数と飛行中の羽ばたきの周波数)は体の大きさに縛られる。そして、データロガーを用いることによって、そのような関係を定量的なスケーリング則としてまとめることができる。本書では、主に水中生物の遊泳に関するスケーリング則と、海鳥の飛翔能力に関するスケーリング則を取り扱う。最終章では、翼竜の飛翔能力に関する言及もあるが、主役はあくまでも原生生物である。一部、初等的な数学を使用した解説もあるが、大半はデータ取得のためのフィールドワークの話なので、数式にアレルギーのある人でも無理なく読めるだろう。理系の人には、フィールドワークが定量的な法則にまとまっていく過程が新鮮に映るかもしれない。 何より、研究者としてのパワフルな姿勢がそこかしこに垣間見られるのが、非常に良い。文章にも乱れがなく、最前線の研究者のエッセイとしても良質だと思います(一つだけ変な誤植がありますが・・・)。とにかく、久々に新書を読む醍醐味を味わうことができました。
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