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「四書五経」の名言録 の商品レビュー

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守屋節が影を潜めた往年の本

守屋洋先生の本は殆ど読んだつもりだが、本書だけはいただけない思いがする。従来の守屋節が全く感じられないのだ。 本書は、一昔前の同名本の再刊(文庫として)になるが、当時存分に発揮されていたはずの守屋節が本書からはにおってこない。言い回しが違う気がする。まるで他人の本を読んでいるよ...

守屋洋先生の本は殆ど読んだつもりだが、本書だけはいただけない思いがする。従来の守屋節が全く感じられないのだ。 本書は、一昔前の同名本の再刊(文庫として)になるが、当時存分に発揮されていたはずの守屋節が本書からはにおってこない。言い回しが違う気がする。まるで他人の本を読んでいるような感懐しかない。とても守屋さんの本とは思えないところが悲しい。 表題通り「四書五経」から引用しているが、表題箇所以外の引用は従来に比べずっと控えめで、どちらかというと著者なりの経済論ばかり語られていて、古典に浸りたい向きには欲求不満しか残らないと思います。 肩書き通り中国文学者なら、ジャーナリスティックな文章はいただけないと思います。もっと古典に偏重すべき。

聖熟女☆ミ

2015/07/05

毎年元旦に10年後までに達成したい目標を立てているのですが、読書目標の一つに「古典を読む」という項目があります。 読書は好きなのですが、好きな分野に固まってしまう傾向があるので、なかなか読むことができません。そこで、今回取り上げたような、有名な古典の重要な部分だけを解説した本か...

毎年元旦に10年後までに達成したい目標を立てているのですが、読書目標の一つに「古典を読む」という項目があります。 読書は好きなのですが、好きな分野に固まってしまう傾向があるので、なかなか読むことができません。そこで、今回取り上げたような、有名な古典の重要な部分だけを解説した本から取り組んでみようと思い、この本を読むことにしました。最終目標としては、打ち込める本を今年中に見つけられれば良いと思います。 この本は有名な「四書五経」の中から、経営について、理念・指針・実践、信頼の条件、自分の器量の磨き方、人の接し方について、参考となるものを取り上げて解説してくれています。原文の中国語も載せてあり、中国語を勉強している今の私には嬉しいです。 以下は気になったポイントです。 ・修羅場を潜り抜けてきたベテランの経営者は、自分で意識するかは別として、「心の支え」となるものを持っている。(p19) ・私どもが儒教と読んでいるものは、ほとんどが朱子学(800年ほど前、南宋の時代に活躍した朱子が体系化)である(p24) ・体系化された朱子学の核心は、修身ー斉家ー治国ー平天下、である。まず身を修め、家を斉(ととの)える、これができて初めて天下国家を納める資格がある(p24) ・四書とは、大学・中庸・論語・孟子、五経とは、易経・書経・詩経・春秋・礼記(らいき)を指すが、朱子学が成立に至って、四書がより重要な原典とされた(p27) ・大学は、もともと五経の一つである「礼記」のなかの一つの篇だったのを、朱子が独立させて「四書」に昇格させた、それほどの重要な原典、「中庸」も同様に昇格させた(p28) ・五倫=5つの人たるの道とは、父子親あり、君臣義あり、夫婦別あり、長幼序あり、朋友信あり(p37) ・徳を具体的にいうと、地位や能力を鼻にかけている人を見下さない謙虚さ、大きく包み込んでいく寛容性、常に温かい配慮を忘れない思いやりの心、約束したことを必ず守る信義の厚さ、徳が欠けていると逆境に弱くなる(p43) ・仕事をしてそれなりの成果を期待するためには、志・勤勉、が必要、どちらが欠けてもだめ、志とは、1)目標を立てて、2)目標を実現しようとする強い意志、が合わさったもの(p46、47) ・勤勉とは、1)曲がったこと、後ろ指をささせることはしない、2)博打まがいのことはしない(p49) ・中庸で説いている「君子」とは、与えられた場で、与えられた職責を淡々と果たし、その評価は天命にゆだねる(p93) ・熟慮とは、情報を収集したうえで、分析してどの程度使えるかを検討すること(p100) ・組織活性化の方法として、1)社長自身が明るく振舞う、2)当面の目標を示す、3)勝ち癖をつける、4)部下を褒める(p112) ・何かを始めるときには、自分に今、調子の波がきているかを慎重に見極める必要がある(p115) ・外の患いだけで滅びた例は無い、必ず「内の憂い」が先行していて、これが主な原因である(p120) ・細かすぎると陰口をたたかれないために、1)些細なことは気にしない、しかし一見些細でも放っておくと将来の大事を引き起こすものは注意を促す、2)知っていても知らないふりをする(p131) ・生涯の信条とすべき言葉は「恕(じょ)」である、自分が人からしてほしくないと思っていることは、自分のほうからも人に対してしひとないこと(p141) ・礼記にある礼儀とは、1)容体を正す、つまり、姿勢・態度・歩き方を良くする、2)顔色(顔つき、表情)を斉える、3)辞令(言葉遣い)を順にする(p148) ・信頼される人間像とは、1)指導的立場についたら寛容であれ、2)手柄を立てた部下には成功報酬をはずむ、3)形式を整えるよりも心が大事(p157) ・二冊のお薦めの古典は、菜根譚(さいこんたん)、呻吟語(しんぎんご)(p200) ・愚かな人は、同じ過ちを二度と繰り返さないように厳しく自分を戒める、愚かな人は繰り返す、これが違い(p202) ・人を観察するポイントは、顔つき(若い人にはあてはまらないが)、発言(話し方も含めて)、行動(動機や目的を含めて)(p247) ・歳を取ると、お返しをする側に回る。常識的に言って、50歳くらいが境目。(p251) 2015年5月28日作成

Posted byブクログ