郊外の衰退と再生 の商品レビュー
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人口減少時代を前に今までの郊外化、都市化とは異なる現象が起きつつあるのだとし、再生や活性化のための議論の材料を提供する書である。一般的に「郊外」としてイメージしやすいニュータウンのような大規模開発ではなく、多様な開発形態をとる民間の戸建て分譲住宅地に絞りこみ、現状と再生策をまとめている点が新しい。主に前半の「衰退編」と後半の「再生編」に分かれる。衰退編では、住宅がほとんどあるいは全く建設されずに空き地や林地のまま放置された「放棄住宅地」、いつまでも空き地が多いままの「未成住宅地」、そして空き家について発生場所や管理状態を調査し、空き地・空き家の管理の必要性、休眠する土地を中心に林地にもどす思い切った方策の可能性を示す。一方再生編では、住宅地居住者の入れ替わりが行われる仕組みの調査から、新しい転入者が必ずしも若い世代ではないことに着目し、住み替えの住宅市場がより「地元化」「近接化」していく傾向を読み取っている。このことから今後親子近居の需要は増大していくのではないかと推測し、郊外の再生のための方法を考えるときに、郊外住宅地に新たに転入してくる世代が近隣からの転入者であることを認知することの重要性を強調する。
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