はるかな国の兄弟 の商品レビュー
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兄弟愛と冒険のお話。 ただ楽しい冒険というよりは、圧政や裏切り、別れなどが多く辛く切ない場面も多かった。 ラストは衝撃的。ハッピーエンドともとらえられるし、バッドエンドともとらえられる……。 本当にあの先に幸せな場所がちゃんと待っていたらいいなと願うばかり。
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今年読んだ本のなかで一番かも。すごくいい読書体験だった。ピッピとは違う、美しさとその影にある淋しさを感じる抒情的な話。弱虫な弟の心理をここまで文章にできるのがすごい。ところどころで、兄も本当はこわがりなんだと感じたし、強くいられたのは弟がいたからなんだと思った。訳者の文体もいい。
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勇敢なライオンの心を持つ兄弟の物語をしよう。 すべてにおいて優れた兄ヨナタンとそんな兄を慕う長くは生きられない弟カール。2人はこの世では亡くなりナンギヤラに来る。サクラ谷での生活は楽しいものだったが、やがて2人はサクラ谷と野バラ谷を苦しめるテンギルと戦うことになる。怪物カトラを倒した後に待っていたものは——。 つい引き込まれてしまう冒険譚。正しい行いをしようと強い意志を持った勇敢な兄ヨナタンと、兄を慕い時に知恵や勇気を発揮して立派に応える弟カール。裏切り者の存在や敵テンギルが操るカトラの恐ろしさなども魅力的。ラストは力尽きた兄と最後に示した弟の勇気が衝撃的。
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最初はお話を語る弟クッキーことカールの文体がしっくりこなくて、しかも救いのない展開に、そこまでの名作かしら?と思いましたが、読み進めるうちにお話にどんどん引き込まれていきました。 ドラゴンのような怪物による結末はあまり好きになれず、積極的に人に勧める気にはなりませんが。
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衝撃のラスト。分離できなかった二人の最後。2人は強い。心が折れない。しかし、その最後は、、、。無限後退の話しになり、物語るチカラが終止符を打つ。これはアンチ物語論では?象徴的に殺すことができない人間の末路を示しているのでは?死後の世界も現世と変わらないとは?
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もう絶句するしかない話。 全てにイケメンの兄ヨナタンと、それに憧れる弟クッキーの話。 しょっぱなからすごい。だって、これって、つまり、そういうこと!?ですよね!?はあああ? なのに、世界観は美しく、切なく、激しい。 後半も重要人物たちがいつのまにかアッサリバッサリ死んでい...
もう絶句するしかない話。 全てにイケメンの兄ヨナタンと、それに憧れる弟クッキーの話。 しょっぱなからすごい。だって、これって、つまり、そういうこと!?ですよね!?はあああ? なのに、世界観は美しく、切なく、激しい。 後半も重要人物たちがいつのまにかアッサリバッサリ死んでいる。 ラスト。またも読者の意識がふっとぶような展開。 凄まじいの一言。 読み返すことはたぶん難しい。
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リンドグレーンに育てられたわたしだけど、この本は邦訳が出たのがたぶん高校生ぐらいになってからということもあって、リアルタイムでは読んでいない。大人になってから、河合隼雄さんの紹介を読んで、一度手に取ったことはおぼえているけど、読了したかどうか記憶にない。 今、あらためて読んでみ...
リンドグレーンに育てられたわたしだけど、この本は邦訳が出たのがたぶん高校生ぐらいになってからということもあって、リアルタイムでは読んでいない。大人になってから、河合隼雄さんの紹介を読んで、一度手に取ったことはおぼえているけど、読了したかどうか記憶にない。 今、あらためて読んでみて、おお、なんともひとことでは言い表せない、複雑で、透明な悲しみに満ちた物語なんだと思った。そしてイロン・ヴィークランドの絵のなんと美しいこと。これ、ぜんぶカラーで見たいわと思ったけど、ペン画のものも色つきで立ち上がってくるほどイメージが豊か。文で「美しい」と描かれていて挿絵を見ても本当に美しいことってなかなかないんだけど、この本に関してはほんとうにそう。 戦わなければ自由をつかむことができないことを知っていて、その戦いの先頭に立ちながらも、自分はけっして敵を殺すことができないと知っているヨナタン。究極の非暴力なのだけれど、ではその先は……というわけで、途中からはページをめくるのがつらかった。 しかもこの子たち、一度死んでるんだよね(^_^;; なんで死んでからこんなたいへんな思いをしなくちゃならないのか。 そして、ラストのその先にあるのははたして真のやすらぎなのか、あるいはまた同じことのくりかえしなのか。日本人の宗教観だとぐるぐるまわるほうをイメージしてしまうけれども、そこらへんはうかがい知れないのだった。
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一見ただのわりと重度のブラコン兄弟の冒険ファンタジーなのでは??と思わせておいて、これ全部死後の世界を舞台にしてるんだな…、そいで兄弟が「死後の世界の死後の世界」を目指して終わる、という…すげえな…。
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例え、思うに任せない身の上であっても、決して精神の成長を諦めてはいけない、勇気や高潔さ、真心は、見えないところででも、培うことができるんだ、という気持ちになりました。 小さな一冊の本で、ヨナタンに導かれ、クッキーと一緒に思わぬ世界に行けました。
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美しく優しく勇敢な兄と、そんな兄を慕う身体と気の弱い弟が、はるか遠い国で人々を苦しめる悪の騎士を倒すために冒険するというファンタジー。 『長靴下のピッピ』の作者でそんなファンタジーということで、めっぽう明るいのを想像していましたが、入りといいラストといい、なかなかどうしてシリアス...
美しく優しく勇敢な兄と、そんな兄を慕う身体と気の弱い弟が、はるか遠い国で人々を苦しめる悪の騎士を倒すために冒険するというファンタジー。 『長靴下のピッピ』の作者でそんなファンタジーということで、めっぽう明るいのを想像していましたが、入りといいラストといい、なかなかどうしてシリアス。 はらはらする冒険の中でも輝く美しい風景の描写と、何より弟を思いやる兄と兄を慕い成長していく弟のつよい絆に、じっくり浸りながら読めました。 すてきな一冊です。
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