レッド・ドラゴン侵攻!(下) の商品レビュー
中国のベトナム侵攻工作の目撃者をめぐる冒険小説として悪くないけど、全然テクノスリラーじゃないし、半端に終わるなあと思ったら後書きで「レッド・ドラゴン侵攻!」は四部作!!!ここまでが導入部なら、早く続きを読みたい
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ラリー・ボンドの描く軍事スリラーは、双方の人物の描き方が緻密で一方的な勧善懲悪のような薄ペラさがない。今回も景(ジン)少尉という中国軍の先鞭を受け持つ小隊長と科学者の脱出を図るCIA現地支局員のマーラとそれを支援する傭兵部隊など登場人物が細かに描かれ厚みを増している。さて、圧倒的...
ラリー・ボンドの描く軍事スリラーは、双方の人物の描き方が緻密で一方的な勧善懲悪のような薄ペラさがない。今回も景(ジン)少尉という中国軍の先鞭を受け持つ小隊長と科学者の脱出を図るCIA現地支局員のマーラとそれを支援する傭兵部隊など登場人物が細かに描かれ厚みを増している。さて、圧倒的な軍備で南進する中国軍を前に防戦もままならないベトナム政府をアメリカの奇策が救う。実際に起こり得るかもしれないアジアの危機にもこのような起死回生の策があればよいのであるが。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
4部作の序章のため、主人公が助かるところまでで尻切れトンボ的に終わるため、評価が難しい。ウォーシミュレーション小説ではあるが、脱出劇が主体となっているため、その印象は少なく、良く人間が描けていないというシミュレーション小説の批評には当たらないが、逆に脱出劇に偏っているため、戦闘の在り方には少々、リアリティに欠けるきらいがある。禅に傾倒する中国兵士や韓国人傭兵とかベトナム人パイロットとかバイクの案内人とか曲者が登場する割に、退場はあっけない。今後のシリーズで再登場するのだろうなと思うが、次回作が出るまで覚えていられるか自信がない。中国の台頭は誰もが不安を覚えるものだが、ここまで経済に縛られた状況下で戦争ができるかという観点から、温暖化による農業化でアメリカの経済的な自立を背景としているが、この点は議論が分かれるところだろう。既にアメリカは世界の警察からの立場を降りつつあり、中国覇権主義とどこまで本気で対峙できるかという覚悟を問われることになる、次回作に期待したい。
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