格闘する思想 の商品レビュー
現代世界における論点(ジェンダー、イスラーム、国家と資本、パレスチナetc.)を、各分野をリードするアカデミックとの対談を通してわかりやすく綴った一冊。少し左翼的な論調も所々にみえるが、どれも我々が抱える諸問題を理解する上でとても示唆的。
Posted by
『週刊金曜日』に連載中の同時代の現実と切り結ぶ思想を展開する論客たちと本橋哲也の対談を収録したもの。こうした対談書の面白さとして、活字となる思想の舞台裏を垣間見ることができるということがあるが、その点でも本書のインタヴューは成功していると言える。その一方で、インタヴュアーの本橋...
『週刊金曜日』に連載中の同時代の現実と切り結ぶ思想を展開する論客たちと本橋哲也の対談を収録したもの。こうした対談書の面白さとして、活字となる思想の舞台裏を垣間見ることができるということがあるが、その点でも本書のインタヴューは成功していると言える。その一方で、インタヴュアーの本橋が、不必要にバランスを取ろうとしているのが、羽ばたこうとする思考の足を引っ張っているように思えるのは惜しまれる。それが叱り飛ばされる、岡真理との対談の結末は痛快ですらある。全体的にドゥルーズ的発想の力強さが強調される結果となっているが、西山雄二がデリダの抵抗を想起させているのは心強い。
Posted by
知り合いのOBさんに紹介されて読んだ本。ここで紹介された人々の研究分野に対するパトスには非常に勇気づけられる。人文科学の没落をただ慨嘆するのではなく、それの可能性を探求していくという熱い姿勢。これこそ今の大学人、あるいは大学に残ろうという人々に必要なものだろう。
Posted by
- 1