乙女心ねらい撃ち！胸キュン★方言男子コレクション の商品レビュー

レッカ社【編著】

2022/05/15

ネタ本としては面白いが、方言が古かったり間違いが多かったりする。（当たり前だが方言資料としてはダメダメ）　昔は方言札などで差別されていた方言が、萌え化するほど評価が上がったことを証明する資料としては使えるかも？

特に「沖縄弁は言語か方言か」がひどすぎる。言語、方言が何かすらわかっておらず、素人が「沖縄弁は日本語とは別の言語である」という命題を読んで妄想を垂れ流したに過ぎない。著者の主張とそれに対する反論は以下の通り。

①沖縄弁を日本語の方言とみなすと、共通語も沖縄方言と同格の方言となってしまい、日本には統一言語がなく、「大阪語」や「東京語」が存在するだけになってしまう。
→社会言語学では共通語／標準語も方言同様に変種の1つである。この著者は共通語を方言の上に置きたいようだが、共通語から方言が枝分かれしているのではなく、日本語から共通語含む各種変種／方言に枝分かれしていると考えるのが正しい。この系統樹モデルでは、変種の枝葉の1つ（琉球方言）が無くなっても「日本語」やほかの枝葉である「標準語」はなくならない。後半の「日本には統一言語がなく」のくだりは意味不明だが、おそらく「琉球方言を琉球語とみなすと」の場合を指している（つまり②と同じ）。

②沖縄弁を独立した言語とみなすと、ほかの方言も同列に扱って「東京語」「大阪語」という言語になってしまう。
→1つの方言が言語になったからといって、ほかの方言も同列に扱う必要はない。沖縄弁を「言語」として扱うのは、日本語の方言とみなすには音韻、歴史などが大きく違うからである。同様に、「大阪弁」「京都弁」などを日本語の方言だと区分する理由が存在する。それらの事実を無視して、1つの方言を言語とみなしたらほかの方言も言語になってしまうので反対、と主張するのは荒唐無稽。

2012/09/29

オールカラーで絵柄も好みでした。

ただの萌え系かと思ったら、きっちりと会話例や解説まで書いてあって読み応えありました。

2011/04/25

斬新な方言本！！県別に男子が方言を解説してくれます。
内容的には、（出身県でも、自分の知らない言葉があったりするので）いまひとつですが、この本のねらいは方言の研究ではないことはタイトルからみての通り。抱腹絶倒。
小学校の図書館にはいりません。