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※このレビューにはネタバレを含みます
木原作品は読むとからだの中心が捻れるような疼痛に見舞われる。 どちらも愛されたいのに愛されなかった人。攻めは両親に、受けは双子という身の上から自己肯定感が低い。これで密かに恋する攻めがワンコなら健全なんだろうけど、そこは木原作品なので…暗い、暗すぎる…。 どちらも麻痺してるなぁとは思うけれど、二人静かに暮らしているようで、周りがどう思おうが幸せなんだよね…、?
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死んだ好きだった人の甥、直己を引き取り育てた篤。 自分を引き取ったくせに、自分自身には向き合ってくれないことがわかった直己は辛かったろうな。でも好きだから離れたくはなくて…悲しいな。木原先生のこういうキャラ好きだなあ。意地っ張りだけど好きだから苦しくてどうしようもないという…。 ...
死んだ好きだった人の甥、直己を引き取り育てた篤。 自分を引き取ったくせに、自分自身には向き合ってくれないことがわかった直己は辛かったろうな。でも好きだから離れたくはなくて…悲しいな。木原先生のこういうキャラ好きだなあ。意地っ張りだけど好きだから苦しくてどうしようもないという…。 顔を整形して伊沢にそっくりに変えてしまうというラストだけど、これも2人が伝え合ってこなかったからなんだよなあ。事故後も、すれ違いまくりの2人だったな… 書き下ろしもよかった。2人の関係、直己の執着も異常だけど、それは他の人にはどうでもいいことで、また2人にとっても、自分たちのことを誰がどう思おうが、どうでもいいことなんだ。
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木原さんの小説は本当萌えとは別次元なんだよな。共感出来る部分は殆ど無いんだけど、それでもその世界に引き込まれるのは、決して自分じゃ真似出来ない愚かな愛の形がそこにあるから。はたから見たらどうしてその相手を選ぶ?としか思えないのだけれど(立原は至極正しい)、社会性とか理性とか常識と...
木原さんの小説は本当萌えとは別次元なんだよな。共感出来る部分は殆ど無いんだけど、それでもその世界に引き込まれるのは、決して自分じゃ真似出来ない愚かな愛の形がそこにあるから。はたから見たらどうしてその相手を選ぶ?としか思えないのだけれど(立原は至極正しい)、社会性とか理性とか常識とか突破らった究極の愛、あの結末は度肝を抜いたけれども、恋愛とは本来不条理なものというのを代弁しているように思う。だから木原小説は止められない、たとえどんなに痛くて苦しくても。
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表紙の朴訥とした雰囲気に騙されてはいけないメリーバッドエンド。 心に余裕のないときにはおすすめできない。(心の余裕がないときに読んではいけないのは木原音瀬作品全般に言えることだが) 読んでいてすごく気持ちが悪いけれどそこがいい。
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木原さんの作品でメイン人物が早々にくっつくと、この先どんな悲惨な別れ方をするんだろう…と不安になる。今回も途中で鬱々としすぎて読んでてハラハラしました。 萌えるかと聞かれたら萌えないけど、BLどうこうより愛の形は見たような気がする。
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小説は「満ち足りてない」ところから始まるものだと思うが、木原作品には「満ち足りない状況」だけでなく「満ち足りてない人物」が加わり、過度な飢餓状態から始まる作品が多い気がする。故に、独特の満ち足りた状態でエンドマークが出る。それは概ね、最初の満ち足り無さからは前進して見えるハッピー...
小説は「満ち足りてない」ところから始まるものだと思うが、木原作品には「満ち足りない状況」だけでなく「満ち足りてない人物」が加わり、過度な飢餓状態から始まる作品が多い気がする。故に、独特の満ち足りた状態でエンドマークが出る。それは概ね、最初の満ち足り無さからは前進して見えるハッピーエンドと言うか。手放しで大円団にはならないが、描かれる人々に とっては間違いなくハッピーエンドである、と言う様な。もしくは、読み手はハッピーエンドと言う一つの終結と捉えるが、作中の人物たちにとっては少しだけ前に進んだ、くらいの、そう言う些細さ。 フィクションの醍醐味は底辺から頂点へ上り詰めた時かなりのカタルシスを得られる、と言うもんだと思うが木原作品のフィクションの世界の醍醐味は、劇的な状況を見た目にも楽しむのではなくて、あくまでも登場人物の内面の変化、それがその人間にとってそれこそ世界が変わって見えるような、そう言う内面世界から外側へほんのちょっと発露する、その些細さだと思う。 目が覚めた途端に世界の色が変わって見える、と言うような「娯楽」ではなくて、一人の人間が感じる幸福とか不幸とかを読み解く作業が出来る娯楽だと思う。 表面的には善意の行動に見えて、本人の本音の部分は私利私欲に固まっており、それが後ろめたさになりつつも開き直れるほど厚かましくない性質の人物描写が…凄いな、っていつも思う。いい意味で「曖昧さ」を文章にしてしまう作家さんだ。嫌な事を考えていたくないからアルコールに逃げる、と言う気持ちは分かるが、嫌な事を忘れさせてくる手段がアルコールしかなかった篤が…どこまでも孤独な人間なんだ…と、やっぱ木原さんは「怖いとこ」まで書く人だなぁ、と再確認。
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萌えなかったけど好き。 主人公に感情移入して泣いた。 兄弟姉妹にコンプレックスがあったり、自分をつまらない人間だと感じたことがある人にはかなり感情移入できる主人公だと思う。 ラストにはびっくりした。 メインキャラがどん底に落ちたり鬱展開があっても耐えられる人向き。
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成長し続ける人間、 ばかりではない。 そんなあとがきが響いた。 登場人物には 清々しさを求めるな、 と気づいた。
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もがいてもがいて(と言うか探りあい?)最終的に落ち着いたカップル。 愛情表現が二人とも下手が故に進展しない歯がゆさに、上手く進んできたと思ったら悲惨な事故を起こし、逆戻りどころかドン底へって言う木原さんのテンプレートがまたいいですね! 篤さんの努力が全く伝わらなくて、読んでるこ...
もがいてもがいて(と言うか探りあい?)最終的に落ち着いたカップル。 愛情表現が二人とも下手が故に進展しない歯がゆさに、上手く進んできたと思ったら悲惨な事故を起こし、逆戻りどころかドン底へって言う木原さんのテンプレートがまたいいですね! 篤さんの努力が全く伝わらなくて、読んでるこっちまで血の気が引いていきます。 最後の大学でのお話で、どんな形の愛情であろうとも仕事して生活維持している姿で終ると安心します。ほっ。
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歪んだ愛の物語。 あえて一言で表現してみましたが、一言でこの作品を語ることはできません。そう思うほどとても怖かったです。 旧版を持っているため買うかどうか迷いましたが、書き下ろしが収録されていると聞いて購入しました。細かい所に修正が入っていて、お陰で作品と作品を眺めて受け入れ...
歪んだ愛の物語。 あえて一言で表現してみましたが、一言でこの作品を語ることはできません。そう思うほどとても怖かったです。 旧版を持っているため買うかどうか迷いましたが、書き下ろしが収録されていると聞いて購入しました。細かい所に修正が入っていて、お陰で作品と作品を眺めて受け入れる読者との時間の差が薄れてきて、いつ読んだって違和感のない仕上がりになっています。 木原先生の作品の中でもダントツ登場人物全員が痛々しくて、とても辛い状況に置かれている作品ではないかと思います。何度読んでも辛い。ただただ辛いです。どうして好き同士なのにお互い傷つけ傷つかねばならないか、これって本当に愛なのか、二人の思いが結ばれたとしてもこの先ずっと無邪気に笑い合うことはもうできないのではないか、そんなことをずっと考えていました。それほど辛かったです、二人の愛が。そして人間の自己中心性、エゴイストというものはどれだけ恐ろしいものなのかを思い知りました。 読む側としてはとても切なくて辛かったですが、それは二人の歪んだ愛から生まれた幸せの形でしょう、きっと。 耽美小説を読みながらこれだけゾッとしたのは久々でした。いかにも木原先生らくて、とても素晴らしい作品です。
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