午前零時のフーガ の商品レビュー
2017.8 表現がまわりくどくて読みにくかった。登場人物もなかなか見分けがつかないし。イギリスの小説は皮肉が多いのは知っていたけれど。
Posted by
ダルジール警視シリーズの第22作目。日本での発行は今年の1月で、日本で翻訳されているものとしてはシリーズの最新作にあたる。 前々作で、爆破事件に巻き込まれ瀕死の重傷を負ったダルジールが、前作では事件に巻き込まれながらも療養を続け、いよいよ本作で仕事に復帰しようとしている。そんな...
ダルジール警視シリーズの第22作目。日本での発行は今年の1月で、日本で翻訳されているものとしてはシリーズの最新作にあたる。 前々作で、爆破事件に巻き込まれ瀕死の重傷を負ったダルジールが、前作では事件に巻き込まれながらも療養を続け、いよいよ本作で仕事に復帰しようとしている。そんなある日に起こった事件を扱ったもので、時間的背景は24時間程度と、かなりスピーディーに事件は進行する。 本作でもダルジールはまだ本調子ではないが、次作では、いよいよ本格的に復帰した姿を見せてくれるのではないか、と思う。 それはさておき、私の住んでいるタイでは総選挙が間近に迫っている。7月3日が投票日で、街中いたるところに選挙ポスターがはられている。 選挙のシステムは、日本と同じようで、選挙区選挙に加え、比例代表による国会議員の選出も同時に行われる仕組のようだ。選挙ポスターには、必ず番号が書かれていて、それは党のナンバーを示す。党のナンバーは選挙戦が始まる前に、抽選で決められることになっている。アピシット現首相の民主党は10番という番号が割り振られ、タクシン・赤シャツ派のタイ貢献党には、1番という番号が割り振られている。 タクシン氏の妹が選挙に立候補していたり、あるいは、そもそも、タクシン派が勝って政権を取り戻すのか、あるいは、民主党中心の連立政権が続くのか、タクシン派が勝った時に、タクシン氏は復権しタイに戻ってくるのか、等、なかなか話題の多い選挙ではある。 記憶が少し曖昧になっているのであるが、タクシン首相時代に起こったクーデターが2006年、翌年には総選挙が行われ、いったんは赤シャツ派が政権を握ったものの、紆余曲折を経て現在の民主党連立政権の枠組みが出来上がり、現在に至っていると記憶している。その間に、赤シャツ派が実権を握っている時には、民主党の支持基盤でもあった黄シャツ派が空港占拠事件を含む騒ぎを起こし、また、去年のことであり記憶に新しいが、民主党連立政権になってからは赤シャツ派が市の中心部を占拠するというような暴挙に出た。 前回の総選挙以降の動きを見ると、残念ながら国民は選挙結果を必ずしも尊重せずに、騒ぎを起こすことによって時の政権の転覆を狙っているように見える。 今回の選挙がどういう結果に終わるのかは、まだ分からないけれども、まずはその結果に、次の選挙までは従うということが、タイを更に民主的な国家にする、あるいは、外国からの信頼を得る最善手だと思う。
Posted by
待ってました! レジナルド・ヒルの新刊。 ダルジール&パスコーの活躍が楽しみ! さすが、期待を裏切らせなかったレジ・ヒル。 今回はバッハ・・・ ダルジールと一緒に分厚いステーキ、ヨークシャープディング添えを食べた気分。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
Dalzielの復活譚。時刻表示で「24」もどきに作っているが、朝起きたときから始まるので16時間、Dalzielは内2時間は昼寝しているという・・・w 前作で独立の兆しを見せていたパスコーは、そのひとり立ちぶりをより鮮やかにし、でも、三位一体の父はやっぱアンディだった、ということになってうれしい(ということは、ウィールドは聖霊なのか!)。チーム・ディーエルの信頼関係も健在。 レギュラーキャラだけでなく、今作だけの人たち(過去に追われ/過去を追う人々)もそれぞれ血肉をそなえて魅力的。 悪いやつもたくさん出てくるが、一番ひどいと思ったのは、ウルフ=ミュア。あっさり過去(暗いやつ)を切り捨て、同じ名前をつけるなんて・・・ 過去の乗り越え方も人それぞれってことですね・・・ しかし、なんで記憶喪失になったんだ? ラスト、生き残った女の子が誰かなんだろうか? と思ったが、そこだったか(思えばヒントはあちこちに)。パズルの最後の一片がピタリとはまった、ってだけでなく、こうつながるのかと思っていたのの、そことそこもつながっていたのか! という快感。 出世してアンディを見下してる2人が痛い目見てよかった(ミック・パーディは痛い目見ないかも? でも、ジーナは知らんふりして彼と結婚できるだろうか?)
Posted by
これは、大傑作だった。ダルジールシリーズとしては、『薔薇は死を夢見る』や『骨と沈黙』に匹敵する。とにかく毎回趣向のみならず、タッチまで替えてくるヒルの懐の深さには、ただただ驚嘆!今回は、アメリカのノアール的要素やランキン風の政治的要素との融合など盛りだくさんの“食材”を用いながら...
これは、大傑作だった。ダルジールシリーズとしては、『薔薇は死を夢見る』や『骨と沈黙』に匹敵する。とにかく毎回趣向のみならず、タッチまで替えてくるヒルの懐の深さには、ただただ驚嘆!今回は、アメリカのノアール的要素やランキン風の政治的要素との融合など盛りだくさんの“食材”を用いながら、見事なまでの“ご馳走”を創り上げている。ミステリ黄金時代の系譜を継ぎながら現代的な小説の醍醐味まで兼ね備える作品に、ヒルの真骨頂がある。
Posted by
いよいよ現場に復帰するダルジール警視。 だがまだ本調子ではない。 いきなり登庁日を間違え、ごまかしながら内心悩む。 そこへ登場する30代の金髪美人ジーナ・ウルフ。 ダルジールがずっと前に出会った警官(パーディー警視長)の紹介で、ややこしい依頼をしてくる。 7年前に行方不明になった...
いよいよ現場に復帰するダルジール警視。 だがまだ本調子ではない。 いきなり登庁日を間違え、ごまかしながら内心悩む。 そこへ登場する30代の金髪美人ジーナ・ウルフ。 ダルジールがずっと前に出会った警官(パーディー警視長)の紹介で、ややこしい依頼をしてくる。 7年前に行方不明になった夫が生きているかも知れないというのだ… しかも彼女は怪しげな二人連れに尾行されていた…?! 相談のために会っている美女とダルジールを、たまたま隣の会場でのパーティーに来ていて見かけるパスコー主任警部。 一方、ノヴェロは、ダルジールの頼みで動き始めるが… テンポ良く進む24時間の出来事。 移民から三代で財産と地位を築いたギッドマン一家など、長年の因縁も。 ギッドマンの2代目ザ・マン(親分といった意味)の何でも屋や、三代目で議員のデイヴを仕切る地味な秘書の女性マギーなども印象的。 やり手の女性、その愛人の目立ちたがりの記者や、ウェールズから来たばかりのその弟。 様々な人間関係が交錯する中、おなじみの登場人物もツボを押さえた登場。 ウィールド部長刑事のダルジールへの思いや、ダルジールの部下への思いも。 満足な読み応えでした。
Posted by
ダルジール警視は、やっぱりどかどかと巨体で驀進していただかないと。 爆死しかけようと、意識不明で病床に伏してようと、まあ、ダルジール警視はやっぱりダルジール警視だったわね、という近作を経て、やっと警視が現場復帰なさいました。愉しかった。 その厚みと二段組の活字が嬉しいシリーズのひ...
ダルジール警視は、やっぱりどかどかと巨体で驀進していただかないと。 爆死しかけようと、意識不明で病床に伏してようと、まあ、ダルジール警視はやっぱりダルジール警視だったわね、という近作を経て、やっと警視が現場復帰なさいました。愉しかった。 その厚みと二段組の活字が嬉しいシリーズのひとつ。 それにしても、毎回事件は解決するのに、大団円めでたしめでたしって気になれないのはイギリス製ミステリ独特の雰囲気なのかしらね。そこも、魅力。
Posted by
ダルジール警視は周囲の反対を押し切って職場に復帰した。しかし体調はすぐれず、仕事の勘も戻らない。そんなある日、古い知り合いの警視長パーディーから、七年前に失踪した部下の刑事について調べて欲しいと依頼される。パーディーは部下の死亡推定を前提に、その妻と再婚するつもりだった。だが最近...
ダルジール警視は周囲の反対を押し切って職場に復帰した。しかし体調はすぐれず、仕事の勘も戻らない。そんなある日、古い知り合いの警視長パーディーから、七年前に失踪した部下の刑事について調べて欲しいと依頼される。パーディーは部下の死亡推定を前提に、その妻と再婚するつもりだった。だが最近妻のもとに夫と思われる人物の写真が掲載された雑誌が送られてきたのだった。ダルジールは非公式に捜査をはじめるが、背後には危険な影がうごめく―二十四時間でスピーディーに展開する、本格の巨匠の新傑作 というのがアマゾンに出ていた梗概。 シリーズ40周年にして第22作、私にとっては二作目にして当たり! 「骨と沈黙」は世間の評判ほど面白く感じなかったが、この作品は、展開がスピーディ。「24」を意識したのか。奇妙な発端から・・・な結末まで一気読みでした。
Posted by
ダルジール警視版「24」。でも、バウアーとは違ってダルジールは2時間も昼寝をするのが笑えます。ダルジールの繊細さと奮闘に喝采。ホントに、面白いシリーズ。いつまでも続いてほしい。もっともっと読みたい!
Posted by
ハヤカワ・ポケット・ミステリ『午前零時のフーガ』(レジナルド ヒル著/松下 祥子翻訳/早川書房/1800円+税)。装丁は水戸部功さん。 http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/211843.html これはもちろん、『午前零...
ハヤカワ・ポケット・ミステリ『午前零時のフーガ』(レジナルド ヒル著/松下 祥子翻訳/早川書房/1800円+税)。装丁は水戸部功さん。 http://www.hayakawa-online.co.jp/product/books/211843.html これはもちろん、『午前零時のフーガ』自体も、フーガにかかった五線譜に、「Midnight Fugue」が音符のようにレイアウトされたベース、そして消えそうな気配を持ったタイトル文字など、ステキな装丁なのですが、私はこのハヤカワ・ポケット・ミステリシリーズ全体が大変好きなんです。 ハヤカワ・ポケット・ミステリ、通称ポケミスは、勝呂忠さんの装画が印象的なシリーズだったが、勝呂忠さんが昨年3月に亡くなり、昨年8月に発売された『卵をめぐる祖父の戦争』から、水戸部功さんがブックデザインを手掛けるようになった。その際デザインがリニューアルされ、本文の文字サイズが少し大きくなり、ポケミスのロゴも新たにつくられたのだ。 こうした、長年続いているシリーズのブックデザインをリニューアルするということは、大変難しいことだと思います。慣れ親しんだものというのは、どうしても愛着があるし、変化を好まない人もいるでしょうし。 でもこのリニューアルは、そうして長年の読者にも受け入れられる静かででもステキなデザインだなと思っています。実を言うと、今まであまりポケミスを買っていなかった私ですが、リニューアルしてから、全冊買ってしまっていますし……。 そして、リニューアルしても変わらなかった、特徴的なビニールカバー、そして黄色く塗られた小口塗装。(本文用紙がこんなに黄色っぽいのは昔からでしたっけ? 小口と相まって、ミステリ感が高まり、私は非常に好きです)こうした造本はお金がかかるでしょうし、また小口塗装してあると、小口を磨いて再出荷するということが難しい。そんなハードルがありつつも、この体裁を続けているところもしびれます。 というわけで、今回は『午前零時のフーガ』がポケミス最新刊なので取りあげましたが、このシリーズはどれも大変すばらしいです。読みやすいサイズ、カバンに入れても本が傷まず、小口塗装と本文用紙の黄色さが、ミステリの雰囲気を高めてくれる。ぜひ一度、手に取ってみていただきたいシリーズです。
Posted by
- 1
- 2