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消費税25%で世界一幸せな国 の商品レビュー

4.1

19件のお客様レビュー

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2020/06/27

デンマークに43年暮らしている著者がデンマークの高負担・高福祉の実情とデンマークが抱える問題点について記された本。 日本と全く違う社会システムの中で特に驚いたのが、下記のような医療と教育の面である。 ・医療に関しては、たとえ億単位の医療費がかかっても無料。ただし命に関わらない風...

デンマークに43年暮らしている著者がデンマークの高負担・高福祉の実情とデンマークが抱える問題点について記された本。 日本と全く違う社会システムの中で特に驚いたのが、下記のような医療と教育の面である。 ・医療に関しては、たとえ億単位の医療費がかかっても無料。ただし命に関わらない風邪や歯科治療などは自己負担。 ・教育に関しては、義務教育・高校・大学の教育費が無料。18歳以上の学生には全員に生活費として月額約7万7,000円が支給される。 ・入学試験がない。 親の経済国が子供の学歴に影響すると言われる日本から見ると、貧富の差が関係なく誰にでも教育を受ける門戸が開かれていることは素晴らしいと感じた。 また入学試験がないことは、学校での授業が受験に重点を置いた教育にならないことが良いと思う。 デンマークでは全ての仕事において資格が必要となり、高校以上では学校が資格を取る場となるそうだ。 就職してからキャリアアップをしたいと思えば、無料で学校に入り、いつでもやり直しがきく環境が羨ましく思う。(しかし卒業するのは大変らしい) また、高負担・高福祉の社会においては恩恵を受ける人とそうでない人の差が開いてしまうが、デンマークの国民の間では「みんなのお金でみんなが幸せに暮らす」という「共生」の精神が強いため、このシステムが成り立つようだ。 九州ほどの面積と、兵庫県ほどの人口の日本に比べると小さな国だが、世界一幸せな国と呼ばれるデンマークの社会システムに感心をした。 人口や土地、国民の価値観など、日本とは条件が違う部分も多いので、デンマークの仕組みをそのまま使うことはできないが、日本のアドバンテージを利用した国づくりが何かあるのではないかと思った。 もっと日本とは違う社会モデルを持つ国についての本も読んでいきたい。

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2019/12/14

デンマーク国籍を取得して40年の著者が、高福祉高負担という日本とは違う選択をしたデンマークを、国民目線で論じた書。 第1章には、デンマークの「高福祉」の具体的な内容が、第2章にはそのサービスを実現可能にしている「高負担」の部分について、第3章にはそんな世界一幸せとされるデンマー...

デンマーク国籍を取得して40年の著者が、高福祉高負担という日本とは違う選択をしたデンマークを、国民目線で論じた書。 第1章には、デンマークの「高福祉」の具体的な内容が、第2章にはそのサービスを実現可能にしている「高負担」の部分について、第3章にはそんな世界一幸せとされるデンマークが抱える「問題点」について書かれている。そして最後の第4章には高福祉高負担を実現できた歴史的・社会的背景が取り上げられている。 育児、保育サービスを充実させて女性の社会進出を実現させ、納税者を増やすといい仕組みには納得した。(育児保育業界の業務自体が主に女性の仕事であることも忘れてはならない。) 事実、高福祉高負担の国家が多い北欧の国々(ノルウェー・フィンランド・デンマーク)の首相が皆女性ということからも、女性の社会進出が実現していることが伺える。 特に最近では、フィンランドで若干34歳のサンナ・マリーンさん(女性)が現職最年少で首相に選出されたそうだ。 新内閣は女性12人、男性7人の構成となっており、もはやこれからは女性が男性に変わり世界を牽引していくことになるのではないかとも思わせられる。 超高齢社会となり、税収確保が死活問題となっている日本も、女性の社会進出においてはデンマークを見習うべきだと思う。 だがしかし、デンマークは九州ほどの面積、兵庫県程度の少人口がゆえに、今日の高福祉高負担国家が成り立っているといっても過言ではない。 そんなデンマークの政策と我ら日本の政策を比べて日本政府を批判するのはナンセンスだろう。(かくいう私も高校入試の小論文で高福祉高負担の大きな政府を支持するような内容を書いてしまったが。) 日本政府や私たち日本国民は、日本という国が持っている特徴やアドバンテージをよく理解し、それらを最大限生かしていく政策を考える必要があるだろう。 そうすればきっと日本も、デンマーク以上に幸せな国となるのはもはや遠い未来の話ではないだろう。

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2018/10/09

著者のデンマーク生活経験に基づく医療・教育・年金などの社会制度に関する解説. ・地方市議会議員は仕事を持つボランティアが務め手当は年間交通費などで100万円程度支給されるだけ(町長や市長は専門職のため専従). ・1983年に1.38だった出生率は2009年に1.9に改善.それには...

著者のデンマーク生活経験に基づく医療・教育・年金などの社会制度に関する解説. ・地方市議会議員は仕事を持つボランティアが務め手当は年間交通費などで100万円程度支給されるだけ(町長や市長は専門職のため専従). ・1983年に1.38だった出生率は2009年に1.9に改善.それには様々な子育て支援策が効果を発揮している. ・高校にも大学にもランク付けがない.将来どのような仕事に就きたいかで選択.また学費は無料で,転入なども自由なので途中で進路変更も可能. 人口が大きく違う(550万人)ので,同じ政策は取れないが,学ぶべき点は多い.

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2014/10/03

給料の7割で国民の幸せを保障しているのが魅力。 それでも自殺率が多いのが人間の不思議さ。 老後が平等なのも良いが仕事に直結した教育というのは日本よりだいぶ進んでいる。

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2013/12/18

2010年刊。 高福祉・高負担の国デンマークというが、定住者から見ると実際どうなの?という視点で書かれている。 かなりぶったまげた。 本当に御伽話の国みたいだ。 「自立」「共生」の精神のもと、徹底的に格差をなくそうという試み。職業訓練を軸にした教育体制がすごく魅力的。 食糧エ...

2010年刊。 高福祉・高負担の国デンマークというが、定住者から見ると実際どうなの?という視点で書かれている。 かなりぶったまげた。 本当に御伽話の国みたいだ。 「自立」「共生」の精神のもと、徹底的に格差をなくそうという試み。職業訓練を軸にした教育体制がすごく魅力的。 食糧エネルギーが豊富、北欧の一国という立ち位置にあって、国の規模は小さく小回りがきく、さらには哲学必修という特異なお国柄ゆえに成り立つところは多いと思うけど、無駄を省いた重点的税投入策や超実践的な教育制度は見習えるんじゃないか…見習え!と切実に思った。

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2013/01/26

幸福度調査で一位のデンマーク。日本は90位。消費税25%のデンマークに見習うことは?当然、増税の視点ではなく社会の仕組みの改革が必要である。18歳からは国が保護者になる、なんて日本でも試してみたい。(親の意識改革も必要かも)

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2012/12/22

デンマークの国民負担率は約71%(日本は40%弱)。医療も教育も全て国費負担で無料で、世界一幸福感が高い国だと。しかし、理想の国として全面礼賛するのではなく、学歴により就ける職業がはっきりと異なり、競争が激しくて所得格差が大きく、離婚や自殺も多いなど問題点もしっかり指摘されていま...

デンマークの国民負担率は約71%(日本は40%弱)。医療も教育も全て国費負担で無料で、世界一幸福感が高い国だと。しかし、理想の国として全面礼賛するのではなく、学歴により就ける職業がはっきりと異なり、競争が激しくて所得格差が大きく、離婚や自殺も多いなど問題点もしっかり指摘されています。 デンマークは人口わずか500万ちょっとの小国で、すべての国民が「共生」するという価値観がしっかり歴史的に根付いている、と。 日本ではそのままは到底、真似できませんが200頁もない小著で手軽に読めますのでお勧めです。

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2012/04/07

資本主義と共産主義が混じり合ったような仕組みのようだ。保持する資格により職業が決まり、学校卒業時点で、学校で得た資格により、職種ごとの単一労組に加入する。そのため、就職できなくても失業給付が開始される。国民総背番号がかなり機能しており、アルバイトをするにも背番号をアルバイト先に登...

資本主義と共産主義が混じり合ったような仕組みのようだ。保持する資格により職業が決まり、学校卒業時点で、学校で得た資格により、職種ごとの単一労組に加入する。そのため、就職できなくても失業給付が開始される。国民総背番号がかなり機能しており、アルバイトをするにも背番号をアルバイト先に登録しなければならない。しなければ、事業者の給与支払による損金算入が認められない。貧富の差は極端に小さく、大金を稼いでもそのほとんどが税金として徴収される。逆に、国民全体がそれを許容している。政治家は、ほとんどがボランティアで、副業として政治家をしている。

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2012/02/05

デンマークは高福祉を実現していても、すべての国民に幸せを提供できるものではないことの表れとして、離婚問題・自殺問題がある。 一方で、家族との生活が少ない社会は、いつ孤独になるかわからないので、その為の予防策が社会に浸透している。例えば、デンマークの高齢者は家を空けていることが多い...

デンマークは高福祉を実現していても、すべての国民に幸せを提供できるものではないことの表れとして、離婚問題・自殺問題がある。 一方で、家族との生活が少ない社会は、いつ孤独になるかわからないので、その為の予防策が社会に浸透している。例えば、デンマークの高齢者は家を空けていることが多い。 議員が庶民であるから、国民の意識に近い判断が出来ており、汚職も少ない。

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2011/11/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

チェック項目29箇所。1911、デンマークを評価している。第2次社会改革として福祉国家への道を歩み始めている。医療費無料、教育費無料、大学まで無料。18歳以上の学生生活費として月額約77000円支給。育児支援、障害者支援制度の充実。年収100万まで全額支給。国民一人ひとりが主治医(家庭医)を持つ。単なる風邪くらいでは治療なし。必要以上の医療をしない。歯医者は高い・・・虫歯予防を心がける。合計特殊出生率1.38からの上昇・・・・育児制度の充実。保育ママ、ベビーシッター制度の充実。必ず子どもを預けられる。就職にはすべて資格が必要。どの会社に勤めても業界が同じであれば給料は同じ。年齢は関係ない。給料アップ=転職・・・新たな学校に入って学びなおす。入学試験、授業料なし。どの学校に行っても変わらない。資格を取得するために学校に行く。定年はないが国民年金支給が65歳以上だから大体そのあたりで退職する。幼いときからの共生。高負担の税金は高齢者になると返ってくる仕組み。IT関連を無料で高齢者に教える。個人登録番号制度・・・番号一元化。デンマークはお金の使い道の自由度低いが格差を生みにくい。食料自給率100%を超える。働く女性多い。76%(16-64歳まで)働く。離婚率も高い。理由は夫の家事の不参加。自殺の問題。年間650人(人口550万)。お金や生活に不安が無くても幸せにならない。精神的支えが人間には必要。

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