愛したのは、「拙にして聖」なる者 の商品レビュー

みもとけいこ(著者)

2020/11/23

詩人や作家という肩書が本職の方の評論・評伝は自己満足創作が過ぎるという前提を余裕で乗り越えてきた1冊。
出会ってから30年来ずっと漱石論を書きたかったという事で、漱石が最推しされるのは仕方ないとしても、男同士の三角関係を描きたいなら虚子や子規に関してももう少し史実を掘り下げて考察したのち、改めて持論を見直してから世に出すべきだったのでは…。途中からこじつけが過ぎて読んでいて若干恥ずかしくなってしまいました。
論文としては組み立て・展開がきちんと出来ていて読みやすかったです。