侏儒の言葉 の商品レビュー

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5件のお客様レビュー

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2014/10/27

まさに箴言、アフォリズムにふさわしい。が、畢竟それだけだ。 いや、ちょっと真似したかっただけで、決して芥川を貶したのではありません。 芥川がスッと入ってこない自分をあざけったものであります。 読むタイミングが悪かったのか何なのか、どうにも頭にすんなりと入ってこないものが多くて、...

まさに箴言、アフォリズムにふさわしい。が、畢竟それだけだ。 いや、ちょっと真似したかっただけで、決して芥川を貶したのではありません。 芥川がスッと入ってこない自分をあざけったものであります。 読むタイミングが悪かったのか何なのか、どうにも頭にすんなりと入ってこないものが多くて、思いの外読むのに時間がかかった。 一つ一つが短いからサラッと読み流せるものと侮ったのが悪かったのか… それぞれを吟味する時間のある時に読むことをおすすめします。

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2012/10/30

箴言(しんげん)。アフォリズム。人間や社会の機微などを簡潔に上手く表した言葉、短い文章。 芥川の思考の一部を簡潔に窺うことができる。ただし、序文にもあるように、思想そのものではなく、あくまで思想の移り変わりを垣間見ているのだろう。ちょっと皮肉で軽妙洒脱な文章。ふと、めくりたい。 ...

箴言(しんげん)。アフォリズム。人間や社会の機微などを簡潔に上手く表した言葉、短い文章。 芥川の思考の一部を簡潔に窺うことができる。ただし、序文にもあるように、思想そのものではなく、あくまで思想の移り変わりを垣間見ているのだろう。ちょっと皮肉で軽妙洒脱な文章。ふと、めくりたい。 「作家所生の言葉」では夏目先生、友人の久米正雄、中野浩二らが生み出した言葉が紹介されていて、「振るっている」「月並み」「微苦笑」など、現在も普通に使われている言葉たちが作家たちにより作られた言葉だというのに驚いた。

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2018/03/10

芥川龍之介は言う 『人生の悲劇の第一幕は親子となったことにはじまっている。』 ふむ。 喜劇ではないんですね。 龍之介さん では 第2幕は 恋をして結婚したことでせうか? 芥川龍之介は言う 『我々はしたいことの出来るものではない。 只出来ることをするものである。 これは我我個人...

芥川龍之介は言う 『人生の悲劇の第一幕は親子となったことにはじまっている。』 ふむ。 喜劇ではないんですね。 龍之介さん では 第2幕は 恋をして結婚したことでせうか? 芥川龍之介は言う 『我々はしたいことの出来るものではない。 只出来ることをするものである。 これは我我個人ばかりではない。 我我の社会も同じことである。 恐らくは神も希望通りにこの世界を造ることは出来なかったであろう。』 龍之介さん 神は できそこないの世界を つくったのでせうか? 神の 希望通りの世界には 希望があったのでせうか? 芥川龍之介は言う 『女は常に好人物を夫に持ちたがるものではない。 しかし男は好人物を常に友だちに持ちたがるものである。 好人物は何よりも先に天上の神に似たものである。 第一に歓喜を語るのに好い。 第二に不平を訴えるのに好い。 第三に――いてもいないでも好い。』 龍之介さん オトコは いてもいなくてもよい人物を 友達にたいして 歓喜や不平を いいたいんですね。 気がつきませんでした。 芥川龍之介は言う 『「その罪を憎んでその人を憎まず」 とは必しも行うに難いことではない。 大抵の子は大抵の親にちゃんとこの格言を実行している。』 龍之介さん コドモは 親から最初に学ぶのですが 親になってしまうと なぜ忘れてしまうのでせうか? 芥川龍之介は言う 『我我を恋愛から救うものは理性よりもむしろ多忙である。 恋愛も亦完全に行われる為には何よりも時間を持たなければならぬ。 ウエルテル、ロミオ、トリスタン―― 古来の恋人を考えて見ても、 彼等は皆 閑人《ひまじん》ばかりである。』 龍之介さん なるほど。なるほど。 古来の恋は 時間があったからよかったんですね。 現代の恋は なぜ忙しすぎるのでせうか?

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2011/08/31

神保町の古本屋で購入、再読。芥川の箴言集。 現在出回ってる版だと他作品も一緒に収録されているのが少し不満だったのだが、こちらは「侏儒の言葉」のみで一冊をなしている。店先で見つけ嬉しくて衝動買いした。 警句の類は、シニカルな視点が好きな私にはしっくりくる。 まあ、読んでいるうちに...

神保町の古本屋で購入、再読。芥川の箴言集。 現在出回ってる版だと他作品も一緒に収録されているのが少し不満だったのだが、こちらは「侏儒の言葉」のみで一冊をなしている。店先で見つけ嬉しくて衝動買いした。 警句の類は、シニカルな視点が好きな私にはしっくりくる。 まあ、読んでいるうちに、 「そうそう、私もそう思ってたよ・・・あれ?もしかしてこの本私でも書けるんじゃ?」 などと思わないでもないけれど。 しかしむしろそこがいいところでもあるのでは。読者の頭の中にも埋もれている(皮肉な)ものの見方を、著者が明確に言葉にしてくれるわけだから。そこに痛快さを感じるんだと思う。 たまに開いてみたくなる本。

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2009/10/04

「もし游泳を学ばないものに泳げと命ずるものがあれば、何人も無理だと思うであろう。もし又ランニングを学ばないものに駈けろと命ずるものがあれば、やはり理不尽だと思わざるを得まい。しかし我我は生まれた時から、こう云う莫迦げた命令を負わされているのも同じことである。(中略)人生は狂人の主...

「もし游泳を学ばないものに泳げと命ずるものがあれば、何人も無理だと思うであろう。もし又ランニングを学ばないものに駈けろと命ずるものがあれば、やはり理不尽だと思わざるを得まい。しかし我我は生まれた時から、こう云う莫迦げた命令を負わされているのも同じことである。(中略)人生は狂人の主催に成ったオリムピック大会に似たものである。我我は人生と闘いながら、人生と闘うことを学ばねばならぬ。こう云うゲエムの莫迦莫迦しさに憤慨を禁じ得ないものはさっさと埒外に歩み去るが好い。自殺も亦確かに一便法である。しかし人生の競技場に踏み止まりたいと思うものは創痍を恐れずに闘わなければならぬ。」 こう書いた当の本人が「一便法」をとったのは皮肉の限りだけども。

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