発達障害者支援の現状と未来図 の商品レビュー

市川宏伸【監修】,内山登紀夫,田中康雄,辻井正次【編】

2013/12/18

ここでも全体観を見落とした専門性に疑問を感じる部分が多い
文明は安易で数値化可能な専門性に頼り
文化を疎んじがちである

物質性に偏った近代のメジャーな学問は
文明における利益に付随するものでしかなく
専門性の追求に終始している
縦社会の競争の中で孤立化してしまうことによって
お互いに都合のいい社会的価値観を高めてきた
言わば視野の狭い依存的で利己的な利権社会に囚われ
心を見失っている片足歩行状態である

残念ながらこの本の著者たちの多くも
少なからずこの落とし穴にハマっていると思われるので
話半分として理解しておくべきだろう

型にはめることへの配慮がないままに
机上で形を作ることに情熱を注いでも
現場における権利を持たないものほどシワ寄せを受けて
苦しむことになる

縦社会において有識者とよばれる権利取得者による
制度の充実は自己満足に終わり
得てして現場の柔軟性を奪い殺してしまう

ここに登場する一部の学識者と言われて言う人々の
文中における支離滅裂な「テニヲハ」を見るに付けても
如何に全体観と視野の広さに欠けているかを
知ることができるだろう