黄金の道(2) の商品レビュー
ストーリーガールの後編。 ストーリーガールやベブたちが、新聞を作るはなしを軸に、さまざまなエピソードが、美しいプリンスエドワード島の自然と共に綴られる。 中でも印象的なのは、ぶきっちょさんの恋物語だ。自分の理想の女性の 部屋を作り、家具や洋服をそろえ、空想の女性と会話するすがたは...
ストーリーガールの後編。 ストーリーガールやベブたちが、新聞を作るはなしを軸に、さまざまなエピソードが、美しいプリンスエドワード島の自然と共に綴られる。 中でも印象的なのは、ぶきっちょさんの恋物語だ。自分の理想の女性の 部屋を作り、家具や洋服をそろえ、空想の女性と会話するすがたは、訳者もあとがきに書いているが、確かにストーカーじみていてちょっとキモい…。 たが、その理想の女性そのままのミス・リードに出逢い、彼女もまた会った瞬間から、ぶきっちょさんに惹かれたというのはロマンチックだ。 アンシリーズを読んでいて思うのは、男女には、必ず赤い糸で結ばれた相手がいるのだということ!他の誰でもなく、初めから一緒になることを運命づけられたカップルがモンゴメリの作品にはたくさん登場する。 物語のラストは、ストーリーガールとベブたちの悲しい別れが描かれているが、 もうひとつ、おとなしくて心優しいセシリーが、いずれは結核で亡くなってしまうことが暗示されていて、それが切なかった。
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子供たちの楽しく賑やかな日々のお話。だけど物語は大人になったベブが過去を振り返るNANA形式で語られている。かつてその地に住んでいた、今は亡き人々の話がたくさん出てくる。変わらずその地にある生命と青春、毎年訪れる春。だけど私には一度しかない人生、過ぎ去る世界…。楽しさの合間合間に...
子供たちの楽しく賑やかな日々のお話。だけど物語は大人になったベブが過去を振り返るNANA形式で語られている。かつてその地に住んでいた、今は亡き人々の話がたくさん出てくる。変わらずその地にある生命と青春、毎年訪れる春。だけど私には一度しかない人生、過ぎ去る世界…。楽しさの合間合間に挟まれた切なさがすごく効いてる物語だった。誰かのお墓に書いてあった、生けし時は愛しく楽しく、という文がすごく気に入り、私もそのように生きていきたい。
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『ストーリー・ガール』に登場する8人の子供たちの次の一年。彼らは少しずつ成長し周囲の大人たちにも変化が訪れる。ビクトリア女王時代のプリンス・エドワード島の牧歌的な大地の上で楽しい日々を送る彼らだが,それが永遠ではないことを知り別れの時を迎える。彼らのその後の人生を知ることができないのは残念だが,少なくとも語り手のベバリーとストーリー・ガールは40年後=55歳を過ぎても健在であるようだ。キング牧場の美しい風景を目の当たりにしているような気にさせられるのは,さすがモンゴメリの(そして訳者の)表現力だ。
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楽しい時間は終わってしまうからこそ愛おしい。子供たちは離ればなれになって新しい生活を始めるようだけれど、そちらも覗いてみたい気がします。
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100年前にもオタクはいたんだなぁ。 オタクとはちょっと違うんだけど、現実に存在しない女性を妄想する姿はキモオタと言っていいかも知れない。ただしイケメンだから許されるようだが。 彼の夢が破れる瞬間、あまりにも悲しくてつらくて泣けてしまった。その直後にハッピーエンドになるとわかっていてもその瞬間の絶望が痛くてたまらなかった。
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篠崎書林版を読んだのは20年以上前のこと。 でも全然好きになれなかった。 モンゴメリと共に少女時代を過ごし、そのモンゴメリが一番楽しんで書いていたと聞いていたのに。 子どもたちの群像劇とでもいうスタイルが、アンやエミリーといった一人の少女の物語に馴れた、 当時の私には受けれれられ...
篠崎書林版を読んだのは20年以上前のこと。 でも全然好きになれなかった。 モンゴメリと共に少女時代を過ごし、そのモンゴメリが一番楽しんで書いていたと聞いていたのに。 子どもたちの群像劇とでもいうスタイルが、アンやエミリーといった一人の少女の物語に馴れた、 当時の私には受けれれられなかったのかもしれない。 でも、今は……すっかり、はまる。 四半世紀の時を超え、私はキング農園の子どもたちと、すっかり仲良しになっている。 前篇とでもいうべき「ストーリィ・ガール」よりも、子どもたちは大人になって、それぞれの抱えている家族の欠落問題も埋められていく。 そして、それは仲間との別れをも意味するのだけれど…… 「黄金の道」、それは輝かしき子ども時代。 夢と神秘をすんなりと信じられ、仲間とともにいられた時代。 今、私自身がその時代をたまらなく愛しく思うからだろうか。 キング家の面々が愛しくてならない。 そして、セシリー。 「若草物語」のベスに社交性を加えたような少女。 彼女が可愛くてたまらない。 その未来の暗示と共に。 久々にモンゴメリの世界にどっぷり浸った。 幸せなひととき。
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