神田川デイズ の商品レビュー
東京に出るだけで何かが変わると思い込み、その勘違いに気付いても自ら何かを始めるには臆病で、さらに鬱屈して行く若者。そうした青春の挫折をテーマにした短編集です。 まあ、豊島さんらしいテーマというか、こういう所は豊島さんの真骨頂なんでしょうね。 ごく普通の若者が感じる鬱屈や焦燥が見事...
東京に出るだけで何かが変わると思い込み、その勘違いに気付いても自ら何かを始めるには臆病で、さらに鬱屈して行く若者。そうした青春の挫折をテーマにした短編集です。 まあ、豊島さんらしいテーマというか、こういう所は豊島さんの真骨頂なんでしょうね。 ごく普通の若者が感じる鬱屈や焦燥が見事に描かれます。年を経て読む身としては、そこに何とも言えない懐かしさ、甘酸っぱさのようなものを感じる物語です。 等身大の鬱屈や焦燥の物語ですが、将来に向けての(本当に小さな)一歩のようなものがあって、それがどちらかと言えば明るさを感じさせる物語にしています。
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1話目読んだ時、「暗っ」って思った。大学生ってこんなだったかって。でも次々と読み進める内に(ちょっとオムニバス的に主人公が変わりながらも脇役で前の話の人が登場したりする)「そうだよな、現実ってこんなだよな」って思った。私は体育会系の部活やってたし彼氏も居たから試合に勝つこととか恋...
1話目読んだ時、「暗っ」って思った。大学生ってこんなだったかって。でも次々と読み進める内に(ちょっとオムニバス的に主人公が変わりながらも脇役で前の話の人が登場したりする)「そうだよな、現実ってこんなだよな」って思った。私は体育会系の部活やってたし彼氏も居たから試合に勝つこととか恋愛のこととか(当時にすれば最大の悩みごとだったけど)毎日どうでもいいことで悩んだり笑ったりして過ごしてきたけど、実際大学生活が華々しいかと言えばそんなことは全くなく、本当は地味で鬱屈したものなのである。そういうのって周りにはわからないものだろうけど。 この話に出てくる1人1人がどこにでも居てそうで同じようでありながらそれぞれなりにいろいろ考えている。みんな愛しい分身のようだ。
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豊島ミホにしては、サクサク進まなかったなぁ~ どうしてでしょう。 冴えない、「選ばれなかった人たち」 が主人公で連作短編? みたいになってるお話でした。 いつもの豊島節というか、 青春の勢いがなくって物足りなかった。 でも豊島さんはこういうお話を書きたかったんだろうなー って...
豊島ミホにしては、サクサク進まなかったなぁ~ どうしてでしょう。 冴えない、「選ばれなかった人たち」 が主人公で連作短編? みたいになってるお話でした。 いつもの豊島節というか、 青春の勢いがなくって物足りなかった。 でも豊島さんはこういうお話を書きたかったんだろうなー って読んでてすごく感じた。登場人物への愛、みたいな。 活動休止かぁ。淋しいなぁ。
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