無縁社会の正体 の商品レビュー
題名の通り、無縁社会についてではなく、その原因について述べたもの。少子化、単身者の増加などが挙げられている。 離婚の増加について、寿命が延びたことで、長い間一緒にいることは耐えられないと考えることが増えたというのは面白い。
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TOPPOINT 2011年3月号より。 著者は同志社大学教授。 日本が突入した「無縁社会」の実態。
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私は核家族の家で育ちましたが、祖父母の家に行くことも年に1回はあり、今もそれと同じような生活をしています。ところが周りを見回してみると独身者の割合が増えています。 少子化と騒がれていますが、保育園の待機児童の数は統計の取り方で減少しているかどうかはともかく、働く女性にとって...
私は核家族の家で育ちましたが、祖父母の家に行くことも年に1回はあり、今もそれと同じような生活をしています。ところが周りを見回してみると独身者の割合が増えています。 少子化と騒がれていますが、保育園の待機児童の数は統計の取り方で減少しているかどうかはともかく、働く女性にとって子育てとの両立は依然として難しい状態は続いているような気もします。 この本の著者の橘木氏によると社会を構成してきた、血縁・地縁・社縁は崩壊し始めていると解説していますが、現在の社会がどうなっているかは、自分が地域や職場との関係をどのように捉えているかによって大いに変わるものだと思います。 特に、以前の家族形態を考える場合、日本人の平均寿命は40歳程度と短命であったことを考える必要があると実感しました。また、町内会がつくられた経緯に関する記述(p137)は興味深いものでした。 以下は気になったポイントです。 ・自殺者数の年度推移は、1998年に3万人を超えてから高止まり、1978年は2万人程度(p19) ・単身者が増えているのは、高齢者の単独世帯と、若者で結婚しない独身者の二つが増えているから(p28) ・1921年から戦後にあたる1945年までは、平均寿命は40~50年程度であり、高齢者の数は少なかったので、老親の面倒を誰が見るといった問題は起きにくかった(p36) ・高齢者の平均所得は306万円で、平均所得以下の高齢者が6割もいる、全世帯の所得平均は566万円(p51) ・日本の貧困は、母子家庭と高齢単身者の2つのグループが代表的(p62) ・1910年ころまでは離婚率は1.2%、婚姻率は9%、1960年ころから婚姻率9%以上、離婚率1%以下、2000年頃から婚姻率6%程度、離婚率2%である(p73) ・女性が男性にもとめる3Cは、快適な(=十分な収入のもとで余裕のある生活、comfortable)、通じ合える(=価値観を共有するスタイル、communicative)、協力的(=家事や育児に協力的、cooperative)である(p87) ・男性が女性にもとめる4Kは、かわいい、家庭的、賢い、(体重が)軽い、である、女性が価値観を変化させたのに対して、男性は変えていない(p87) ・肉食系女子の場合は、自分の夫のお金(給料)は出世はあきらめて、自分の息子にそれを期待するかもしれない(p103) ・日本の平均寿命は短かったので、親と同居するのは短期間、大家族制は想像されるほど多くなかったのが実態(p132) ・日本が戦争に向けて総動員体制に入ったときに、政府は町内会という組織を意図的に作って、市町村の下部構造として行政補助機構の役割を果たそうとした(p137) ・町内会は、徴兵制の補助事務担当、米などの配給事務を扱うこと、徴税業務の支援といった市町村が行うべき業務の補助を、多くの場合無償で行う必要があった(p137) ・1994年に結婚した人のうち、63%が仲人を立てていたが、2005年は1%であり、全国的にも急減しているのが現状(p169) ・戦前の昭和11年に全国規模で法制化された方面委員制度は、貧困者をみつけて救済が必要かどうかを見極める人であったが、児童委員も兼ねていた、無報酬であるが名誉職と言われていて地域の名士や有力人がその職についていた(p227) 2011/4/3作成
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(2011/1/23読了)いま流行りの「無縁社会」ですが(笑)一部にあるような「古き良き有縁社会に戻りましょう」という本ではありましぇん。血縁・地縁・社縁はもう崩壊したんですよー いろんな統計資料が載ってて興味深い。
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