遥かなる未踏峰(上) の商品レビュー
エヴェレスト、サガルマタ、チョモランマに最初に登頂した(と考えたい)登山隊を率いたジョージ・リー・マロリーを描いた小説 冒頭、1999年5月1日に国際探索隊によって彼の遺体が発見されたとき、最愛の妻ルースの写真は身につけていなかったと述べられ、この伏線は最後に解決される。(種あか...
エヴェレスト、サガルマタ、チョモランマに最初に登頂した(と考えたい)登山隊を率いたジョージ・リー・マロリーを描いた小説 冒頭、1999年5月1日に国際探索隊によって彼の遺体が発見されたとき、最愛の妻ルースの写真は身につけていなかったと述べられ、この伏線は最後に解決される。(種あかしは、読んでいただくか、がまんできない方はWiki ジョージ・マロリーを) ジェフリー・アーチャーはご存じの通りの優れたストーリー・テラーで、3回の遠征を2回に圧縮したりはしているけれど、マロリー、ルース始め多くの登場人物の魅力が暖かい読後の印象を保証してくれます。 公式には最初の登頂者の栄誉は、エドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイに与えられており、その理由は、「登頂」とは生きて帰ってこそ意味がある行為という考えによるもので、それはマロリーの息子ジョン・マロリーも認めているようだ。私も賛成ではあるが、マロリーの功績は決して揺るがないと思う。
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「未踏峰」は僕の大好きなジェフリー・アーチャーの作品。 人類初めてエベレストに挑戦する登山家のお話。「なぜ山に登るのか?」「そこに山があるからだよ」のセリフはあまりに有名。ジェフリー・アーチャーは「ケインとアベル」「チェルシーテラスへの道」が特に好きで何度も読んでました。成功譚...
「未踏峰」は僕の大好きなジェフリー・アーチャーの作品。 人類初めてエベレストに挑戦する登山家のお話。「なぜ山に登るのか?」「そこに山があるからだよ」のセリフはあまりに有名。ジェフリー・アーチャーは「ケインとアベル」「チェルシーテラスへの道」が特に好きで何度も読んでました。成功譚のようなものが得意で面白いと思っていましたが、僕がほとんど興味のない登山の話でこれだけ面白く感じれたということはきっと彼の文章が好きなのかもしれないなーと思いました。 章の終わりごとに洒落の利いたセリフがあることが多く、イギリスらしいなーといつも感じるわけです。
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彼の作品はほとんど読んでいる。本作もうまいし読ませる。一人の名登山家の生涯を、レトリックを駆使した文体や、手紙のやり取りを随時挿入するなど、様々な手法を駆使して語っている。 ただ、人物伝でもないし、登山小説でもないし、恋愛小説とも違うし、中途半端な印象。世界最高峰チョモランマへ人...
彼の作品はほとんど読んでいる。本作もうまいし読ませる。一人の名登山家の生涯を、レトリックを駆使した文体や、手紙のやり取りを随時挿入するなど、様々な手法を駆使して語っている。 ただ、人物伝でもないし、登山小説でもないし、恋愛小説とも違うし、中途半端な印象。世界最高峰チョモランマへ人類としての初登頂に成功したのか、という”クライマックス”が何とも盛り上がらないまま終わってしまう。人物描写も類型的だし、物語の背景も希薄だ。 もう彼の筆力も衰えてきたのかと心配になる作品だった。
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エベレスト登頂を初めて成し遂げたのか、それとも幻なのか。 1999年に死体が発見されたが、それでもなお謎は解明されず。そんなミステリーの話かと思い読み始めたけど、そうでもないらしい。訳が慣れなかったがひとまず下巻へ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
20世紀初頭、エベレスト初登頂を目指したイギリスのアルピニストの生涯をモチーフにしたストーリー。 ジェフリーアーチャーの小説は、多分完全読破継続中だと思う。本作は、昨年の『誇りと報酬』に続いて約1年ぶり。とはいえ、いまだに一年に一冊は新作が和訳されてリリースされ、それが漏れなく面白いのだから、その安定感たるや凄い。 彼の作風は、壮大なプロットとテンポの良い場面展開と、小気味の良い主人公の立ち回りを楽しませるものと、歴史的な背景などを含めて荘厳なテーマを重厚に語るものの両極端の書きっぷりがある。 本作は、後者のジャンルのもので、まだまだ封建的で良くも悪しくも伝統的なイギリスの文化の香りを色濃く残した時代が場面として設定されている。 アーチャー自身は、この小説の中で、主人公マーローの目線で、当時のイギリスの伝統的な価値観を、全否定でも全肯定でもないスタンスで描いている。 一方では封建的で、排他的なイギリス人の頑なさを否定しつつ、礼儀作法などの伝統的な行動様式に一定のリスペクトも感じさせる。主人公マーローの等身大の感覚で、当時の文化を語り、表現してみせている。 そうした時代小説的な側面がありつつも、全体としては、未踏峰に挑む国家的なプロジェクトを描いた「山岳小説」である。 山岳小説、というジャンルがあるのかどうか定かではないが、未踏峰という大自然の驚異を相手に挑むアドベンチャーストーリーは、第一級のエンターティメントだと思う。 しかし、本作は、それだけに止まらない。 最愛の妻との心のふれあいのシーン、最大のライバルであり親友でもある破天荒なアルピニストとの友情のシーンなど、心もようを描く場面も、第一級なのだ。 このあたりは、さすがアーチャー。年輪を感じさせる筆致である。
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7月-15。3.0点。 登山家の物語。翻訳物が久しぶり。言い回しが慣れるまで時間かかった。 下巻に期待。
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ジェフリー・アーチャーの遥かなる未踏峰を読みました。イギリスの登山家ジョージ・マロリーの生涯を描いた冒険小説でした。世界初のエベレスト登頂に挑戦したジョージの栄光と挫折が描かれています。命を賭しても成し遂げるべき事業があるのだ、と言う信念のもと、ジョージは2度にわたってエベレスト...
ジェフリー・アーチャーの遥かなる未踏峰を読みました。イギリスの登山家ジョージ・マロリーの生涯を描いた冒険小説でした。世界初のエベレスト登頂に挑戦したジョージの栄光と挫折が描かれています。命を賭しても成し遂げるべき事業があるのだ、と言う信念のもと、ジョージは2度にわたってエベレスト登頂に挑戦します。なぜ山に登るのですか、と訊かれて「そこに山があるからだ」と答えたジョージの信念に満ちた一生が描かれています。愛妻家でもあったジョージはエベレストの頂上に妻の写真を置くことを目標に頂上を目指すのですが、ベースキャンプに戻ることは出来ず遭難してしまったのでした。読み終えた後に、暖かい余韻の残る物語でした。
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ジェフリー・アーチャーを初読。なんとなくもっと仰々しいのだろうと勝手に思っていたけど、すごく読みやすくて意外でした。なぜ山に登るのかという質問に「そこに山があるからさ」と答えたイギリス人の登山家マロリーの生涯を、事実に基づいて物語として再構築。マロリーは登山に対しても女性に対して...
ジェフリー・アーチャーを初読。なんとなくもっと仰々しいのだろうと勝手に思っていたけど、すごく読みやすくて意外でした。なぜ山に登るのかという質問に「そこに山があるからさ」と答えたイギリス人の登山家マロリーの生涯を、事実に基づいて物語として再構築。マロリーは登山に対しても女性に対しても一途なロマンチストとして描かれています。彼の最愛の妻ルース、ライバルのフィンチ、学生のときからの親友ガイ、遠征を率いる将軍、王立学会の役人ヒンクスなど、周囲の人たちも本当に個性たっぷりに生き生きと書き込まれているので、結末がわかっているのに、最後まで興味深く読めました。とても面白かったです。
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マロリーの生い立ち。遅刻して壁をよじ登ったこと、エッフェル塔の登頂未遂、ヴェネチアで恋するルースに言われて鐘を登ったことなど、一風変わった愛すべきマロリーが描かれている。
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はたしてマロリーはエヴェレストに登頂したのか?登山界の永遠のミステリー.てっきりこの謎を解き明かしてくれるものた早合点して呼んだのが間違い.マロリーの生い立ちから結婚そんなものどうでもいい.特に面白い訳ではないし普通の人.ただ高いところに上るのは好きだったみたい.
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