先物市場から未来を読む の商品レビュー

レオメラメド【著】,可児滋【訳】

2018/11/15

ＣＭＥの会長を永年勤めてきた先物市場の専門家による、ＣＭＥの歴史を述べた書。著者の伝記とも言える。著者は、米国の成功者であるが、ユダヤ人として杉原千畝に助けられた経験をもつ。リーダーシップを学ぶ上で参考になった。後半は、講話や掲載された論文、エッセイ集となっているが、重複した内容があり、無駄である。印象的な記述を記す。
「人類の歴史を振り返ってみると、新しい考え方や公理、発明があまりにも革新的なため、既存勢力から強力な反発にあって拒否されたという事例には事欠かない」
「提案する者は、考え得る欠点をすべて修正した形で完璧に用意し、どんな疑問にも備えてきちんと対応できるようにした上で、十分に調整された条件下で発表しなければならない。計画がほんの少し漏れるだけでゴシップや曲解が渦巻き、計画が公表される頃には、恐怖や言いがかり、思い違いが制御不能なレベルに達してしまう。したがって私は、戦略企画委員会で議論されたことは、たとえほんの一部でも口外したら「極刑」に処する、と言明した」
「アリストテレスは、「国家の命運は、若者の教育にかかっている」と述べている」
「ネルソン・マンデラは、「教育こそ世界を変える最強の武器である」と唱えている」
「変革の大波が世界中を洗おうとしているときに、権力構造はいつもその事実を受け入れるのを拒否して旧態依然の概念にしがみつこうとする」