エキゾティカ の商品レビュー
中島らもの旅行記とでも言おうか、半分以上は実話に基づくのだろう。わかぎえふを彷彿させる物語もある。アジアのゆったりとした感じと、中島らものダラダラした感じが、混ざり合い、独特の雰囲気を醸し出している。 個人的には、このような紀行文より、中島らもは、娯楽小説の方が好きである。しか...
中島らもの旅行記とでも言おうか、半分以上は実話に基づくのだろう。わかぎえふを彷彿させる物語もある。アジアのゆったりとした感じと、中島らものダラダラした感じが、混ざり合い、独特の雰囲気を醸し出している。 個人的には、このような紀行文より、中島らもは、娯楽小説の方が好きである。しかし、著作が増えない今、稀少な作品の一つとして、空想を楽しませてくれるのである。ファンにはオススメ。
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寓話風の物語から青春小説、ホラー、しみじみと温かな気持ちになるものまで、らもさんのエッセンスが「アジア」を軸に、ギュッとまとめられた1冊。 読むと、俄然旅に出たくなる。 以下、各ストーリーの感想。 ・ペットとイット(バンコク) 何とも瑞々しい青春小説。 二人の間にある、友情とも...
寓話風の物語から青春小説、ホラー、しみじみと温かな気持ちになるものまで、らもさんのエッセンスが「アジア」を軸に、ギュッとまとめられた1冊。 読むと、俄然旅に出たくなる。 以下、各ストーリーの感想。 ・ペットとイット(バンコク) 何とも瑞々しい青春小説。 二人の間にある、友情とも恋心ともつかないあえかな感情が甘酸っぱい。 ・大世界的闇(上海) かいだこともない阿片の香りが漂ってくるような一篇。 ラストにスーッと背筋が寒くなる。 ・聖母と胃袋(香港) 次々と出てくる食べ物の描写が、生唾を飲むほどに美味しそうなのに、読み進むほどに食欲がなくなる。 ・KUMIKO(インド) この本に収められている中で一番好きな物語。 読後、とても温かな気持ちになる。傍観しているようでいて、実は心優しいらもさんの人柄が伝わってくるような作品だが、それだけで終わらないところがまた、らもさんらしい。 そんなわけで、私も旅行に行ってきま~す。
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らもさん短編。彼が実際に目にしたであろう(実際は行っていない国もあるらしいが)アジアの各国の景色が色々な人物を通して描かれている。不思議なやわらかさとシュールさ。 中島らもは、アジアがよく似合う。砂埃の中で、黄土色の半袖シャツを着て、ちょっと麻薬を吸ったりする。私の中でのイメージ...
らもさん短編。彼が実際に目にしたであろう(実際は行っていない国もあるらしいが)アジアの各国の景色が色々な人物を通して描かれている。不思議なやわらかさとシュールさ。 中島らもは、アジアがよく似合う。砂埃の中で、黄土色の半袖シャツを着て、ちょっと麻薬を吸ったりする。私の中でのイメージだが、だからこそこの作品はとてもらもさんっぽいのだ。 KUMIKOが好き。後、韓国の犬を食べる話と日本の鯨を食べる話に納得。
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