道化の館(下) の商品レビュー

タナフレンチ【著】,安藤由紀子【訳】

2014/04/03

シリーズの1作目はまどろっこしい文章にイライラさせられたけれど、今回はところどころにひっかかりを感じるもののかなりスムーズに読むことができた。
１秒１秒を切り取ったような描写がすごい。繊細な小説だなと思います。

仮にも一生共に過ごしたいとまで思っていた仲間の名前をすんなり忘れてしまうとか、現実の前にあっさり消えてなくなった夢の生活。そんな夢うつつの為に死んじゃった人を思うと切ないというか悲しい気持ちになる。
なのでこれ、甘美な記憶として懐かしむ話ではないような。

作品の雰囲気はとても良いだけに、いまひとつ納得できない感じが残るところです。

2011/03/11

タナ・フレンチの「世界」がつくられていく見事さには裏切られないけど。
けど。
「その設定」（ネタばれにて秘密）は、ムリ！！！、でしょう。
「その設定」のムリさ加減を、いやいや最後の最後まで押し切りましたね（笑）
3作目を期待しないほどではないけれど、1作目にはとうてい及ばず。