クレイジードリームジャンキー 100%の彷徨い の商品レビュー
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□内容 大学を中退した自称ヒモのハル。そんなハルを恋人の神菜だけは優しく見つめる。そんな日常をおくっていたある日、バンド仲間の須永から、末端価格一千万円の覚せい剤を偶然、渡される。友人のロシア人に相談し、うまく裁いて、さえない日常の脱却をはかろうとするハルだが…。裏切り、監禁、拉致、脱出劇…抑えきれずに疾走する物語がここにある! (amazonより抜粋) □感想 知人の著書です。知人とはいっても数回酒の席にご一緒した程度ですが…。著者曰く、「書店で見かけたら万引きしてでも読め」だそうです。万引きはいけませんが是非ご一読下さい。 物語そのものは極めてトラディショナルなもので、先が見えてしまうことも事実です。しかしながら、主人公の怠惰な生活や心情吐露に、妙な生々しさを感じます。まるで著者の実体験であるかのようなリアリティ溢れる文体がこの作品の魅力であるように思えます(実際のところご自身の体験も含まれているようです。どの部分かは読者の想像に任せるということです)。 中島らも、町田康、大槻ケンヂの影響を公言して憚らない著者。その手合いが好きな方には特にお薦めできる一冊です。 (たけい)
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