新世界より(上) の商品レビュー
大ボリュームながら、物語が動き始めると怒濤の勢いで進むので、一気に読めてしまう。 出来ることなら、清く正しく、品性方向な社会で生きていたいと思うのは、とても理解できる。 だけど、その社会の成り立ちを、成り立たせている要因を、やっぱり知らないままでは許されないのだとも思う。 社会...
大ボリュームながら、物語が動き始めると怒濤の勢いで進むので、一気に読めてしまう。 出来ることなら、清く正しく、品性方向な社会で生きていたいと思うのは、とても理解できる。 だけど、その社会の成り立ちを、成り立たせている要因を、やっぱり知らないままでは許されないのだとも思う。 社会とまでもいかなくても、自分が一つの生命体として「生きている」、その命を何がどのように支えているのか、そのことを知らない振りをしていてはいけないのだろうと思う。 SF、ミステリ、ファンタジイ、アクション…エンタメの衣をまといにまとって、生き物を生き物足らしめている一点を描いている、素晴らしい物語。
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新しい力によって神に近づいた人間が、平和と秩序を保つために多くのものを隠し、犠牲にしながら暮らす世界。 主人公の少女はあるきっかけで世界の真実『かもしれないこと』を知る。自分の生活する世界が継ぎ接ぎによって秩序を保たれていたこと、清く正しい人だけが生活する世界は、実はその他大勢の...
新しい力によって神に近づいた人間が、平和と秩序を保つために多くのものを隠し、犠牲にしながら暮らす世界。 主人公の少女はあるきっかけで世界の真実『かもしれないこと』を知る。自分の生活する世界が継ぎ接ぎによって秩序を保たれていたこと、清く正しい人だけが生活する世界は、実はその他大勢の排除によって成り立っていたこと。 上巻では物語の起と承の途中までが語られている。また、本書は主人公である少女が大人になり、過去のことを想起しながら書いているという形式のため、主人公が危機に晒されても、生の保証だけはされている。 上巻だけで482ページあったため、最初は読むのを躊躇った。しかし、ほんの数ページめくっただけで、それが杞憂に過ぎなかったことに気付かされた。
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上中下の3巻作品。 日本SF大賞受賞作品。 3冊とも読了したので、上中下巻通しての感想を書きます。 舞台が約1000年後の世界のため、その設定を理解する必要があり、上巻の最初はあまり軽快に読めなかった。 しかし上巻の途中からは、止まらないほど、どんどん物語に入っていきました...
上中下の3巻作品。 日本SF大賞受賞作品。 3冊とも読了したので、上中下巻通しての感想を書きます。 舞台が約1000年後の世界のため、その設定を理解する必要があり、上巻の最初はあまり軽快に読めなかった。 しかし上巻の途中からは、止まらないほど、どんどん物語に入っていきました。 結局、半日をかけて一気に上中下巻を読み切りました。 ハラハラする展開が続き、文章の書き方もテンポも、良く読者側を刺激してくれます。 最後の方は少しくどいかな、という印象を受けたのと、もう少し説明が欲しかった部分はありましたが、ここまで1000年後の世界を考えた作者には脱帽せざるを得ません。 読後に、爽快感はありません。 後味が悪い、と言えばそうかもしれませんが、そのなんとも言えない感じが、この物語を深く刻み込む役割を果たしていると思います。 SFではありますが、さほど難解ではなく、ファンタジーといったほうが近い気がします。 個人的には、とても面白かったです。 1000年後の世界ということもあり、考えさせられることもたくさんありました。 最後は、「もしかして…」と思っていたことが、「やっぱり…」となります。 そのことが、読後のなんとも言えない後味を残すと思います。 ではネタバレにならない程度に内容を以下に記します。 舞台は1000年後の日本。 "西暦2011年時点で生きている人間"(=私たち)は滅亡している。 その代わりに、「呪力」という所謂、念動力を持った人々が暮らしている。 日本には9つの街(コミュニティ)があり、それぞれ数万の人口を抱えている。互いの交流はない。 主人公の渡部早季は、そんな街の一つ(現在の関東地方にある)に暮らしている。 早季たちが暮らす世界は、暴力も犯罪もない理想郷。 現在の工業や通信技術は全て衰退していて、生活的には退化しているように思えるが、人々は思いやりと協力、そして呪力を使って幸せに生活している。思いやりと協力が根底にあるため、お金という概念も制度も存在しないような世界。 早季は学校で呪力を習う12歳。 友人の真理亜、瞬、覚、守と共に学校の課外活動で利根川周辺に散策(キャンプ)に出かける。 好奇心旺盛な時期。その課外活動で、"あるもの"に出会い、自分たちの生きる世界の裏に隠された衝撃的な事実を知る。 何故旧人間は滅亡したのか。 何故暴力も犯罪もない幸せな暮らしが成り立つのか。 教育と倫理が強調された世界で、唯一のイレギュラーが、"子ども" 不安定な存在ゆえ、そこには異分子が発生してしまう。 一見完璧に見える世界だが、少し道を外すと見えてくるその歪さ。そして忍び寄る死の恐怖。 それに気付いた早季たち5人の運命は。 もう1つ重要なのが、"バケネズミ"という異類の存在。 早季たちが暮らす街は八丁標というしめ縄で囲われている。八丁標が、悪い生物が街に入るのを防いでいる。 八丁標の外には、人間以外の生物が住んでおり、呪力の仕えない子どもたちは八丁標の外に出てはならないと厳しく教育されている。 バケネズミはその八丁標の外で暮らす、高度な知能を持った生物。見た目が不気味なため、人間からは嫌悪されている。 しかし、いくら高度な知能を持とうと、呪力をもつ人間にはかなわない。 人間は、バケネズミのような下等な生物など、呪力で簡単に殺せるが、慈悲により生かしてあげているとし、バケネズミを奴隷のように扱い、貢ぎ物や、積極的にしたくない仕事(汚い仕事)を強要していた。 バケネズミはそんな人間を"神"として決して反抗の態度は見せない。(人間に反抗すれば殺される) 早季たち5人は、課外活動で自分たちの生きる世界の事実を知るとともに、バケネズミと関わる。 そしてそれは、後に起こる重大な事件の幕開けだった。
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上巻はまだ設定に関する説明も多い。一気にのめりこむというわけではないが、夏季キャンプが今後の重要なキーになるんだろう。 どうやら悲惨なことが起きそうだし。
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上中下と大長編。 がんばったよぉ。 1000年後、やたらと牧歌的で閉鎖的な、超能力が普通、という世界。 実は、物語の構図はどこか見たもの。 でも、圧倒的な文章力が、大長編にレベルアップさせてるなぁ。 でも、最終兵器が炭疽菌てのは、うーん。
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もの凄く久しぶりにSFを読んだ。 一言感想:「想像力は、無限の希望にも絶望にもなるんだなぁ・・・」 1000年後の未来、能力を持つ人間が暮らす集落が舞台。異形の生物との戦いで知る世界とは・・・という王道チックなSFミステリー。 物語序盤は世界観を徐々に説明しながらの世界観描写...
もの凄く久しぶりにSFを読んだ。 一言感想:「想像力は、無限の希望にも絶望にもなるんだなぁ・・・」 1000年後の未来、能力を持つ人間が暮らす集落が舞台。異形の生物との戦いで知る世界とは・・・という王道チックなSFミステリー。 物語序盤は世界観を徐々に説明しながらの世界観描写でじりじりとした違和感を持つものの、中盤以降はめまぐるしい展開に引き込まれる構成。 時に「この描写は必要なのかな?」と感じる部分もあったけれど、それを補って余りある疾走感があって、文庫版上中下巻を一気に読まされてしまった。 結末は想像の範囲内だったけれど、それでも色々な「想像力」を掻き立てられる、出会えて良かった作品だった。
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前半は話がなかなか進まず勿体振るので退屈だったが、後半の主人公が自分たちが生きている社会を疑い出しバケネズミと闘うあたりから一気に読み進められた。バケネズミとの闘いは長く途中で飽きてしまったが次の展開がどうなるのか気になるため中・下巻も読んでみようと思う。
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呪力が使えるようになった人間の住む美しすぎる世界。強大な力を持ちながら人間同士の争いが起こらないのは何故なのか。そこには隠された血みどろの歴史があった…。 あの夏季キャンプからすべては始まる。 最初は特殊な世界観に戸惑い、設定を頭に入れるので精一杯だったのですが、Ⅱ章からは俄...
呪力が使えるようになった人間の住む美しすぎる世界。強大な力を持ちながら人間同士の争いが起こらないのは何故なのか。そこには隠された血みどろの歴史があった…。 あの夏季キャンプからすべては始まる。 最初は特殊な世界観に戸惑い、設定を頭に入れるので精一杯だったのですが、Ⅱ章からは俄然面白くなってくるのでぐんぐん読めました。
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現代から1000年未来の世界のお話 そこでは人は超能力を持ち、平和に安全に暮らしている 世界観はハリーポッターとかブレイブストーリーに似ているところがあると思います。いろんな不思議な生物がいたりするけど、その生物の描写や進化の背景とかがリアルに描かれていたり、超能力がどういうものかが人の内面から書かれていて読めば読むほどハマっていきます。 まだ上巻ですが今後の展開が楽しみ
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1から幻想未来の話だったので、 前半は世界の説明だけで退屈だったけど 後半からは、ぐんぐん読めた。
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