記憶喪失になったぼくが見た世界 の商品レビュー
再読です。 やはり、すごい。 記憶が戻ってきたときに、また別の自分になるのか?っていう 問いも、怖いです。
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大学生の時に交通事故にあい、過去の記憶を失った作者の実話。作者の視点と、母親の視点の両方が交互に綴られる。 作者自身が本当に幼児のような状態に戻って、周りの情景や友人、家族の様子を語っている部分は、子供の視点のようでとてもリアル。母親の当時の心情などは、子を持つ親として、本当に...
大学生の時に交通事故にあい、過去の記憶を失った作者の実話。作者の視点と、母親の視点の両方が交互に綴られる。 作者自身が本当に幼児のような状態に戻って、周りの情景や友人、家族の様子を語っている部分は、子供の視点のようでとてもリアル。母親の当時の心情などは、子を持つ親として、本当に強い両親だなと感じる。 面白いけど、まぁでも星3つかな。
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とても優しくて、暖かくて・・・ 本当に素晴らしい本です。 自分も何かに向け、頑張ってみたい! そう素直に思うことができる本です。
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著者が18歳の時にバイク事故で重体となり、病院で目覚めた時にすべての記憶が無くなっていたという所から本書は始まる。記憶喪失なんて映画やドラマではよくあるけれど、本当にこういう事があるのですね。 自分の事、家族の事、友人の事、目の前に見える物が何なのか忘れ、本書を書いた事故から12年後でも記憶は点としてしかよみがえらない状態。本人も家族も大変だと思います。各章の終わりにある母親の文章と本人との対比が面白い。
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記憶喪失によって忘れてしまったことは、自分自身のことや周囲の人間のことだけではありませんでした。 満腹だと感じることを忘れ、お腹がいっぱになっても食べ続ける。 眠るということを忘れ、夜中に家族を起こしてしまう。 人間として当たり前にやってきたことさえ忘れている状態での大学生活...
記憶喪失によって忘れてしまったことは、自分自身のことや周囲の人間のことだけではありませんでした。 満腹だと感じることを忘れ、お腹がいっぱになっても食べ続ける。 眠るということを忘れ、夜中に家族を起こしてしまう。 人間として当たり前にやってきたことさえ忘れている状態での大学生活復帰は、本人はもちろんのこと、優介さんを理解し、見守り、時には叱咤しながら支えてきた家族は大変だったでしょう。 本書の中では記憶を取り戻すことは出来ないまま。 ですが、過去の自分を思い出そうと躍起になるのではなく、今の自分を受け入れ、未来を見つめている優介さんを純粋に応援したくなりました。 (中央図書館)
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自分に関する記憶だけでなく、「食べる」「眠る」などが 全てわからなくなってしまった青年の12年間を綴ったノンフィクション 見るもの全てが新しく、何なのかわからない彼が表現する私たちの日常はとっても瑞々しい 冒頭からページが進むにつれて、使われている漢字が増えていくのには感動しました また、解説の俵万智さんも書かれていますが、ご両親が素晴らしい 記憶をなくした息子を一人旅に送り出す、一人暮らしをさせる、スクーターで事故を起こした息子をバイクに乗せる… かわいそうだ、かわいそうだと甘やかすのではなく、時に優しさで包み、時に厳しく自立へ向かわせていく姿勢には敬服します 欲を言えば、もっと坪倉さんの作品をカラーで入れて欲しかったなー 2012/10/24
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18歳の美大生が事故にあい、記憶を失ってからの12年間のノンフィクション。これを読んだ感想は「本は読み手の心を映す鏡」だな、と言うこと。 私の感想は「なんとも言えない」だった。 リアルタイムで書いたものなんだろうか……? だとしたら葛藤はないのか? なんというか、うーん。...
18歳の美大生が事故にあい、記憶を失ってからの12年間のノンフィクション。これを読んだ感想は「本は読み手の心を映す鏡」だな、と言うこと。 私の感想は「なんとも言えない」だった。 リアルタイムで書いたものなんだろうか……? だとしたら葛藤はないのか? なんというか、うーん。もっとどろどろとしたものがあって、その中の綺麗なものをチョイスして載せた感があるのだけれど、それは人間を偽悪的に見すぎているのかな。 ただ、この人の作品は、過去関係なく見てみたいな、と思った。 草木染作家としての個展を見るか、それについての本を読んでみたい。
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記憶喪失といえば、「私は誰?ここはどこ?」の世界だと思っていた。きっと人によって程度や症状はさまざまだとは思うが、著者・坪倉さんの場合はそんなもんじゃない。なにもわからない、言葉もほとんど忘れてしまった状態。そんなほぼまっさらなのに、身体は18歳なのだ。社会的には18歳として生...
記憶喪失といえば、「私は誰?ここはどこ?」の世界だと思っていた。きっと人によって程度や症状はさまざまだとは思うが、著者・坪倉さんの場合はそんなもんじゃない。なにもわからない、言葉もほとんど忘れてしまった状態。そんなほぼまっさらなのに、身体は18歳なのだ。社会的には18歳として生きていかなければならないのだ。 本書はそんな坪倉さんの言葉と、お母さんの手記で構成されている。見るものすべてが初めてで、しかもそれを表現する術すら持ち合わせていない坪倉さんの言葉は、たどたどしくも新鮮で、それを外から見守る母親の言葉は愛情に満ちている。 少しずつ生活できるようになっていき、最後には立派な職人さんになっていて、本書にも少しその作品が載せられているが、その美しさに感嘆し、乗り越えたんだなあと思えた。 久しぶりにいいノンフィクションの本を読んだ。
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通常記憶喪失というと、「ここはどこ?? 私はだれ??」 という感じで、とりあえず日常生活をしながら 自分に関する記憶を取り戻す、って話が多い。 だけどこの作者は、バイクの事故で18歳の時脳に衝撃をうけて そればかりじゃなく、日常のすべても忘れてしまう。 食べるも、眠るもわか...
通常記憶喪失というと、「ここはどこ?? 私はだれ??」 という感じで、とりあえず日常生活をしながら 自分に関する記憶を取り戻す、って話が多い。 だけどこの作者は、バイクの事故で18歳の時脳に衝撃をうけて そればかりじゃなく、日常のすべても忘れてしまう。 食べるも、眠るもわからない、 ただ会話はできるだけの大きな赤ちゃんになってしまった。 家族はもちろん困惑する。 食べなさい、といっても食べ方がわからないとか、 お風呂に入るといっても適温がわからないから用意しないといけない、 寝なさい、というと寝る意味がわからないといって寝られない。 母親は18歳の子を、赤ちゃんを育てるように育てる。 これは日記風、というかエッセイ風に書かれているけれど、 最初のころは本当に、小さな子供が 何も知らないまま世界に出て行って思ったことを書いているようで、 なんだかひどく神々しい。 赤ちゃんが生まれてすぐ喋れたらきっとこんなことを言うんだろうな、という。 だけど同時にそれが18歳になる大きな赤ちゃんだった時、 家族の苦労を思うときれいな言葉ではまとめられない、 苦しい気持ちになる。 仲の良かったらしい女の子のことも思い出せない。 そもそも女の子の扱いもわからない。 友達のこともわからない。何一つわからない。 自我はある作者の気持ちもつらい。 何一つわからないから学んでいくけれど、 周りは外見だけで、それを赤ん坊に接するようには対処してくれない。 戻らない記憶、わからないことだらけ、焦燥感。 結局彼は記憶が戻らないまま、再びの子育てを経て 一人立ちをするようにまでなった。 家族のささえってすごい。 だけど、自分の大事な人が記憶を失ったらどうなるだろう?? また自分を大事と思ってくれるんだろうか?? 全く興味のない人と思って去っていかれるんだろうか?? 自分が耐えられるだろうか?? 自分が大事な記憶を失ったらどうなるだろう?? 大事な人をまた大事に思えるだろうか?? 記憶ってなんだろう。
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記憶をなくした本人と、母親の視点から書かれているノンフィクション。事故で記憶をなくしてしまった美大生が、自分自身を立て直していく過程を追ったものです。本人の記述に挟まれる形で母親による記述があり、全体をとらえるのに役立ちました。 時に悔しく悲しい思いをしながら成長し人生を再構築し...
記憶をなくした本人と、母親の視点から書かれているノンフィクション。事故で記憶をなくしてしまった美大生が、自分自身を立て直していく過程を追ったものです。本人の記述に挟まれる形で母親による記述があり、全体をとらえるのに役立ちました。 時に悔しく悲しい思いをしながら成長し人生を再構築していく様子は、子供時代からやり直しているかのようです。坪倉優介という青年は過去を取り戻すことはできなかったけれど、未来を手に入れた。読み終わってそう思いました。
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