このベッドのうえ の商品レビュー
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2~30ページ程度の短編集。日常でのやや恋愛的な心の機微を描いているという感じの作品群で、いい感じなんだけど短いのですぐに終わってしまう。そのあっけなさがいいのかもしれない。もっと長いのを読んでみたい。
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●真夜中にそっと 【書き出し】 眠る前にふと外を見やったら、白いやわらかなものが、ふわり、ふわりと舞っていた。 【内容】 家でオーダーメイドの服を縫う絢子と、年下の彼の崇。 過去、川で流されたじぶん、流れではぐれた恋。 それでも、真夜中にそっと、春は近づいてくる。 【感想】 ・石榴酒が作りたくなった。じぶんへのご褒美や記念日に、じぶんが仕込んだお酒を飲むってとってもステキ。 ・愛想笑いをしなくても慈愛のあるおばあちゃんの顔!小娘には難しいよー ●余音 【書き出し】 家の間近まで来たら、ピアノの音が聞こえてきた。 【内容】 姉の婚約者と結婚した亮子さん。彼女に少年からの憧憬と、姉を裏切ったのにという恨みがましい気持ちが、なにもかも破壊したく、また包み込みたい複雑な気持ちにさせる。 【感想】 ・割り切れない気持ちって、ある。側面ってひとつじゃないから。 ・姉にスポットをあてたものも見てみたい。 ●さざなみ 【書き出し】 サングラスをはずして、川を見やる。 【内容】 彼(庸介)の弟(大輔)の元恋人である恵似子(年上でステキな女性)の別荘に。彼が彼女に靡かないと心配に…。 【感想】 ・夏の暑さがミントジュレのソーダを引き立てる。 ・別れ際がきれいで、男をたてる余裕ね。 ・一生懸命に恋する若さ、かわいいよね。 ●このベッドのうえ 【書き出し】 ふと目が覚めたら、激しい雨の音がして、一瞬、私は自分がどこかに連れ去られ、とらわれの身になっているような気がした。 【内容】 ベッドをくれたいとこの亜由美ちゃん。彼女に捉われているわたし。 【感想】 ・ベッドって「愛し方愛され方」を連想させてしまうものよね。それが恋に生きる女にとっては「生き方」にそのものにも反映してくるわけで。 ●マリーゴールド 【書き出し】 そのひとの髪は銀。微笑みはマリーゴールド。存在そのものが、やわらかな光をまとっているようだ。 【内容】 バーに通うステキな初老のマダム(都弥子)に憧れる青年。酒の縁。 【感想】 ・マティーニのオリーブを思ってくちがむずむずした。 ・慈しみの雨が洗い流してくれるものがある。 ・伝えたいこと、伝えなくてはいけないことがある人がいることの幸せ。 ●七面鳥を焼いて 【書き出し】 いつもと違う道を歩いてみた。 【内容】 姉の元婚約者と毎年過ごすクリスマス。彼が好き。でも姉と3人で過ごすことがベストで楽しかったのに姉はいない。姉が足りない。それはやっぱり彼も感じていて…。 【感想】 ・料理を一緒に一生懸命作っていれば、会話がとぎれることがない。 ・姉は、妹の思いに気づいていたから彼との婚約を破棄したんだろうに、分かっていない妹が「ああもう…」ってなる。お姉ちゃんいい女なんだろうな。 ●なんでもない感情 【書き出し】 夜の闇は恋をするためにある。そんなふうに感じるようになった私にとって、今年のバレンタインデーは特別だ。 【内容】 恋人へのプレゼントを一生懸命わくわくと考える。同時にもし別れたら、そのプレゼントはどう扱われるだろうとも悲観する。ただ、今このときめきを大事にしようと決心する。 【感想】 全世界の乙女が共感する内容じゃなかろうかと。昔つきあってた人にもらったものってどうした?って聞いてしまいたいのよね。プレゼント選びって「どれだけ相手のこと分かっているか」っていう不安とわくわく感が混ざるんだよね。 ●春の嵐 【書き出し】 雨が降っていなくてよかった。陽あたりのいいベンチに腰かけて、文庫本を読んでいれば、待つのはさほど苦痛じゃない。 【内容】 「友達」を貫いてきたふたり。恋をすると台風にあったように分別がつかなくなってしまうから、相手のことが分からなくなってしまう。 【共感】 ・男女間で下心なしの「友達」を貫くには、恋の話をしないほうがいい。 ・恋の嵐をオズにたとえるのがステキ。
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さくさく読めちゃう恋愛短編集。 あとがきにも書いてあったが この本の全てのストーリーに お酒が登場していた。 お酒は恋愛とは深くつながっている。 最後のお話けっこう好きだな。
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