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マンガはなぜ規制されるのか の商品レビュー

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16件のお客様レビュー

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2012/11/13

(推薦者コメント) 『ドラえもん』には静香の入浴をのび太が覗くシーンが多々登場する。それはある視点から見れば子供にとって“有害”と見做されてしまう。それでは、『ドラえもん』は“有害図書”なのだろうか。これだけ多くの人に支持されているにもかかわらず――。本書は、そのようにして数々行...

(推薦者コメント) 『ドラえもん』には静香の入浴をのび太が覗くシーンが多々登場する。それはある視点から見れば子供にとって“有害”と見做されてしまう。それでは、『ドラえもん』は“有害図書”なのだろうか。これだけ多くの人に支持されているにもかかわらず――。本書は、そのようにして数々行われてきた「漫画への規制」の歴史と、今後起こりうる規制の問題点、表現の自由を巡る問題を克明に描いた労作である。

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2011/06/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

 日本における漫画などの表現規制の歴史(1950年代~現在)について述べた本。こういう本が出たのも「非実在青少年」という文言で名を挙げた東京都の青少年健全育成条例の影響だろう。  畢竟、どの時代にも共通して言えるのは、規制は風紀や道徳の遵守云々よりも、行う側の理屈で一方的に行われること。  この本の記す時代は1950年代の『太陽の季節』と「太陽族」の流行、悪書追放運動や文部省の「図書選定制度」、60年代の東京都青少年条例制定後の「サンデー」、「マガジン」などの少年漫画誌ブーム、80年代後半の宮崎勤事件と様々だが、その裏に規制する行政(東京都など)や規制を求めるPTAなどの思惑があり、注視する必要があることを確認した。  ただ、東京都の条例に影響を受けたと思われる割には、今現在の問題と直接関わる記述は少なく、機を逸している感じがした。

Posted byブクログ

2011/03/01

例の東京都青少年健全育成うんたらかんたら条例を念頭に置いた本。 戦後から現代までの、マンガ規制を時系列や、それに関係した人発言や引用を挟みながら追っていく。 都条例が議論されるように至った経緯を知るには便利。 その時々の、出版社の考え、警察や行政の考え、親やいわゆるPTAの考え...

例の東京都青少年健全育成うんたらかんたら条例を念頭に置いた本。 戦後から現代までの、マンガ規制を時系列や、それに関係した人発言や引用を挟みながら追っていく。 都条例が議論されるように至った経緯を知るには便利。 その時々の、出版社の考え、警察や行政の考え、親やいわゆるPTAの考えが手に取るように分かる。 できれば、著者の考えや、現状を打開するような案も聞いてみたかった。 結局、表現の自由、性の描き方、それが差別になるかどうか、どこまでがエロいものなのかっていう判定基準は人それぞれ。 ましてや、その情報が元で青少年の育成が阻害されるのかどうかなんて、主観と時代環境が影響して、客観的な基準なんて生まれるわけがない。 後ろ向きな規制で動くより、多様な文化に触れさせる的な、能動的な働きかけをしてくほうがいいんじゃなかろうか。

Posted byブクログ

2011/02/11

過去の経緯や発言を追っているのは記録としてすごい。変化などがよくわかる。が「なぜ」の部分に迫れていないのが惜しい。

Posted byブクログ

2010/12/18

概ね1950年代の悪書追放運動〜2010の太陽族条例(Q3まで)の動きがざっとまとまっている。特に悪書追放で親団体として活躍した「子どもを守る会」が、都青少年条例の制定に反対した事、美濃部・鈴木知事時代には抑制的に運用されていた条例が、石原都政下では懲罰的・示威的な運用に変わっっ...

概ね1950年代の悪書追放運動〜2010の太陽族条例(Q3まで)の動きがざっとまとまっている。特に悪書追放で親団体として活躍した「子どもを守る会」が、都青少年条例の制定に反対した事、美濃部・鈴木知事時代には抑制的に運用されていた条例が、石原都政下では懲罰的・示威的な運用に変わっっていった経過が面白い。

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2019/01/16

マンガが社会にどう受け入れられて、どう受け入れられなかったのかをたどったものかと思ったら、条例がどのように成立、強化されていったか経過をたどったものだった。「なぜ規制されるのか」というより「どのように規制されたのか」という内容で、期待していたものと違った。 一貫して規制は強化され...

マンガが社会にどう受け入れられて、どう受け入れられなかったのかをたどったものかと思ったら、条例がどのように成立、強化されていったか経過をたどったものだった。「なぜ規制されるのか」というより「どのように規制されたのか」という内容で、期待していたものと違った。 一貫して規制は強化されていて、思っていたよりもすでに規制が進んでいることに驚いた。 よくいえば客観的に書かれた事柄が、固有名詞が多かったこともあって、煩雑で、事柄のつながりや流れが追いづらかった。

Posted byブクログ