中学生までに読んでおきたい日本文学(2) の商品レビュー
石垣りん の表札が印象深い。 月曜日に関係者が亡くなった。 遠方から来る人、というより平日は休めない人たちの為に関係者は、お通夜の日まで式場の霊安室でその日を待った。 数日霊安室に表札が掛かった。 お通夜の日には葬儀場に関係者の名前が 〇〇〇〇儀として掲げられた。 家族葬と...
石垣りん の表札が印象深い。 月曜日に関係者が亡くなった。 遠方から来る人、というより平日は休めない人たちの為に関係者は、お通夜の日まで式場の霊安室でその日を待った。 数日霊安室に表札が掛かった。 お通夜の日には葬儀場に関係者の名前が 〇〇〇〇儀として掲げられた。 家族葬としてお通夜、葬儀が実施され、火葬場に場所を移し骨拾い、初七日法要が実施された。 第二子の長女が葬儀を取り仕切り、その夫もサポートしていた。 そんなことを思い出した。 石垣りんの表札だけでも読む価値がある。 文字通り 凛 とした気持ちになる。 チョウチンアンコウ も興味深い。 一般に知られているチョウチンアンコウはメスなんだ。 提灯を持っているのはメスだけ。 オスはその10分の1の大きさだという。 オスはひたすらに命を繋ぐために機能する。 これを書いている今は、連日熱中症警戒アラートが出ている夏だ。 精一杯鳴き切ったセミの成虫が、至る所で道に転がっている。 君たちは無事命を繋げたのか 問いかける。
Posted by
表札 石垣りん 最期の表札は自分では掛けられない。 兄の骨を焼いた時、名前は掛けられていたっけ? 碁石を呑だ八っちゃん 有島武郎 日常の中にも、命が脅かされるきっかけはそこら中に転がってる。 梨花 吉野せい 子どもが死ぬと、何十年経っても辛いものなのか。 山椒大夫...
表札 石垣りん 最期の表札は自分では掛けられない。 兄の骨を焼いた時、名前は掛けられていたっけ? 碁石を呑だ八っちゃん 有島武郎 日常の中にも、命が脅かされるきっかけはそこら中に転がってる。 梨花 吉野せい 子どもが死ぬと、何十年経っても辛いものなのか。 山椒大夫 森鴎外 福島から福岡まで歩いていこうって、無理ゲーすぎでしょ。育ちが良くて世間知らずな奥さんと幼い子ども達と、奥さんが間違ったことをしている時にそうと言えない使用人ひとりじゃ、絶対に無理。 父親に会いたい、という理由だけで、こんな無謀な旅をするはずがないよね?一体どんな事情があって、旅に出ることになったんだろう?現代から見るとそう感じるだけで、当時は普通のことだったの? 島の果て 島尾敏雄 フランスの戦争映画では、フランス人兵士と現地の女性が必ず恋に落ちるらしい。そのことを思い出した。 鶴 長谷川四郎 待機中の兵士は、何も起こってないことを喜びつつも、何かが起きて欲しいと思ってる。自分を取り巻く状況が、心底馬鹿らしいんだ。 夏の花 原民喜 広島 ある一家の被爆体験 魚服記 太宰治 太宰治という名になってから、初めて発表した作品。処女作なのかな? 太宰治は、この作品を発表した15年後に入水自殺を遂げる。処女作で予言していたのか、処女作に呪われていたのか。 極楽急行 海音寺潮五郎 急行ってか…超特急だ。 チョウチンアンコウについて 梅崎春生 提灯が付いてるのは雌なんだ。後天的な雌雄同体の生き物なんだね。どういう風に進化してったらこうなるんだ。生き物ってすごい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
夏の花が読みたくて、図書館で借りる 山椒大夫、久々に読む 「火鉢」に用語解説がつく 表札 石垣りん 碁石を呑だ八っちゃん 有島武郎 梨花 吉野せい 山椒大夫 森鴎外 島の果て 島尾敏雄 鶴 長谷川四郎 夏の花 原民喜 魚服記 太宰治 極楽急行 海音寺潮五郎 チョウチンアンコウについて 梅崎春生 鶴と島の果ては従軍体験
Posted by
中学生までに読んでおきたい日本文学シリーズの第2巻です。 やっぱり戦争の話が多いね。 らじは靖国神社に行くけど、戦争は二度としたくないし、そんなことがないようにっていつもお祈りしています。 この命が燃え尽きるまでにいろんな経験をしたいけど、戦争は絶対にイヤだって思ったよ。
Posted by
【収録作品】 石垣りん 表札 有島武郎 碁石を呑んだ八っちゃん 吉野せい 梨花 森鴎外 山椒大夫 島尾敏雄 島の果て 長谷川四郎 鶴 原民喜 夏の花 太宰治 魚服記 海音寺潮五郎 極楽急行 梅崎春生 チョウチンアンコウについて...
【収録作品】 石垣りん 表札 有島武郎 碁石を呑んだ八っちゃん 吉野せい 梨花 森鴎外 山椒大夫 島尾敏雄 島の果て 長谷川四郎 鶴 原民喜 夏の花 太宰治 魚服記 海音寺潮五郎 極楽急行 梅崎春生 チョウチンアンコウについて 評価が他の巻より低いのは単純に好みの問題。テーマがテーマなだけに 戦争文学なども含まれていて、再読はちょっと気が重い。 文章の質でいったらこのシリーズはすべて★5だろうと思う。 森鴎外以外初読。 長谷川四郎の鶴が面白かった。行動から気持ちを描写するというか、 モノローグ的なものはほとんどないのに、人々の気持ちが伝わってくる。 望遠鏡をのぞくシーンなど、映像として心に残る文章だった。 海音寺潮五郎 極楽急行も良かった。これはキャラクターがたってる。 唐薯武士もそうだけれど、この人の文章は鮮烈な印象を残す。
Posted by
戦争系の話多し。 「チョウチンアンコウについて」梅崎春夫(こういう事実だけが淡々と描写されたものののうがまさに「いのちって…。」て気持ちになる。戦後4年という書かれた時期も印象的)、「魚服記」太宰治、「梨花」吉野せい(70歳過ぎてから文章を書き始めたそう。40年以上形にならなかっ...
戦争系の話多し。 「チョウチンアンコウについて」梅崎春夫(こういう事実だけが淡々と描写されたものののうがまさに「いのちって…。」て気持ちになる。戦後4年という書かれた時期も印象的)、「魚服記」太宰治、「梨花」吉野せい(70歳過ぎてから文章を書き始めたそう。40年以上形にならなかった子供の死の生なましさ)、「碁石を呑んだ八っちゃん」有島武郎、「極楽急行」海音寺潮五郎など
Posted by
森鴎外の山椒大夫しか読んだ事のあるものがなかった。どれも素晴らしい内容ばかり。特に海音寺潮五郎の極楽急行はスピード感があって読後も爽やかで印象深い。
Posted by
石垣りんの「表札」から始まる、いのちと死の隙間に入り込んだ人々をえがいた日本文学の短編集。太宰治の「魚服記」の中で学生が崖から滝壺に落ち沈んでいく様子が、憧れで色づけされたように書かれていて胸がゾワゾワしちゃいました。
Posted by
- 1