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自由であるということ の商品レビュー

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2013/08/15

フロイト、マルクスに通じた思想家として名高い著者はこの本の中で「有神論者ではないが、小さいころから、モーセ5書を読んできた」という。自らを無神論者と呼ばず、非有神論者と呼ぶのは根源的ヒューマニズムを主張する基盤となっているのでしょう。驚いたのはほとんど信仰書ともいうべき詩編その他...

フロイト、マルクスに通じた思想家として名高い著者はこの本の中で「有神論者ではないが、小さいころから、モーセ5書を読んできた」という。自らを無神論者と呼ばず、非有神論者と呼ぶのは根源的ヒューマニズムを主張する基盤となっているのでしょう。驚いたのはほとんど信仰書ともいうべき詩編その他の箇所に対する造詣、読み込みの深さである。旧約聖書にとって「人間の自由」がテーマであったという主張は誠に説得力に富むものです。フロイト左派と称されながらも。自由、愛、正義などを説いたこの方の人間性の内幕を見たように思います。(「ヒューマニズムの再発見 神・人間・歴史」1968、「ユダヤ教の人間観」1980年と改題されたものの2010年再改題されたもの)

Posted byブクログ