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ガロア の商品レビュー

4.1

19件のお客様レビュー

  1. 5つ

    7

  2. 4つ

    5

  3. 3つ

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2024/01/06

世に天才と言われた人は多いが、ガロアは真の天才だった。なにしろ、20歳で後の数学に大きな影響を与える「群論」を打ち立てたのだから。しかも、その理論が記されたのは遺書の手紙で、その後ガロアは決闘で死んでしまった。その短くもドラマチックな生涯をコンパクトにまとめた本である。数学者が書...

世に天才と言われた人は多いが、ガロアは真の天才だった。なにしろ、20歳で後の数学に大きな影響を与える「群論」を打ち立てたのだから。しかも、その理論が記されたのは遺書の手紙で、その後ガロアは決闘で死んでしまった。その短くもドラマチックな生涯をコンパクトにまとめた本である。数学者が書いているのでガロアの数学の解説もあるのだが、そこはさっぱり分からなかった。しかし、時代背景と数々の不運と彼自身の性格から、吸い寄せられるように死へと向かっていった人生には哀れを覚える。

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2020/02/06

ガロア群で有名なガロアの生涯をたどった物語。若くて決闘に倒れた悲劇の天才数学者である。ガロアの理論は同時代人にはなかなか理解されなかったが、現代数学を築くもとになった概念を二十歳の若さで作り出して、すい星のように消えたのだ。数式はほとんど出てこないので、安心して読むことができます...

ガロア群で有名なガロアの生涯をたどった物語。若くて決闘に倒れた悲劇の天才数学者である。ガロアの理論は同時代人にはなかなか理解されなかったが、現代数学を築くもとになった概念を二十歳の若さで作り出して、すい星のように消えたのだ。数式はほとんど出てこないので、安心して読むことができます。

Posted byブクログ

2019/06/03

こういう本を読みたかったのだ。いろんな本で断片的に読んでいたガロアの生涯、人柄、業績の価値について、初めてちゃんと知ることができた。時代背景や関わった人たちのことも詳しい。それにしても、決闘なんかせず普通に生きていたら…と今さらながら思わずにいられない。

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2018/06/15

ガロアの群論と、ドラクロアの「民衆を導く自由の女神」と、ユーゴーの「レ・ミゼラブル」。これらがすべてフランス 7月革命の時代に関わっていることが興味深い。

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2017/08/19

アパレルの倉庫に勤めていた頃、繁忙期になると当然のように 残業だった。商品の出荷に追われてヘロヘロになって集計表 を書き込む夜8時過ぎ。8+8の暗算が出来なかった。 隣で出荷指示書を整理している相棒に「ねぇ、8+8っていくつ?」 と聞いて呆れられたっけ。 現在は派遣先で電話オ...

アパレルの倉庫に勤めていた頃、繁忙期になると当然のように 残業だった。商品の出荷に追われてヘロヘロになって集計表 を書き込む夜8時過ぎ。8+8の暗算が出来なかった。 隣で出荷指示書を整理している相棒に「ねぇ、8+8っていくつ?」 と聞いて呆れられたっけ。 現在は派遣先で電話オペレーターをしている。就業時間、1日の 受電件数の合計を出す。やべぇ、二ケタの足し算が暗算で出来 ない。電卓があってよかったよ。 ことほどさように数字が苦手である。中学・高校時代はなんで この世に数学なんてものがあるのか恨んだものだ。 以前ポアンカレ予想を解き明かしたロシア人数学者の話を 読んだ。数式はチンプンカンプン。でも、数学者という人々の 評伝には興味を持った。 そこで本書である。ガロア理論は聴いたことがあるだけ。その 理論を展開した19世紀の天才数学者の評伝である。 もう生まれた時代が悪かったとしか言えない。19世紀のフランス。 王党派と共和派が鎬を削る時代に生まれたガロアの人生には、 政治の影が色濃くつきまとう。 彼に理解を示す教師に出会え、せっかくその才能を開花させた のに数学よりも政治運動にのめり込んでしまうのだものな。 時代がもう少し安定していたのならば、ガロアは20歳で世を 去ることもなかったのかもしれないし、その後も数学の世界 で研究を続けられたのかもしれない。 数学がお手上げでも興味深く読めたのは、著者のガロアへ 対する愛情の深さが感じられたからか。

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2015/01/31

過不足ない記述に大満足。ガロアの人物と当時のフランスの社会状況の抑制のきいた描写。数学者が書いたものとしての面目躍如たるガロアの数学的な卓越性の解説。夢中で読み切った。

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2013/10/16

Évariste Galoiksの伝記というよりもかいつまんで一生を解説している。 Galois理論の数学的な説明はほとんどないので、こちらを期待している方はがっかりします。 当時の社会背景、最近はやりのLes Misérablesと時代背景が似ている(フランス革命時です)ので...

Évariste Galoiksの伝記というよりもかいつまんで一生を解説している。 Galois理論の数学的な説明はほとんどないので、こちらを期待している方はがっかりします。 当時の社会背景、最近はやりのLes Misérablesと時代背景が似ている(フランス革命時です)ので、なじみやすい。 といいつつ、 Galoisの伝記なんて興味を持って読む人は限られていると思うので、本書のように数学的な説明はほぼなく、とはいいつつ伝記としても中途半端なので読み手を選ぶ一冊でしょうか。

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2012/03/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

謎の決闘により二十歳で悲劇の死を遂げた天才数学者として有名なガロアだが、その生い立ちや時代背景などについてここまで詳しい本は初めて読んだ。 当時の高校にあたるルイ・ル・グランでの教師による細かい成績評価の変化や、数学との出会い、境遇への不満と憤り、政治活動への傾倒など、当時のガロアの心象風景を、残された歴史的事実に基づいて推測していく様子は、著者のガロアと彼の業績、数学そのものに対する深い敬意を感じる。 最先端の数学以外に興味を示さなくなったガロアが、当時のエリート校エコール・ポリテクニークへの面接入学試験で落とされる顛末は、某K大学の数学科で飛び級試験をうけて落とされ、面接官を罵った友人の反応と極めて似通っていて興味深い。 また、純粋さや理想に燃え、小賢しい大人たちを激しく糾弾する気持ちもわからんでもないし、つい日和見的に生きてしまう日々の生活を自戒させられた。 この本では、とくにレ・ミゼラブルと時代背景が同じということもあって、この小説の中の記述との対比が多いことも特徴的。これは編集者の助言によるものらしい。 例えば、彼が破滅の道を選ぶきっかけの一つであるフランス7月革命。ドラクロワの「民衆を導く自由(の女神)」において、女性の右側に描かれている銃をもった少年は、「レ・ミゼラブル」の登場人物の一人、ガヴローシュのモデルと言われている。左のオジサンはドラクロワ本人とも。 政治体制がコロコロかわっていた当時のフランスを思うと、今の日本はずいぶんマシにも思える。7月革命では、パリ内の街路樹と道路の石版は、バリケードの為にすべてなくなってしまったとか。 この時代に関係ある本として、次は途中で止まっているシュテファン・ツヴァイクの「ジョゼフ・フーシェ」や、バルザック、モームの著作なんかにも手を出したいと思うけれど、時間がない!

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2011/10/28

 15歳で数学にハマり,20歳で死ぬまでに,数学を根本から変える発想を生み出した天才ガロア。理解者に恵まれず,過激な共和主義に走り,投獄も経験し,最後には決闘で致命傷を負う。正に波瀾の人生。  広く流布した説とは異なり,コーシーだけはガロアの理論を理解してくれていたという話には救...

 15歳で数学にハマり,20歳で死ぬまでに,数学を根本から変える発想を生み出した天才ガロア。理解者に恵まれず,過激な共和主義に走り,投獄も経験し,最後には決闘で致命傷を負う。正に波瀾の人生。  広く流布した説とは異なり,コーシーだけはガロアの理論を理解してくれていたという話には救われる。ただ,彼は七月革命を前に亡命し,次に論文を受け取ったフーリエは急死して論文は散逸。エコール・ポリテクニークにも落ちる。父親が陰湿な中傷で鬱になって自殺。時はナポレオン失脚後の復古王政期。ガロアは共和主義に期待を寄せていた。1830年のパリ七月革命では,在学中のエコール・ノルマル校長の日和見主義で,学生は外出禁止。革命に参加できなかったガロアは憤慨し,校長を批判して退学処分に。その後は運動にのめりこみ,王の暗殺まで仄めかし逮捕。そんな運動のさなかもガロアは自分の数学をあたため,幻の著作の構想もまとめていた。  決闘の前の晩に友人シュバリエに宛てた手紙は有名で,彼の理論の骨子とともに「僕には時間がない」との走り書き。脚色してるみたいにドラマチックだが,これが事実なんだよなあ。手紙も残ってる。いやはやすごい人物だ。しかも,ガロアは五次方程式の解の理論のアイデアを,方程式だけでなくさらなる数学的構造に適用することまで示唆しており,群や体の理論の先駆けとなった。集合論の道具立てもない時代に,これだけのことをしたのはすごいし,同時代に理解されなかったのも仕方ないのかもしれない。ガロアの仕事が発掘され注目されたのは,1846年というから,死後14年が経っている。これだけの時間が経って,ようやくガロアの理論が理解されるようになった。天才はほんとにつらい。

Posted byブクログ

2011/10/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

今年2011年はガロア生誕200年という。 そのガロアが生きた1911年からの20年は、ユゴーの「レ・ミゼラブル」の時代設定とほぼ重なっており、本書では、ガロアの生涯を描くのに、たびたびこの小説からの引用がなされ、フランスの、パリの、その時代を映すのに効果をもたらしている。

Posted byブクログ