これが中学受験ザマス! の商品レビュー
悲喜こもごもの中学受験。狂乱の母と感動のエピソード。傍から見ればおかしいが、母親本人は必死という体験談がてんこ盛りで、面白おかしく書かれているが、本書を読むと、「お金もかかり、精神もずたずたになるが、合否に関わらず、やった意味が必ずある。第一志望でなくとも、合格・進学した学校とは...
悲喜こもごもの中学受験。狂乱の母と感動のエピソード。傍から見ればおかしいが、母親本人は必死という体験談がてんこ盛りで、面白おかしく書かれているが、本書を読むと、「お金もかかり、精神もずたずたになるが、合否に関わらず、やった意味が必ずある。第一志望でなくとも、合格・進学した学校とは縁があり、行ってよかったと後から思える。」という中学受験への応援歌に洗脳されそうになる。 これはこれで、一つの結論なのだろうが、例えば、瀬川松子の「亡国の中学受験」などを読んでしまった私には、100%は共感できなかった。「私立はファンクラブの集まり」という著者の考えは首肯できる。校風や教育方針を含め、独自の教育を行うのが私学だろう。しかし、そうやってファンになって入学しても、いじめや退学という現実があり、それは公立校のようには表に出てこないという。本書は中学受験・入学までの本だから、そういう事実を書く必要がなかったのかもしれないが、単なる受験礼賛本は、もはや私は支持しない。 それと、本書は母と子の話であって、父はじゃま者としてしか出てこないので、その点でも母の読み物である点に留意が必要。
Posted by
- 1