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ゆうわく喫茶 の商品レビュー

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未亡人達の本音を描いた異色の意欲作

タイトルや表紙の印象から甘々な展開を期待すると「おや?」となることを最初に記しておく。最終的には報われるものの、主人公(45歳)と、これに同調する男性読者の多くは4人+ α もの未亡人達の言動に終盤まで戸惑いを覚えるかもしれない。人生の谷を経験した女達が「未亡人喫茶」なる舞台で良...

タイトルや表紙の印象から甘々な展開を期待すると「おや?」となることを最初に記しておく。最終的には報われるものの、主人公(45歳)と、これに同調する男性読者の多くは4人+ α もの未亡人達の言動に終盤まで戸惑いを覚えるかもしれない。人生の谷を経験した女達が「未亡人喫茶」なる舞台で良くも悪くも垣間見せる本音をリアルと感じながらも、リアルであるが故に読み手の思惑通りに展開しないもどかしさもまた感じたりする。男の願望ファンタジーを満たす“理想の女性像”と言うより、哀しみを湛えた女達が、自力、あるいは他力をも借りてこれを乗り越えるために主人公との関係さえも新たな人生を歩み始めるための契機として活用しようとするしたたかな一面すら見えてくる。男に都合の良い展開はほどほどに留め、時に男の感覚では「?」となりかねないヒロイン達の言動を見ると、もしかしたらこれに共感できる女性にこそ読んでもらいたい作品なのかもしれない。 あらすじに明記されている(これも女性読者を意識してのことかと思われる)ように、本作にはヒロイン同士の百合展開があり、これが結構幅を利かせている。ただし、これには官能描写の変化球という意味合いもあろうが、実に「らしい」設定に加え、そうならざるを得なかったヒロインの心情に重きが置かれている。このヒロインに触発されて燻った想いが解放されるヒロインもいれば、これに主人公が加わった3Pの結果、男の良さも知る面白味が加えられていたりもする。また、通常の官能描写に少しぎこちないところが見られるのに反して、百合描写になってから作者の筆が俄然ノってきた感があり、いわゆるタチとネコの心情描写に冴えを見せている。 こうした部分の好みは別にして、本音を際立たせるための建前や、女性らしい猫っ被りで意地っ張りな描写に妙味があり、ニブチンと揶揄されながら女心を知らされていく主人公には「呆れるけどカワイイ男」的な優しさも付加されている。さらには、最後にメインヒロインと繰り広げられる連続絶頂の情交には格段のいやらしさがあり、美麗なルックスとプロポーションを誇るヒロインの描写も含めて際立つものがあった。これが結末に繋がり読後感を大いに高めている。

DSK