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短篇で読むシチリア の商品レビュー

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2023/05/06

シチリアへの旅の予定を控え、手に取った。地中海を思わせる青色の表紙がとても可愛い。 シチリア出身の7人の作家たちによる短編の数々からは、常に侵略と戦いの中に身を置いてきた島の歴史、貴族の栄華と没落、アジア的家族観にも通ずる男尊女卑的な風俗、そしてマフィアの隆盛…シチリアの様々な面...

シチリアへの旅の予定を控え、手に取った。地中海を思わせる青色の表紙がとても可愛い。 シチリア出身の7人の作家たちによる短編の数々からは、常に侵略と戦いの中に身を置いてきた島の歴史、貴族の栄華と没落、アジア的家族観にも通ずる男尊女卑的な風俗、そしてマフィアの隆盛…シチリアの様々な面を複数の目から味わうことができた。次は気になった作家の長編を手に取りたいと思う。

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2011/05/13

デ・ロベルト「ロザリオ」 ヴェルガ「金の鍵」「ルーパ」 ピランデッロ「真実」「ホテルで誰かが死んだので……」「免許証」 ブランカーティ「二度とも笑わなかった男の話」「幸せな家」 ヴィットリーニ「生への疑問」「奴隷のような人間」 ランペトゥーザ「幼年時代の場所」 シャーシャ「撤去」...

デ・ロベルト「ロザリオ」 ヴェルガ「金の鍵」「ルーパ」 ピランデッロ「真実」「ホテルで誰かが死んだので……」「免許証」 ブランカーティ「二度とも笑わなかった男の話」「幸せな家」 ヴィットリーニ「生への疑問」「奴隷のような人間」 ランペトゥーザ「幼年時代の場所」 シャーシャ「撤去」「言語学」「室内ゲーム」 シチリアについて予備知識のない人は、解説を読んでから本編に入ることをおすすめします。 終わってから、キョトンで、解説読んだらふんむ!となり、もう一度読み返したくなる短篇が多々。 そういう視点からいえば、ピランデッロとブランカーティのものは、よく分かると思います。 個人的にはピランデッロの作品が一番ドキリと面白かったです。 シャーシャの作品群はもう一度読み返したく。 マフィアの香りを感じよう。

Posted byブクログ

2011/04/20

むしろ、シチリア文学はローカルで普遍性を欠いてもらわないと面白くないような気がします。全作品ともどこか哀調を帯びている感あるし、19世紀から20世紀にかけてのシチリアってやっぱり安易には語れない的雰囲気ありますね。長編だと辛いかも。

Posted byブクログ

2011/07/03

「わしは……わしは知らなかったと答えるべきでしょうか?」  あなた自身のために真実を述べてくださいと、裁判長は被告を促した。妻を斧の一撃で殺害したことを認める被告に、傍聴人らは、妻の不貞を知らなかったと答えるよう強く迫っていた。つい三十年前までのシチリアでは、男の名誉を守るため...

「わしは……わしは知らなかったと答えるべきでしょうか?」  あなた自身のために真実を述べてくださいと、裁判長は被告を促した。妻を斧の一撃で殺害したことを認める被告に、傍聴人らは、妻の不貞を知らなかったと答えるよう強く迫っていた。つい三十年前までのシチリアでは、男の名誉を守るための殺人が許されており、夫は姦通を犯した妻とその愛人を殺害する「義務」があるとされた。ところが農夫のタララはあまりにも無知であけすけだった……。ノーベル文学賞作家、ピランデッロの「真実」は、血の味を求める住民たちの幻滅を巧みに描く。  神秘につつまれたマフィアの島の、七人の作家による十四の短編集には、官能の凄みと恐怖と諦めがある。そのほとんどが日本で初めて紹介されるという。「マフィア」という単語の語源とその意味についてのさまざまな説を、ボスが部下に語り聞かせる「言語学」も興味ぶかい。 (週刊朝日 2011/3/25 西條博子)

Posted byブクログ