雲の上の青い空 の商品レビュー

青井夏海【著】

2011/03/10

短編ちょっと連作ハートフルミステリーという感じの作品。ちょっとハードボイルド（過去）を感じさせる中年独身男性が主人公、格好良いのか格好悪いのか、微妙では悪いけれど、自分なら惹かれそう（笑）

　身近なちょっとした「謎」に出会いつつ、最近のライトなミステリーに比べれば、ぼ～っと読み進めると、なぜ主人公がその考えにたどり着いたのかわからない、ちゃんとしたミステリでもあり、でもライト感もあり、そしてほわっとなれるところあり。本格も良いけど、こういうのもいいなぁと改めて思った作品でした。

2014/10/01

　手に取った理由が、坂木司の「ワーキング・ホリデー」と設定が似ているなー、という理由だったのですが、解説でもその符号が触れられていました。

　元私立探偵・現宅配便ドライバーのおっちゃんが主人公。
　近所にこんなおっちゃんがいたら、すぐにでも仲良くなりたい。
　ドライだけどおせっかいで、言うべきことはビシッと言うところが素敵です。

　ただ、探偵として事件を調べているのか、配送屋として事件に巻き込まれていくのかはくっきりさせた方がもっと魅力が出たんじゃなかろうかと思います。その意味では、私立探偵という前身はいらなかったんじゃないかと。
　配送屋におさまっていながら、探偵の血が騒いで事件に首を突っ込む、というにしても、そうなると今度は探偵としての力量が甘すぎる。

　わたしは特に「透明な面影」が好きです。これで一冊書いても良いんじゃないかと思うくらい。
　短編として手軽に読める長さにまとめるのも良いですが、その設定なら一冊書けるんじゃないかと思うことがたびたびありました。
　続きを出すための仕様なのでしょうか。

2011/02/11

戸川氏の解説にもあるように宅配便のドライバーが
主人公という部分では坂木司さんの「ワーキング・
ホリデー」を一瞬思わせますが、坂木さんのような
あのベタっとした感じではなく、青井さんらしく
飄々とサラリとした感覚で、日常の謎に遭遇する
主人公「脩二」目線で人間関係を描いています。

このドライではなくサラリとした感覚が独特で
いいんですよね。基本的には短編集なので人間関係を
モチーフにしている分、作品によっては書き込みが
不足感は否めないですが、どの作品も必ずグっとくる
場面があって、ハートウォーミング・ミステリと
言える小粒ながら良作かも。

主人公「脩二」(しかも前職は探偵w)の底抜けの
人の良さに違和感を余り感じないのは、実際の
宅配便のドライバーがいい人が凄く多いからかもw。

2011/02/07

20110206読了
短編集。
第一話 みどりのおじさん
第二話 銀幕の恋人
第三話 三色すみれによろしく
第四話 透明な面影
最終話 ウサギたちの明日

交通安全の旗持ちの代理、昔の銀幕のスターを探す、勤めてた探偵社の娘たちからの依頼、ひきこもりの青年へ荷物を届けにいく、学校のウサギがいなくなった、計5編。

面白かったです。
でも元探偵じゃなくてもよかったかも、とは思ったり。
そこから発展した話もあるけど。

2011/02/04

うーん、凄くつまらんってことはないけど「滅茶苦茶面白い！」とはちょっと言えないかな。
手に取ったのは表紙がカスヤナガトさんだったからなんだけど、内容と表紙がいまいち釣り合いとれてない感じ。まあ確かにハートウォーミングミステリって帯に書いてあるんだけど、にしても別にカスヤさんじゃなくてもいいだろうとか思ってしまった。

お話も、米澤さんの小市民シリーズとか古典部シリーズが好きな私としては嫌いなテイストでは無かったけど、なんか物足りなさが残るかなぁ。
主人公が宅配便のドライバーである意味があんましないってゆうか、その割にキャラ沢山出てるっていうか。うーん、キャラの個性が中途半端。かも。一回こっきりのゲストキャラにするには個性強くて、かといってメインキャラにするほどじゃない。てかいっそ無理矢理にでもメインキャラ増やしても良かったかも。三姉妹途中参戦とか。
キャラ読みするなと言われてしまえばそれまでだけど、話だけで勝負するにはこれは弱すぎる。

この人の他のも読んでみよう！とはちとならなかったです。

2011/02/01

元探偵の宅配ドライバーが日常生活の中でぶつかった謎を解くハートフルミステリー。
そこそこ面白いし、温かくて素敵なお話だと思うけど、何となく物足りなかった。
元探偵、という設定も、あまり活かされてないような。
謎解き、という程でもないし、かといって斬新な何かがある訳でもないし。
ちょっと残念。

2011/01/29

それはないだろ、という展開も、それなりに楽しめました。
ただし、出てくる登場人物が、やな感じの奴多しでいらつくかも。