切羽へ の商品レビュー
うーむ わからん 感情がまだわからん 私はまだ子どもなのか、、 幸せな家庭ならそれでいいじゃない なぜ他の方をみるのかな
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たまたま図書館で手に取った一冊。 淡々と進んでいくお話の中で、切羽とは何を意味するのか、なかなか読み取ることが難しかった。 初読みの作家さんだったので、他のお話も読んでみたいと思います。
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荒野さんの文章が大好きなので引っかかるところも一切なくするすると読める。 物語としてはつかみどころがなく、一見して何事も起きてないような大人の世界が書かれてるイメージ。深く読めていないということなんだろうけど、主人公が教師に惹かれる理由が全くわからなかった。何回も読んだ方がより...
荒野さんの文章が大好きなので引っかかるところも一切なくするすると読める。 物語としてはつかみどころがなく、一見して何事も起きてないような大人の世界が書かれてるイメージ。深く読めていないということなんだろうけど、主人公が教師に惹かれる理由が全くわからなかった。何回も読んだ方がよりよさがわかってくるのかもしれない。
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大人だ〜と思った なんだ何も起こらないなあなんて呑気に考えていたわたしはレベル3だ 大人だ〜と思う作品はたくさんあったけど、これはその中でも大人 何も見えない、何も見せない 濃密さはこうやって表現されるんだと気づいた タイトル、端端ででてくるキーワード ほんの少しの言葉で多くを感...
大人だ〜と思った なんだ何も起こらないなあなんて呑気に考えていたわたしはレベル3だ 大人だ〜と思う作品はたくさんあったけど、これはその中でも大人 何も見えない、何も見せない 濃密さはこうやって表現されるんだと気づいた タイトル、端端ででてくるキーワード ほんの少しの言葉で多くを感じさせる こんな作家さんも素敵だし、こういう大人になりたいと思った
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トンネルを掘っっていくいちばん先を切羽と言う。 日本の離島、作中の方言から九州方面でしょうか。 島出身の主人公のセイは、島内の小さな小学校で養護教員として生活している。夫は、幼児期島で暮らし本土へ渡った、画家。島の丘の上のセイの父親の残した診療所後で、豊かな自然と濃密な人間関係の...
トンネルを掘っっていくいちばん先を切羽と言う。 日本の離島、作中の方言から九州方面でしょうか。 島出身の主人公のセイは、島内の小さな小学校で養護教員として生活している。夫は、幼児期島で暮らし本土へ渡った、画家。島の丘の上のセイの父親の残した診療所後で、豊かな自然と濃密な人間関係の中、穏やかな日常。そこへ新任教師の男性が本土から、転任してくる。偶然が二人を呼び寄せ、恋に落ちる様に出会ってしまう。セイは、夫を確実に愛していると同時にこの男性にどうしようもなく惹かれていく。彼からも確かにセイと気持ちを絡ませる刹那がある。 切羽に向かおうとした二人の情愛は、踏み留まる。 そんなこともあるだろうなあ、と思うけれど、謎めいた新任教師へ傾倒するほど、セイが渇望しているものが何かわかりにくい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
わたしはいったいここ数年で何度、「あ、長崎の話だな」って理由で本を読んだだろう。 この本もそう。パラパラめくったら長崎弁(らしきもの)が目に入ったので買った。しかしながらしょせんわたしは「よそ者」なので、長崎の話なのかそれとも同じ九州のどこかなのか判断が付かず。本の中で結局長崎とは出てこなかったけれど、空港で買った大村鮨という言葉に長崎だと確信を得て、言葉だけでは確信出来なくとも、地域の食べ物では確信出来るくらいなのだな、と思ったり。 いつまでわたしの頭の中で長崎弁がすんなり音になってくれるだろう。一度もわたしの口から出る事はなかった言葉。頭の中のひとりごと止まりだった。けれど意味や発音はしっかりわかるようになった言葉。それを忘れたくなくて、まだ忘れていないと思いたくて、こういう本を選んでしまうのかもしれない。 「本土さん」のようにわたしはずっと「東京の人」だった。「よそ者」でい続けるつもりなんかなかったのに。いまはわたしも石和のように誰にも思い出される事はないのだろう。関わった決して多くはなく、大概は付き合いが濃くもない人たち。通った学校のクラスメイト。何個か働いたパート先の先輩後輩。美容院やまつ毛サロンやジムの店員さん。彼の友人や、バーのお客さん。彼のご家族や親戚。 わたしの事を「よそ者」と思っていなかった人だけは、もしいるとしたら、思い出してくれる事があるのかもしれない。いるのかはわからないけれど。石和に対してのセイや、陽介、月江のように。
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最近、ミステリーのように筋立ての妙で読者をひっぱる物語よりも、文章それ自体の力によって、ゆっくりと歩ませてくれる種類の小説に強くひかれる。在るということ、それ自体が発する力を受けとめる緊張感をもった器のような、そんな小説だ。 九州の小さな離島の、わずか一年間の物語である。眼に見え...
最近、ミステリーのように筋立ての妙で読者をひっぱる物語よりも、文章それ自体の力によって、ゆっくりと歩ませてくれる種類の小説に強くひかれる。在るということ、それ自体が発する力を受けとめる緊張感をもった器のような、そんな小説だ。 九州の小さな離島の、わずか一年間の物語である。眼に見えるような変化はほとんど起きない。ただ、ひとりの男がやってきて、いつのまにかいなくなっただけ。しかしその、何もないように見えて何でもある島の生活は、たとえば、セイの毎日を満たす食べものを通して、こんなふうに描きだされる。 「こればっかりは島で採れるとが一番」と義父がいう、アオサのおつゆ。から揚げにしようか、さっと煮ようか、叩きもいい、と考えながら市場で買う、とてもきれいな小アジの一盛り。男の親指ほどのミミ竹を採って、その場で味噌をとかしてつくる茸汁。そこで採れる食べ物をていねいに食べる、その一年を通した描写があるからこそ、何かをあきらめたわけでもなく、強がりでも倦んでいるのでもない、「島の女」として、この男の妻として生きていくことを選んだセイの姿が、それでもなお、先の見えない「切羽」へと手を延ばそうとする心のひたむきさとともに、くっきりと像を結ぶのではないだろうか。 傍目に何もないように見える日常を生きることは、けっして何かをあきらめることと同義ではない。その日の食事をていねいにつくり食べることは、たぶん、空気のなかにひそむささやかな季節の変化、エロスの信号を感じ取ることと通じるのだ。たとえば、夫がはじめて「ぞんざいさと親密さを織り交ぜて」「あんた」と自分のことを呼んだことに気がつくこと。
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再読 再登録 何だか高級な大人の恋愛小説を読んだ気がします。読了済の方はどう思うのだろうか。 「はっきり言ってくれないと理解に苦しみます」と感想を書いたら、所詮男のあなたには女心が分かってないのよ!と糾弾されそうな微妙なタッチで書いている。ん?いや、描かれていない。←(どっち?...
再読 再登録 何だか高級な大人の恋愛小説を読んだ気がします。読了済の方はどう思うのだろうか。 「はっきり言ってくれないと理解に苦しみます」と感想を書いたら、所詮男のあなたには女心が分かってないのよ!と糾弾されそうな微妙なタッチで書いている。ん?いや、描かれていない。←(どっち?はっきりしない) 小説の舞台は、本書には島としか書いていない。調べてみると、著者の父親井上光晴の故郷長崎県崎戸島だということがわかった。題名の「切羽」は、地名ではありません。この島は、次回に投稿を予定している同著者の「あちらにいる鬼」にも関係しています。炭鉱で栄えた島であったが、廃坑となって久しく山と海に囲まれた風光明媚な島だと思う。行ったことはないが、グーグルマップで書斎から現地へ飛んでみた(爆) その島の小高い丘の上に、かつて医院を開業していた父の家に住んでいるセイ(私・主人公)は唯一の小学校の養護教諭をしている。三十一歳。夫(陽介)は画家で元医院の診察室をアトリエにしている。 物語は、人肌の温もりが感じられる夫婦らしい滑り出しで始まる。 以下【一部抜粋】 「明け方、夫に抱かれた。大きな手がパジャマの中にすべり込んできて、私の胸をそうっと包んだ。(中略)『どうしたとね?』終わったとき、微かな不安にかられながら、私は聞いた。夫『できあがった』私『ほんとう?』『うん、明日。一緒に見よう』夫はすでに眠りはじめていた。そのことがまた新しい幸福で私を満たした」 セイは語り部として、島での生活の日々を丁寧に説明している。美しい自然に囲まれて、学校での出来事や子供たちのやりとり、島で手に入る食材の料理の話など…。 夫は、セイを通して語っているが、饒舌ではない。そこに不満があるのか、無いのか、しかし、いざという時の行動派の印象を強く感じます。 小学校に、東京から寡黙な青年で音楽の専任教師石和が赴任してきた。セイは気になりつつも、特に甘い言葉や行動があったわけではないのに、心を惹かれていく。肝心なところでセイは、語りを止めていることがこの作品の本質ではないかと思う。冒頭の通り著者は、何故描かなかったのか?「音」無くして声を聴き、「言葉」無くして心を読んで欲しい、と言っている作品ではないかと思う。 切羽は、トンネルを掘っている先のことで、開通してしまえば切羽は無くなってしまう。 何とも儚い作品だと感じた。 読書は楽しい。 2013年5月4日読了 直木賞受賞作品です。この小説は、大人のための情愛小説です。じっくりと想いを馳せながら読まないと、この作品の良さが伝わらないと思います。つまり、作者の伝えたい事が、書かれていないのです。書かないで想わせる技巧は、匠で素晴らしいですね。あとがきの、解説に小説家の山田詠美も同じようなことが書いてます。
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井上荒野さん初読。 なんだか不思議な小説だった。大人の小説。自分にはまだ早かったらしく「?」という感じで終わってしまった。 「トンネルを掘っていくいちばん先を切羽という。トンネルが繋がってしまえば切羽はなくなってしまうが、掘り続けている間はいつもいちばん先が切羽」
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閉鎖的な島で夫と暮らす「私」と、 島へ移住してきた男との心の揺れを 描く物語。 設定はいかにもだけど、 荒野さんの丁寧で緻密な文体と、 生命力溢れる島言葉が美しい。 そして何より、 「切羽」という場所に惹かれて読んだ。 タイトルを見て、切羽詰まる、の「せっぱ」かと思ったら違っ...
閉鎖的な島で夫と暮らす「私」と、 島へ移住してきた男との心の揺れを 描く物語。 設定はいかにもだけど、 荒野さんの丁寧で緻密な文体と、 生命力溢れる島言葉が美しい。 そして何より、 「切羽」という場所に惹かれて読んだ。 タイトルを見て、切羽詰まる、の「せっぱ」かと思ったら違った。 「トンネルを掘っていくいちばん先」のことで「きりは」と読む。 「トンネルが繋がってしまえば、切羽はなくなってしまう」 「掘り続けている間は、いつも、いちばん先が、切羽」。 有って無いような場所。 先へ先へと求め続けるけれど、 いつかは無くなってしまう場所。 それ以上先へは進めない場所。 それとも、未来へ続く扉にもなる? その切羽まで、「どんどん歩いて行くとたい」と夫に言い放った主人公の母親。その覚悟。 夫か、別の男か、どちらが切羽へ進む道なのだろう? 139回直木賞受賞作。
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