いろは丸事件と竜馬 の商品レビュー
海難事故調査、海難審判の補佐人を業としている著者が、いろは丸、ワイル・ウエフ号両船の事故を見直してみようと試みたのが本。両船の海難に関する限り、竜馬を称える話が実に他愛のないものであり、いわゆる伝説の域を出ない講談話が多い。 第1章 序 第2章 ワイル・ウエフ号の遭難 ...
海難事故調査、海難審判の補佐人を業としている著者が、いろは丸、ワイル・ウエフ号両船の事故を見直してみようと試みたのが本。両船の海難に関する限り、竜馬を称える話が実に他愛のないものであり、いわゆる伝説の域を出ない講談話が多い。 第1章 序 第2章 ワイル・ウエフ号の遭難 第3章 海援隊 第4章 伊呂波丸事件と文献の評価 第5章 伊呂波丸事件における主要事実の認定 第6章 事実の経過 第7章 争点の指摘 第8章 史実と『竜馬がゆく』の矛盾 第9章 事実認定の試み、両船の運動からみた衝突状況 第10章 過失の軽重 伊呂波丸事件についての結論 海難事故調査の専門家が「いろは丸事件と竜馬」の史実と伝説のはざまを調べた本である。 幕末の志士である坂本龍馬は人気がある。そんな人気者に対し、航海術は未熟だったとか、経営能力が無かったとか異論を挟むことはものすごく勇気のいることである。本書の内容も龍馬ファンが受けいることはあるまい。(ネットでみると本書の事を強烈に批判している記事もある) タイトルに竜馬とあるように、司馬遼太郎の小説「竜馬がゆく」が俎上にあげられており小説と史実の対比が面白い。 著者は、歴史学の専門家ではないゆえに、詰めの甘い部分や粗も目立つが、商船高校を卒業し航海士、船長も勤めた海難事故調査の専門家の意見は傾聴に値する。
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広島県福山市鞆町と坂本竜馬をつなぐ「いろは丸事件」。広島の地に学んだ一人として、この事件を知って損はない!もうひとつ新しい竜馬像がイメージできるかも。
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