動かない、動かせない「もんじゅ」 の商品レビュー
あたりまえのことをわかりやすく論拠をはっきりさせながら書いてあります。 あたりまえのことなのに、、、なぜ進む、もんじゅくん。。。
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昨年10月に刊行されたブックレットです。ちょっと専門的な内容ですが、”日本の原子力政策の根幹をなしている”(4頁 はじめに)「高速増殖炉」が原発以上に危険であること、また高速増殖炉開発が行き詰まった結果「プルトニウムを一部燃料として使うプルマーサルという動きが始まっている」ことな...
昨年10月に刊行されたブックレットです。ちょっと専門的な内容ですが、”日本の原子力政策の根幹をなしている”(4頁 はじめに)「高速増殖炉」が原発以上に危険であること、また高速増殖炉開発が行き詰まった結果「プルトニウムを一部燃料として使うプルマーサルという動きが始まっている」ことなどを理解できます。 今回の福島第一原発の3号機は「プルトニュウムを用いたMOX燃料(再処理)を使ったプリサーマル」が行われているそうです。 books206
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今だから意味がわかる本しりーず。 燃料棒の話もメルトダウンの話も、1年前の私だったらここまで理解できなかったよ、今ならちゃんとイメージ沸くよ! 配管図の意味もわかるよ、いつも新聞やテレビで見てるののちょっと違う版だから! ……あんま嬉しくない……。 講演内容の文章化との...
今だから意味がわかる本しりーず。 燃料棒の話もメルトダウンの話も、1年前の私だったらここまで理解できなかったよ、今ならちゃんとイメージ沸くよ! 配管図の意味もわかるよ、いつも新聞やテレビで見てるののちょっと違う版だから! ……あんま嬉しくない……。 講演内容の文章化とのことで、内容がやや専門的な割には楽しく最後まで読むことができました。くっきりはっきりともんじゅ反対派の方の本なのですが、主張に毒が薄いので、変に攻撃的な気分にも、または攻撃されている気分にもならずに安心して読めます。 もんじゅを開発することが正しいことかどうかは脇に置いても、まだまだ技術が確立していないんだなぁという印象。 このペースでいくと、いつになったら確立するんだろう、というか、ここまで実用化が遠いものにも研究費って降りるのね。なんか将来性とか皮算用とか利権とか夢とかあるんだろーなぁ。研究もの全般にいえることだけど。
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アナウンサー泣かせの「こーしょくぞーそくろ・もんず」。 実は、3.11&原発事故の陰で、ひっそりと、しかしたいへんやばいことになっていて、既に自殺者まで出しながら、解決の目途がいっこうにつかない状況に陥っています。 著者の2009年~2010年初めにかけての2回の講演を文字化...
アナウンサー泣かせの「こーしょくぞーそくろ・もんず」。 実は、3.11&原発事故の陰で、ひっそりと、しかしたいへんやばいことになっていて、既に自殺者まで出しながら、解決の目途がいっこうにつかない状況に陥っています。 著者の2009年~2010年初めにかけての2回の講演を文字化した本書では、残念ながらこの、2010年8月末に起きた直近の事故には触れられていません(巻頭の「発刊にあたって」で少し言及あり)。 それが少々残念ですが、もんじゅの名を全国に知らしめた1995年12月の火災事故とその原因・背景、そして、住民訴訟を経て(高裁で原告勝訴するものの、最高裁で請求棄却)、大規模な改良工事を行ったにもかかわらず、数々のトラブル続きで、いっこうに再開にこぎつけない現状を、簡潔かつ、わかりやすく解説したブックレットです。 著者は、もと高速増殖炉の開発者でありながら、もんじゅ訴訟では住民側に立ち、専門家としての意見をのべ、現在も反対派の組織である「監視委員会」で活動する研究者。 現在話題の焦点である福島第一とはシステムが違いますが、管理不行き届きや、事故が起きた際の隠蔽体質など、当時から「原発村」は同様の問題をかかえていたこと。 また、たび重なる事故を引き起こしながら、その都度の反省が今日までほとんど生かされてこなかったことが読み取れます。 それから、これはずぶの素人の印象ですが(といっても、現場の管理・作業者もまた素人である点は考慮されてよいと思いますが)、もんじゅのシステムは、福島の1~6号機などと比較しても、あまりにも複雑です。 ひとくちに「検査」「点検」といっても、気が遠くなるほど煩雑で、これを原理を知らない素人にやらせたら、いい加減になるのも無理はない気がします。 だいたい、作業に来ている人、現場監督は、地元建設会社の人たちだそうですね。 普通の建物の点検なら、同じものがたくさんあれば、抽出検査でOKなわけです。だから、彼らがそういう感覚でやったとしても不思議ではありません。 「一か所でも悪かったら爆発する」 「ネジひとつつぶれてたら、被曝する」 「ちょっとでもヒビ入ってたら噴きだす」 そのあたりを、よほど徹底しないことには無理です。 また、ある程度教育できたところで、長い間同じことを続けていると、必ず慣れが出るものだし、そもそも現場の末端の人たちは、入れ替わりが激しい。作業者全員を常にハイレベルに保つのは、非常に難しいと思います。 人間は、必ずミスをするものです(機械でやったって、一定の確率でミスは出るのに)。 絶対にミスが出ないようにするには、ミスの出ないシステムを工夫しなくてはなりません。 著者もその点に少し触れていますが、どうもこの高速増殖炉のシステムは、「できるだけ誰でも間違いなく動かせるように」作られた仕組みには見えません。 ここで燃料として扱うプルトニウムは、ものすごく危ない(安全だというのは嘘ですよ)。だから絶対に(放射線その他が)漏れないように、漏れないように、と追求するあまり、賢い理系研究者が力いっぱい知恵を絞って、あれもこれもと安全対策が複雑化しすぎた。 ために、人手をつかった作業や点検を増やして、かえって人的ミスを誘ってしまっているように思われます。 こういう細かいことをやっている一方で、予備電源全滅とかの「大ポカ」もあるわけですよね…。 もちろん、人間がやってることですから、何をやるにもミスはつきものなのですが、もう少しなんとかならなかったのでしょうか。 小事故の都度、点検作業が振り出しにもどってしまい、ようやく安全確認が取れたと思ったら、燃料のプルトニウムが半減してた…。 もんじゅの現在の事故がクリアできたとして、政府は堂々巡りのような作業を、この先まだ続けるつもりなのでしょうか。 先進諸国は高速増殖炉から手を引いているというのに。 やっぱり、軍備の問題と関係があるのかなあ。
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