水域(下) の商品レビュー
澄夫という不思議な少年の存在を通して語られる夢と現実の入り交じった面白い物語だった。作画力が高い。絵で心に語りかけるものがある
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※このレビューにはネタバレを含みます
私は比較的都会な場所で生まれ育ったので、自然はありますが、自分の住処を行政の命令により立ち退かなくてはならなくなったことはありません。 自分の住んでいた場所を自分の意思ではなく、誰かの意思で奪われるというのはとても辛いことなのだとこの漫画を通して学びました。 もちろん今回のテーマはダムの建設ということでしたが、東日本大震災を始めとする災害によって家がなくなった人にも思いがあるんだろうなと思います。 住んでいた場所を失うということはその場所にあった思い出までも失うということ、しかし、ダム建設によって揺れ動く人間模様は決して誰にも止められないというのが奥が深いと思います。 お金を積まれたら別に他の場所に住んでもいいと思う人がいるのも当然ですし、お金以上の思い出という価値をその土地に抱いている人もいます。 結局自分以外の人による決断というのはいつだって悲しく、辛いものなのだと思います。 それでも、未来に向かって歩き出すのです。 その辛い思い出を共に抱えながら。 そんなお話でした。
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水域(下) も凄く読み応えがあって、良かった。漆原友紀さんが描く物語は優しく・温かくて好きなんだよなー。
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相変わらずの雰囲気。ダム建設で沈んだ村の話はもうあまり聞かないけれど、三世代にもかかるこの話は時の流れを感じさせ、喪ったものへの追憶も苦い思い出も素晴らしい作りの話だった。
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蟲師も好きだけど、コレもよかった。モデル地は八ツ場ダムか、行ける距離だから見に行きたいな。水の底に沈む前に。
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夏に読むにぴったり。な、ホラー風ファンタジー。ダムに沈む村。思い出だけじゃく、取り残された想いが、せつなかった。
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親子三代に渡る「水」にまつわる物語が完結する。漆原作品でも最大の長編になった作品だけど、非常に素晴らしかった。謎の少年、スミオの正体、雨が降り続ける町の本当の姿、伏線と謎が解けていく下巻は圧巻!
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物語に緩急があって映画にも十分なり得る名作。『蟲師』好きな方にもそうでない方にもオススメ。『ダ・ヴィンチ』のプラチナ本に選ばれてたのね。納得。
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流石は蟲師の作者。何とも味わい深い作品だ。 ダムの水底に沈んだ村と、元住人の様々で複雑な思い。それがこのような表現になるとは、思いも寄らなかった。 読み終わった私の胸にも、奥の方に水域が生まれたような気がする。
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すごく良い作品。 文学的漫画…みたいな。幻想的なこの雰囲気が好きです。 切なくて、胸が熱くなりました。 おばあちゃんとお母さんと娘と。 名作ですね、みんなにおすすめしたいです。
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