パニック・パーティ の商品レビュー
探偵ロジャー・シェリンガムの最終話。 まだシリーズを全部読んでないけど、好きなものからいってしまう性格は変えられない^^; 気になって我慢できずに読んでしまった。 無人島に取り残されたロジャー・シェリンガム含む15人の男女は、次第に疑心暗鬼に陥っていく。閉鎖情況で何が起こるのか...
探偵ロジャー・シェリンガムの最終話。 まだシリーズを全部読んでないけど、好きなものからいってしまう性格は変えられない^^; 気になって我慢できずに読んでしまった。 無人島に取り残されたロジャー・シェリンガム含む15人の男女は、次第に疑心暗鬼に陥っていく。閉鎖情況で何が起こるのか… 大好物のクローズド・サークル。 クリスティーのあの名作と似ている設定だけど、こちらの方が5年早く内容的にも全く違う。 ネタバレになるので書けないけど、今までのロジャーとは違いユーモア性は薄い。 今まで読んできたロジャー5作品は全て★5を付けたけど、今回はかなり異色作でバークリーらしさをもっと期待していたので★が少なめになってしまった。何からしくないなぁという感じ。 ここからはアントニイ・バークリーについて。 解説によると、バークリーは何人かの探偵作家に声をかけて、ディテクション・クラブを創設し、定期的に集まって探偵小説に関する議論をしていた。 会長であるドロシー・L・セイヤーズが亡くなった後に、次期会長になったのは創設に関わったバークリーではなく、アガサ・クリスティ。 そのことに激怒して、バークリーはディテクション・クラブを退会したとも言われているらしい。 本人の手記ではないのでどこまでが本当なのかはわからないけど、この話はとても興味深かった。 というのも私の推しは、〈アガサ・クリスティ〉と〈アントニイ・バークリー〉の2人。 作品が大好きになると、同じくらい作家も大好きになってしまうので、その推し2人にそんな出来事があったなんて…(;_;) これが本当ならばクリスティーも複雑だったのではと思うし、傷付いたバークリーの気持ちを考えると辛い(T_T) クリスティーは、誰もが知るミステリーの女王。 バークリーは、独特の皮肉・批評精神とユーモア精神溢れる作風。多重解決だけでなく、フランシス・アイルズ名義では倒叙ミステリを確立させたすごい人。 全く違う作風なので比べられず、どちらも大好き。 共通していると思うのは、登場人物がまるで生きてるように感じること。 そんな2人の意外な接点と裏話を知ってもっと好きになった。
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莫大な遺産を相続した大学時代の教授から、孤島へのプライベートクルーズへと誘われたシェリンガム。そこには互いにさほど親しくない15名の男女が集められ、ホスト役が全員を集め、「この中に、殺人者がいる」と言い放つ。 クルーザーの故障により、すぐには救出が来ないという孤島に閉じ込められた...
莫大な遺産を相続した大学時代の教授から、孤島へのプライベートクルーズへと誘われたシェリンガム。そこには互いにさほど親しくない15名の男女が集められ、ホスト役が全員を集め、「この中に、殺人者がいる」と言い放つ。 クルーザーの故障により、すぐには救出が来ないという孤島に閉じ込められた極限状態の中、ある人物の死を切っ掛けに疑心暗鬼に陥った人々はーー 金持ちの道楽で主催されたこのツアー。何度も早いうちからホスト役が作中でしゃべっているように、「このメンツでどんな心理的作用が起こるのか観察したい」 まさにコレ。ミステリ的要素ももちろんありますが、閉鎖空間での極限状態での人間心理を描いた小説でしたね。 各登場人物の描き方や、視点の置き方はやはりバークリー。今までのシェリンガムシリーズからすると、ミステリ的な鮮やかさは劣るかもしれませんが、この斜に構えたブラックユーモア風味のテイストはバークリー好き的に満足です。
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ロジャー・シェリンガム・シリーズ。シリーズ最後の長編。孤島もの。 登場人物が狂いまくっていく展開。あまりミステリっぽくない。探偵役とか全然役に立ってないし… ロジャーが事件に関わりたくなくなるのも分かる。
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最初は何度も人物表を見直したけど覚えてからはスラスラと読めた。 犯罪者と共に無人島に取り残されてしまった人達が、精神的にどう追い詰められていくのか。 登場人物達の冷静なフリが剥がれ落ちていって、本質が露わになっていくのが面白かった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
クローズドサークルで本格かと思ったらそんなことはなかった……よな? シェリンガムさんがあんまシェリンガムさんらしくなかった印象。ともあれ、これでシェリンガムシリーズ長編はすべて読了。
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ロジャー・シェリンガムシリーズ最終作。 クルーザー旅行に招待され、その故障で無人島に取り残された15人の人々。招待者が「この中に殺人者がいる」と言ったことから、人々は次第に疑心暗鬼に陥っていく。そして一人の死体が発見され… 以前からシリーズの中では今ひとつの評価だと聞いており、訳...
ロジャー・シェリンガムシリーズ最終作。 クルーザー旅行に招待され、その故障で無人島に取り残された15人の人々。招待者が「この中に殺人者がいる」と言ったことから、人々は次第に疑心暗鬼に陥っていく。そして一人の死体が発見され… 以前からシリーズの中では今ひとつの評価だと聞いており、訳されることはないかと思っていたので原書房に感謝。 最初の50ページくらいは誰が誰やらわからず巻頭の登場人物表と首っ引きだったが、それを過ぎると一気読みだった。 確かにミステリとしての面白さという点では弱く、犯罪者と島に閉じこめられた状況で人々がどのように振る舞い、パニックに陥っていくかというサスペンス的な興味で読み進むことになるものの、十分に面白かったと思う。 しかしシェリンガムシリーズの他の作品のような捻りや皮肉さはあまりなく、バークリーにしては真っ当な話なので、シリーズの中で評価が低いのも納得できた。
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ミステリという”形式”そのものや、その”お約束”をおちょくったかのような相変わらずのバークリー節。シニカルに描写される登場人物たちの右往左往っぷりも愉しい。バークリーの意地悪を堪能しました。
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