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天皇はなぜ万世一系なのか の商品レビュー

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7件のお客様レビュー

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2020/09/30

6章立てだが、前書きに曰く「買ってみたけれど、どうも中身が面倒くさそうだ。そうお感じになった方は、六章からお読みいただくのをお奨めします。なに、一~五章は、私の歴史研究者としての存在証明のようなものですから、読んで損することはないとおもいますけど、読まなきゃダメ、というシロモノで...

6章立てだが、前書きに曰く「買ってみたけれど、どうも中身が面倒くさそうだ。そうお感じになった方は、六章からお読みいただくのをお奨めします。なに、一~五章は、私の歴史研究者としての存在証明のようなものですから、読んで損することはないとおもいますけど、読まなきゃダメ、というシロモノではありません。」 5章までは日本における世襲制度について書かれていてタイトルである天皇がなぜ万世一系なのかとはほとんど関係がない。第6章冒頭に1~5章の要約が書かれる。曰く「日本の支配者層、貴族や武士についてみるならば、世襲は圧倒的に強力な理念であった、結局はそれに尽きる。」 室町までに朝廷は弱体化しており、幕府の援助なしには延命できぬほど実権力が衰えている。しかし、天皇の否定は、世襲を否定することとなり幕府を支えている原理・原則を、将軍自らが突き崩すことになる。 下剋上の時代になっても戦国大名もその重臣たちも、伝統的な勢力から生まれ、世襲の力はまだまだ強力で、伝統・世襲を基礎として、そのうえで能力の有無が問われたのが戦国時代である。 世襲が権力の源泉であるため、武士の世の中でも天皇家は存在できたのである。 終章 明治維新で世襲は否定され、才能の重視が実現する。しかし、日本社会は長い間世襲で動いており、官僚組織は才能を拠り所とするが、そのありようはすぐには民衆の理解は得られない。そこで明治政府は天皇を前面に押し立てた。しかし、君主とそれを支える官僚組織という構図は世界の至る所にある。そこで、国学の主張を取り入れ、天照大神から連綿とつながる比類のない天皇家。その「万世一系」の天皇家を戴く、他国に例のない日本が強調されることになった。 本の内容はなかなか傾聴するところがあるが、この結論は今ひとつ当たり前すぎて面白くない。その後の記述は著者の意見にしか過ぎない。 他の方も書いており、恐らく著者もそう思っているだろうが、本のタイトルと内容には大きな乖離がありそうである。

Posted byブクログ

2020/02/16

内容はともかく、本の内容とタイトルが合っていないような。『天皇家の能力』とか『天皇家はなぜ世襲されるのか』といったタイトルのほうが適切な気がする。まあ、そういった内容。1~5章は、歴史に興味があって普段から日本史に接しているとかいうことがないと、退屈かもしれん。

Posted byブクログ

2013/10/12

面白かったです。世襲と才能の対比、血か家かという選択、そして科挙を導入できなかった日本社会の悲劇?。中世史、古代史ものを理解するにはかなり広範な知識を必要とするのですが、この程度の新書のページでまとめてくれるのはありがたく、記述もかなり分かりやすいと思います。それに、何よりも著者...

面白かったです。世襲と才能の対比、血か家かという選択、そして科挙を導入できなかった日本社会の悲劇?。中世史、古代史ものを理解するにはかなり広範な知識を必要とするのですが、この程度の新書のページでまとめてくれるのはありがたく、記述もかなり分かりやすいと思います。それに、何よりも著者のくだけた表現も親しめます。

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2013/08/29

タイトルと書かれている内容に差がありすぎて・・・ 貴族、武士の話が延々と続くので、いつになったら本題の天皇家の話が出てくるのかと(多少イライラしながら)読み進めていくと、最後に少しだけ書かれている。まぁ「はじめに」で読み飛ばして良いとは書いてあったのだが・・・ 「血は水より濃い」...

タイトルと書かれている内容に差がありすぎて・・・ 貴族、武士の話が延々と続くので、いつになったら本題の天皇家の話が出てくるのかと(多少イライラしながら)読み進めていくと、最後に少しだけ書かれている。まぁ「はじめに」で読み飛ばして良いとは書いてあったのだが・・・ 「血は水より濃い」とはよく言われていることだが、昔は血より家の方が大事だった・・・っていうのは日本史が好きな人にとっては常識的な範囲であり、真新しい話ではない。しかしながら、学校で習うような日本史とは違う側面から説明されている上、分かりやすいので、副読本には良いかも。

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2011/11/13

日本の権力構造における、世襲と実力主義について論じている。とりあえず、著者が前書きで述べてるとおり六章だけを先に読んでみた。この章では、律令受容時代から江戸時代までの権力構造において、両者の理念のどちらが支配的であったのか、時代別にざっくりまとめてある。これを読むと、本来実力主義...

日本の権力構造における、世襲と実力主義について論じている。とりあえず、著者が前書きで述べてるとおり六章だけを先に読んでみた。この章では、律令受容時代から江戸時代までの権力構造において、両者の理念のどちらが支配的であったのか、時代別にざっくりまとめてある。これを読むと、本来実力主義の理念に支えられた律令制の受容でさえ科挙だけ取り入れないという、世襲主義に配慮したものだったことが分かった。面白かったので、他の章も読もうと思う。

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2011/10/28

「万世一系」は明治になって強調されたが一般的には貴族も武家も「血より家」だった。江戸期に朱子学の影響で大奥ができて「血も家も」になるというが,天皇家がなぜ昔から「血も家も」だったのかはよくわからなかった。

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2011/05/31

日本人の世襲の価値観が結果として皇室の万世一系に繋がったという説。なんとなく、ってのが日本人らしい。1

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