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永遠売り の商品レビュー

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2018/01/25

むかし、むかし、 なんにもないところに愛だけがありました。 なんにもないところに女と犬がおりました。 『永遠』を売り歩く女の子と青年の 淡い恋をつなぐ、 柴犬まめの旅を ポラロイド独特の美しい色彩と、 優しい言葉で描いた写真絵本。 物憂げな柴犬まめの表情。 草原...

むかし、むかし、 なんにもないところに愛だけがありました。 なんにもないところに女と犬がおりました。 『永遠』を売り歩く女の子と青年の 淡い恋をつなぐ、 柴犬まめの旅を ポラロイド独特の美しい色彩と、 優しい言葉で描いた写真絵本。 物憂げな柴犬まめの表情。 草原の柔らかな色合い。 エメラルドグリーンの水辺に佇む柴犬一匹。 幻想的で、どこかおとぎ話の世界に紛れこんだような 美しいポラロイド写真の数々。 逃したくない一瞬や、 キュンとなる一瞬を増やす生き方が 永遠とシンクロしていると 著者の村上さんは言う。  では、『永遠』とは そもそも、いったいなんなのだろう。 時間を超越する存在。 いつまでも果てしなく続いていくこと。 だけど 限りある命の人間には、必ず終わりがある。 『永遠』を所有物として持つことは到底できない。 けれども人間は、 日々の生活のあらゆる場面で、 『永遠』の中に 今、自らがいることを感じとることはできるのだ。 大河の流れ。 大草原に降る雨。 しんしんと降り積もる雪。 鐘の音の余韻。 夜空に瞬く、打ち上げ花火。 美術館で見る、遥か昔の人が書いた絵。 夜の闇を照らす幾千もの星。 恋人の寝息。 家族で食べる笑顔の夕べ。 ホームランを打って ベースをゆっくり回る瞬間。 お気に入りの音楽に身を委ねてるとき。 そして 大切な誰かを想うひととき。 『永遠』を感じるとき、 人は満たされ、 幸福感に包まれる。 少女が最後に託した 『永遠』は 果たして愛だったのだろうか… もしも、 どこかの街角で 『永遠売り』に出会ったなら、 あなたは何を願いますか?

Posted byブクログ