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農耕社会の成立 の商品レビュー

3.8

21件のお客様レビュー

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2023/12/11

日本史の授業などでは時代区分としてスパッと切り分けているが、ある地域ではこう、かたやこちらの地域ではこう、と連続した部分・変化した部分など様々な形があり、面白かった。 また、稲作が行われた弥生時代に比べ縄文時代は…と言われているが、縄文時代の時点でクリなどの栽培が行われている。「...

日本史の授業などでは時代区分としてスパッと切り分けているが、ある地域ではこう、かたやこちらの地域ではこう、と連続した部分・変化した部分など様々な形があり、面白かった。 また、稲作が行われた弥生時代に比べ縄文時代は…と言われているが、縄文時代の時点でクリなどの栽培が行われている。「獣を追いかけ駆け巡り、木の実を取って食べる」だけでない、生活が見えてくる。 そして、古墳時代。こちらはどんどん発掘が進んでほしいね。未知の部分が多い。

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2023/05/16

ちょっと最新の日本史を通史で読んでみようと初めの1冊目を読みました。なお読み始めてから気づきましたがこのシリーズは近現代史まで通算で全25冊あるので、全然ちょっとではありませんね……。 この1冊目は文献が出てくる前の弥生時代まで。数年前にリニューアルされた歴博の展示でも感じまし...

ちょっと最新の日本史を通史で読んでみようと初めの1冊目を読みました。なお読み始めてから気づきましたがこのシリーズは近現代史まで通算で全25冊あるので、全然ちょっとではありませんね……。 この1冊目は文献が出てくる前の弥生時代まで。数年前にリニューアルされた歴博の展示でも感じましたが、新たな発見によって自分が学生だった80年代のようにスパッと時代区分が別れる訳でないというのが見えてくるのが興味深いです。 そりゃ日本中の地面をすべて掘り返したわけではないので、これからも新発見で歴史が書き換わり続けるのでしょうね。 そもそも自分が歴史を高校で学んだ頃は、まだゴッドハンドに汚染された旧土器時代でしたからねぇ……。変化量も大きくなります……

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2022/09/26

今や「弥生時代」という用語の定義そのものが難しい――二項対立的に捉えられがちな縄文時代と弥生時代。しかしその変化は一変と呼べるようなものではなかった。縄文時代の伝統が連続した部分もあれば、変化した部分についても各地域での変化は内容もかかった時間も違ったという。弥生文化とは異なる独...

今や「弥生時代」という用語の定義そのものが難しい――二項対立的に捉えられがちな縄文時代と弥生時代。しかしその変化は一変と呼べるようなものではなかった。縄文時代の伝統が連続した部分もあれば、変化した部分についても各地域での変化は内容もかかった時間も違ったという。弥生文化とは異なる独自の展開を見せた沖縄や北海道についてもその環境・状況に適応した変化だったと述べる。多様な展開を見せた縄文・弥生時代を描く通史。

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2021/04/27

新書ではあるが、初学者には敷居が高い。それなりに古代史がイメージできていて、これから本格的に勉強したいという人に向けたものだろう。今の古代史の世界で、何が定説で何が古い説とされているかについて、信頼して良さそうな情報が得られる。(門外漢なので本当かどうかは分かりません。)

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2019/11/13

はじめに―三つの道筋から日本列島をみる 第1章 発掘された縄文文化 第2章 弥生時代へ―稲作のはじまり 第3章 弥生社会の成長―地域ごとの動き 第4章 弥生文化を取り巻く世界 第5章 生まれいづる「クニ」 おわりに―「弥生時代」を問い直す 著者:石川日出志(1954-、新潟県、...

はじめに―三つの道筋から日本列島をみる 第1章 発掘された縄文文化 第2章 弥生時代へ―稲作のはじまり 第3章 弥生社会の成長―地域ごとの動き 第4章 弥生文化を取り巻く世界 第5章 生まれいづる「クニ」 おわりに―「弥生時代」を問い直す 著者:石川日出志(1954-、新潟県、考古学)

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2017/03/07

<目次> はじめに  三つの道筋から日本列島を見る 第1章   発掘された縄文文化 第2章   弥生時代へ~稲作のはじまり 第3章   弥生社会の成長~地域ごとの動き 第4章   弥生文化を取り巻く世界 第5章   生まれいづる「クニ」 おわりに  「弥生時代」を問い直す <内...

<目次> はじめに  三つの道筋から日本列島を見る 第1章   発掘された縄文文化 第2章   弥生時代へ~稲作のはじまり 第3章   弥生社会の成長~地域ごとの動き 第4章   弥生文化を取り巻く世界 第5章   生まれいづる「クニ」 おわりに  「弥生時代」を問い直す <内容> 考古の時代をまとめたもの。旧石器は例の偽造問題からあっさりと書かれ、専門の弥生時代を詳述する。現在では弥生時代の定義も変わり、西日本と東日本でかなり弥生に入る時期が違うし、弥生時代は渡来人系が作ったわけでもない。そして、縄文文化がすべて弥生文化になったわけでもない(併存している)。また青銅器の地域差は大きく分けて、九州中心の銅戈・銅矛系と近畿中心の銅鐸系に分かれる。あたりかな。

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2017/01/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

2010年刊。著者は明治大学文学部教授。◆本書の対象たる弥生時代=灌漑稲作というテーゼ自体、その時期や地域によって差がありすぎて、とても同一の括りでは理解できないと思っていた(北海道と沖縄に灌漑稲作はなく、関東と北九州ではまるで時代相が違うのは明快)。本書はその事実を正面から受け止め、新書ながら、各地域の異同、特徴、相互関係(朝鮮半島や中国、特に長江流域にも目配せされる)ばかりか、旧石器時代や縄文時代との連続性に関心を向ける等、個人的に痒いところを掻いてくれた、これぞ読みたかった本といえるもの。 なお、邪馬台国論であるが、①北九州最大の伊都国(世々王ある)ですら「女王国に統属す」とある(魏志倭人伝の記載)から、女王国は北九州外の所在と見るべき、②纏向遺跡など、弥生末の大型墳墓等の存在と漢鏡出土地域が北九州から機内へ変動した事実から機内、奈良盆地南西部説とのこと。

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2016/06/24

岩波新書版の日本通史では一番古い時期を扱う。古代史6巻の1。縄文から弥生への変遷過程を考古学の観点から叙述。さらに考古学の発展史にも触れながら、この時代がどのように捉えられてきたのかについてもよくわかった。メタヒストリー。 次巻「ヤマト王権」は歴史学の立場からこの時代にも遡りつ...

岩波新書版の日本通史では一番古い時期を扱う。古代史6巻の1。縄文から弥生への変遷過程を考古学の観点から叙述。さらに考古学の発展史にも触れながら、この時代がどのように捉えられてきたのかについてもよくわかった。メタヒストリー。 次巻「ヤマト王権」は歴史学の立場からこの時代にも遡りつつ叙述される旨が書かれてあり、考古学的な評価と歴史学的な評価の違いも面白そう。

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2016/05/29

豊富な出土資料の分析から、日本の古代の実相に迫る試み。 ・縄文・弥生・古墳の各時代の文化には連続性がある(縄文文化=縄文人の文化、弥生文化=渡来人の文化、という二項対立的捉え方は、もはや有用ではない)。 ・本州では、弥生時代を通じて、急速に社会が変貌していく。 しかし、変化の様...

豊富な出土資料の分析から、日本の古代の実相に迫る試み。 ・縄文・弥生・古墳の各時代の文化には連続性がある(縄文文化=縄文人の文化、弥生文化=渡来人の文化、という二項対立的捉え方は、もはや有用ではない)。 ・本州では、弥生時代を通じて、急速に社会が変貌していく。 しかし、変化の様相は、各地域(北九州、中国地方、中部、関東、東北)ごとに大きく異なる。 ・北海道の続縄文文化、沖縄の後期貝塚文化も、あくまで地域特性に応じて緩やかな発展を遂げたにすぎず、「遅れて」いたり「閉じて」いたりしたわけではない。 昔の教科書で知識が止まっている自分には、目から鱗がたくさん。 ただ、著者自身はしがきで断っているが、古代の史実について、限られた資料から「断定」できることは極めて少ない。 著者による推測部分も、一旦は批判的に考えてみる必要があろう。 著者は「文献資料の検討を主にする歴史学と遺跡・遺構・遺物の検討にもとづく考古学」による、異なる見解を闘わせる議論が、今後の発展を導くと展望する。 史実の探求には、柔軟な考え方が必須ということだろう。

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2016/03/14

大陸から渡ってきた「渡来人」によってもたらされた稲作を中心とする弥生文化が、縄文文化にとって代わったといった、縄文時代と弥生時代を画然と区別する見方を退け、縄文文化から弥生文化への連続的な変遷と、地域に応じた多様性の存在を、分かりやすく解説しています。 一般向けの入門書で繰り返...

大陸から渡ってきた「渡来人」によってもたらされた稲作を中心とする弥生文化が、縄文文化にとって代わったといった、縄文時代と弥生時代を画然と区別する見方を退け、縄文文化から弥生文化への連続的な変遷と、地域に応じた多様性の存在を、分かりやすく解説しています。 一般向けの入門書で繰り返し語られてきた、縄文文化と弥生文化を対置する図式を批判するに当たって、学説史的な解説にも多少立ち入ってはいますが、入門書なのであまり詳しい議論はなされておらず、どちらかというと考古学における近年の諸成果を広く紹介しながら、著者自身の抱く歴史像を描き出すことに努力が傾けられているように思えます。

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