パパはちんぐる の商品レビュー

多田イサム(著者)

2011/02/07

　昨年ピザッツDXに掲載されてた作品を読んでおもしろいと思ってたのに、その作品が単行本になってたのを完全に見逃してました。
　まずタイトルの「ちんぐる」って何？というのも興味を惹きますが、実はそのまんまの意味です。
　主人公はバツイチ子持ちのシングルファザー。物語はそんな彼が離婚してから1年後、夢精をした朝から始まる。子供のタクミはまだ完全に乳離れもしてないような保育園児。今朝もそんなタクミを連れてお迎えのバスまで連れていく。バスの周囲には子供をバスに乗せる大勢のお母さんたち。もちろん若く快活な人妻たち。遅刻してきた斉藤さんは息を切らせながら、ゆうべは旦那と2回戦で寝坊しちゃった～と背後のシングルファザーの存在も忘れて言い訳したりして、いい雰囲気ｗ
　この作品、こんな感じに子育てを通して面識のできた奥さんたちと、結構良識ある関係をとりつつ、しっかり楽しめる展開にもっていってくれる、かなりの良作。工口マンガ世界に住む、すぐエッチモード爆発の男女キャラも好きなんですが、この主人公の行動のリアリティも好感度高め。奥さんたちのほうがやや積極的なまあリアルとは言いませんけど、それはまあファンタジー要素もないとねｗ。
　通勤電車の中でふといい形のお尻に目が吸い寄せられ、フェチな目線のコマがいくつか挿入されているのもいい。１話で夢精をきっかけに蘇ったオスの本能が彼の行動を変えたことは確かだけど、単にがっつくようなところがなく、いろんな奥さんとの距離間があって楽しめる。いや、単に近所の奥様方だけじゃなく、シチュエーションも非常にバリエーションがあっておもしろい。そんな中でも7話で同僚の新妻と偶然電車で一緒になったお話はGOOD。人混みに押されてはみ出した乳輪を思わず指でしまってあげるのだが、彼女の反応や彼の行動が楽しい。残念ながらこの1巻だけで終わってしまったようなのだが、次回作も期待している。
　作品は下記URLから1話途中まで立ち読みできる。
http://www.futabasha.co.jp/booksdb/book/bookview/978-4-575-83860-2.html?adlset=1#