石都奇譚集 の商品レビュー
鮮やかなエメラルドグリーンの表紙が美しく心惹かれて読みましたら!現実か幻想かの間を行き来するような幻視の世界にすっかり堪能しました。東アフリカ・ザンジバル島、ストーンタウンと呼ばれる石造りの旧市街を旅した著者の旅行記。単なる旅の記録ではなくこの石の都を舞台にした幻想的物語、まさに...
鮮やかなエメラルドグリーンの表紙が美しく心惹かれて読みましたら!現実か幻想かの間を行き来するような幻視の世界にすっかり堪能しました。東アフリカ・ザンジバル島、ストーンタウンと呼ばれる石造りの旧市街を旅した著者の旅行記。単なる旅の記録ではなくこの石の都を舞台にした幻想的物語、まさに「石都奇譚集」。この世界に一歩踏み入ってから瞬く間に魅了されました。もう~素敵すぎます!きのこ文学研究家でもある飯沢さんは『きのこ文学名作選』を手がけられた方なのですね。他の作品、『きのこ文学大全』『考えるキノコ』も気になります。(2011年3月読了)
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写真評論家・飯沢耕太郎が東アフリカ・タンザニアから沖合30Km離れたインド洋にある島ザンジバル島ストーンタウンで2008年の数ヶ月の滞在を綴った短編集。 読み進めて行くうちに、これはトラベローグなのか、幻想文学なのか解らなくなる程、現実と幻が混在していく。著者によるトリックな...
写真評論家・飯沢耕太郎が東アフリカ・タンザニアから沖合30Km離れたインド洋にある島ザンジバル島ストーンタウンで2008年の数ヶ月の滞在を綴った短編集。 読み進めて行くうちに、これはトラベローグなのか、幻想文学なのか解らなくなる程、現実と幻が混在していく。著者によるトリックなのかストーンタウンという街の放つ其れが旅人を介して読者を惑わすのかはわからない。ただ一つ言えることは、著者はこの街での楽しみ方を熟知していると言うこと。この街で起きる現象についてわからないという事ですら一つの楽しみなのか。形には表せないそんな出来事でも楽しむ著者の某がポツポツと伝わってくる。滞在中に見た夢の話やブイブイを纏った女性の魅力など想像を掻立てられ興奮してくる程に。22話のショートストーリーと本書のために特別に書き下ろした「キンコ・カッシーナ」を加えた全23話を収録。著者による写真も掲載。ついミシェル・レリスと重ねあわせてしまったが、重ねあうはずもなく本書はまた別の輝きを放つ程面白かった。
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