ニーチェはこう考えた の商品レビュー
いくつかの主要なニーチェの著作について、彼の人生に寄り添いつつ、どういう状況で書かれたのかを説明してくれるので、それぞれの内容がよく理解できる。ニーチェの主張と、著者石川氏の解釈の部分がきちんと区別されて書かれていることにも好感がもてた。 文章も平易で、簡単に読めるので、ニーチ...
いくつかの主要なニーチェの著作について、彼の人生に寄り添いつつ、どういう状況で書かれたのかを説明してくれるので、それぞれの内容がよく理解できる。ニーチェの主張と、著者石川氏の解釈の部分がきちんと区別されて書かれていることにも好感がもてた。 文章も平易で、簡単に読めるので、ニーチェの入門書として若い人にもお薦めできる。
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【再読】 【いちぶん】 では、ニーチェの哲学とはどういうものだろうか。それは、一言でいって、うじうじした「小さな人間のための哲学」だ。そう言ってみたい。 (p.10) ニーチェの哲学はうまくいかなくなった人間が自分をどううまく立て直すか、その方法を探る連続のようにも思える。 (p...
【再読】 【いちぶん】 では、ニーチェの哲学とはどういうものだろうか。それは、一言でいって、うじうじした「小さな人間のための哲学」だ。そう言ってみたい。 (p.10) ニーチェの哲学はうまくいかなくなった人間が自分をどううまく立て直すか、その方法を探る連続のようにも思える。 (p.22)
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ニーチェの思想をわかりやすいことばで解説している本です。 著者は、「超人」を説いていたはずのニーチェの思想を、むしろ「小さな人間のための哲学」だと規定しています。ルサンチマンをかかえた小人たちに対するニーチェの容赦のないまなざしは、そうした人間の心の働きを内側から理解する者に特...
ニーチェの思想をわかりやすいことばで解説している本です。 著者は、「超人」を説いていたはずのニーチェの思想を、むしろ「小さな人間のための哲学」だと規定しています。ルサンチマンをかかえた小人たちに対するニーチェの容赦のないまなざしは、そうした人間の心の働きを内側から理解する者に特有のものだと著者はいい、それゆえ彼の思想は、彼とおなじ弱さを抱えたひとへのメッセージとして読むことができると考えます。ここには、モラリストの系譜のなかにニーチェを位置づける解釈に通じるものがあるように思います。 一方、「永遠回帰」の解釈では、著者が大きな影響を受けている竹田青嗣のニーチェ解釈を下敷きにしているようです。竹田のニーチェ解釈は、おなじ筑摩書房から刊行されている『ニーチェ入門』(ちくま新書)にくわしく述べられていますが、本書はいっそうわかりやすいことばで説明がなされています。 ニーチェの「力への意志」については、「なにか世界の根本原因のようなものではなく、わたしたちが自分のよろこびの経験をふり返ることによって確信されるものと考えてはどうだろうか」と著者は述べています。ここには、読者にとって勇気が湧いてくるような思想としてニーチェを解釈しようとする著者の意図が認められるように思いますが、天下り式に著者の理解する「力への意志」が持ち込まれているようにも感じられます。
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【ニーチェさんが伝えようとした「力への意思」】 哲学初心者の私でもわかりやすく、ニーチェさんが若い頃から亡くなるまでをさらりと知れる良い本でした。
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わかっちゃいるけどやめられないを抜け出すために:「ルサンチマンやニヒリズムを徹底し、永遠回帰することで、力への意志を持ち、力の感情を再現する」
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現代若者向け?にまとめられたニーチェ入門。思想の一連の流れを、身近な例で解説しながら紹介している。 一番最初に読むよりも、いくつか読んでちょっとニーチェにハマってから読んだ方が面白いかもしれない。
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ニーチェの言葉には救われる。超人の発想だから印象に残るのかなと思ったけど、普通の青年からきた、核の言葉だから共感しているんだと思った。生を肯定する「力への思想」は興味深い。
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とにかく分かりやすいニーチェ入門書です。分かりやすさを追求する余り、思想を人生訓レベルで解釈して見せてくれたような気もしますが。「力への意志」とは人生を変えていく力だ、というのは勇気づけられますが、まさかニーチェが発狂するほど考えたことが、それだけ、ってことじゃあないだろう、とも...
とにかく分かりやすいニーチェ入門書です。分かりやすさを追求する余り、思想を人生訓レベルで解釈して見せてくれたような気もしますが。「力への意志」とは人生を変えていく力だ、というのは勇気づけられますが、まさかニーチェが発狂するほど考えたことが、それだけ、ってことじゃあないだろう、とも思います。さあ大学に入って、ティーンエイジャーとして考えたことを整理するぞ、という時にお奨めの本、でしょうか。
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哲学を齧ろうと思っても、いきなり原書に飛びつくというのは私のようなものには難度が高すぎる。なので、入門書の存在というのはありがたい。 哲学者自身にも人生があるわけで、その中で考え方も変化していくのだから、著者の作品がその思想の変遷の中でどの段階にあたるのか理解しておくことは重要で...
哲学を齧ろうと思っても、いきなり原書に飛びつくというのは私のようなものには難度が高すぎる。なので、入門書の存在というのはありがたい。 哲学者自身にも人生があるわけで、その中で考え方も変化していくのだから、著者の作品がその思想の変遷の中でどの段階にあたるのか理解しておくことは重要で、本書はその一助となる。 「ルサンチマン」、「ニヒリズム」、「永遠回帰」、「力への意思」という、ニーチェを学ぶ上でのキーワードもかなりわかり易く噛み砕いて書かれているのでイメージをつかみ易い。もっとも、後期の思想は纏まっていない断片を集めて解釈していく必要があるとのことなので、人それぞれで考えることも異なるだろう。だから、あくまでもこの著者の考える「ニーチェ」なんだということは押さえておくべきだろうと思う。 著者の作品を読むのはこれが初めてだが、哲学というものは、広く万人に届く必要があるという考えがベースにあるように感じる。だから、著者の解釈するニーチェも、我々が少しでも人生を肯定できる方向へ進んでいるような気がした。 ニーチェという人は、なんだかものすごく苦悩した人なんだろうなあというのが感じられる。 永遠回帰について考えていると、なんとなくジョジョの奇妙な冒険の6部のラストを思い浮かべてしまう。
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※このレビューにはネタバレを含みます
うじうじと悩む、人生に絶望した人間。絶望的な状況でニヒリズムに陥っても良い。 だけど、それは何回も訪れる、永遠に続くのだから肯定的に生きたほうが良い。 自分を成長させようという「力への意志」を持ち、苦も楽も同じように捉えて人生を肯定的に捉えよう。 非常に分かりやすい主張が、卑近な例と共に展開される。これだけではとてもニーチェは語れないと思うけど、原作にとっかかるための第一歩としては非常に良い1冊だと思う。
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