がん 生と死の謎に挑む の商品レビュー
私の家系も家内の家系も幸いにしてガンの少ない家系ですがそんなのんびりしたことを言ってられないのがガン治療の「今」なのだ、ということがわかりました。 まずは、「抗がん剤は効かない」。なぜならがんの成長を抑えるとか阻害するというのは間違いなく正常な細胞も傷つけるから。 がんは遺...
私の家系も家内の家系も幸いにしてガンの少ない家系ですがそんなのんびりしたことを言ってられないのがガン治療の「今」なのだ、ということがわかりました。 まずは、「抗がん剤は効かない」。なぜならがんの成長を抑えるとか阻害するというのは間違いなく正常な細胞も傷つけるから。 がんは遺伝子の異常で起こる、というのはほぼ間違いなさそうですが、同じ遺伝子情報を持っていてもがんになる人とならない人がいる。 …調べて行くと、同じ乳がんでも原因となる遺伝子情報の異常は、がん患者一人一人ですべて違う、と… そしてそもそも論から入ると、「がんとは何か」も「わからない」。 この20年ほどのがん研究はがんを追い詰めるどころか「却ってがんが何かわからなくなった」というのが正直なところ。 著者の立花隆さんは、徹底した取材をもとにしたドキュメンタリーを得意にしています。ここではいちいちあげませんが、いろいろな分野について精通しています。 そしてご自身もぼうこうがんの手術を経験しています。 その立花隆をして、 「私が生きている間にがんが制圧されることはありえない」と書かせます。 生命とは、生きるとは、ということとうらはらの位置にありますが、がんとは何か?今のところ、「わからない」のだそうです。
Posted by
大反響を呼んだらしいNHKスペシャル「立花隆 思索ドキュメント がん 生と死の謎に挑む」の書籍版で、昨年の12月に発売されています。このときのNHKスペシャルのDVDが添付されていました。 立花さんは1940年生まれの70歳。ジャーナリストというカテゴリーですよね。いろんなこと...
大反響を呼んだらしいNHKスペシャル「立花隆 思索ドキュメント がん 生と死の謎に挑む」の書籍版で、昨年の12月に発売されています。このときのNHKスペシャルのDVDが添付されていました。 立花さんは1940年生まれの70歳。ジャーナリストというカテゴリーですよね。いろんなことを取材され、さまざまな著作を出版されています。2007年に自らの膀胱がんが見つかり、手術をされています。 この本の中でも何度も何度も繰り返し述べられていますが、日本人にとってがんは2人に1人がかかり、3人に1人がそれによって死ぬというとても身近な病気です。 私の近くでも、母方の祖父が大腸がんで亡くなり、母の弟は若い頃に胃がんになり胃を切除して回復(したものの50代でお風呂で突然亡くなりましたが)、父の弟の奥さんも50代でお腹のがんで亡くなり・・・ん、意外と血縁者にがんが少ないかも? 親族以外では、数年前に友人が末期の乳がんで亡くなりました。友達にも乳がんを切って治した人がいるし、乳がんを治した人は会社の同僚にも二人ほどいます。その他、元部下が前立腺がんでしたがこれも治しましたね。上さまのお母さんはがんで亡くなっています。 まあ、まわりにがんの人が一人もいないなんていう日本人はあまりいないことでしょう。 私も友人ががんになったときは、がんについて相当調べたりしましたし、当然のことながら興味はあるので、立花さんのか書かれたものを読んでみたいなというのが本を手にした動機でした。しかし、その段階では立花さんご本人ががんだとは知りませんでした。 本は2章に分かれていて、最初の1章はNHKスペシャルを撮ったときの取材等の話を書きすすめつつ、現在のがんに関する医学の進み具合について書かれていました。簡単に言うと、まだまだ人類はがんについて解明には至っておらず、がんを克服するには更に30年、50年といった年月を要しそうであるということです。 第2章はご本人の経験を書かれていました。 ここで内容について要約したりはしませんが、私の感想は、ご自分ががんにかかりながら、これだけ冷静に様々なことを分析し、書物にまとめられるというのは素晴らしいことだなということです。ジャーナリストですからとことん客観的なんでしょうね。 まあしかし、私もデータを記録すること、分析すること、公表することは好きなので、自分ががんになったら、もっともっと細かいことも含めていろいろ書き記して発表したりするだろうなと思ってしまいました。ものを書けるうちは死ぬまでやっちゃうんじゃないかな。どうやらそういうサガのようです。 あなたの余命はこのくらいです、と言われたらうろたえるかな? 実際言われたらうろたえるかもしれないけど、今のところ淡々と受け止めそうな気もしています。 抗がん剤や代替医療にわらをもすがる思いですがってしまうのか・・・・。 そのときになってみないと分からないけど、今のところ、そんなことはしないような気もします。 まあでもこればっかりはその立場になってみないと分からないよな・・・。 立花さんは離婚された元奥様が末期がんになり、立花さんに相談に来られた時のことを書いていらっしゃいます。かなりうろたえていらしたらしく、医者が間違っている、おかしい、と怒り狂っていたり、代替医療にたくさんのお金をつぎ込んだりしているのを見て、ああいうふうにはなりたくないと思われたとか。 そういうふうにはなりたくないですね。 あなたの命はあと1年ですって言われたら何をするかな・・・。 世界一周だな。そして病気のことと世界一周のことを書きまくるな。 とまあ、そんな読後感を抱いた本でした。がんに興味のある方にはお勧めします。
Posted by
- 1
- 2