小説読本 の商品レビュー
時代を感じさせる文章だが、流石だなと思わせる表現も多い。小説読本というより、小説家読本という感じ。小説家が好きだったり、小説を書く人にはとても面白い本だと思います。
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三島由紀夫の小説に関するいろいろなエッセイを集めた物。とても面白かった。ぼんやりと何かが見えかけているとき、外国の人の話ばかり耳を傾けていたくなくて読んだんだけど、良かったと思う。小説を書くのって、上を見ればキリがなく簡単ではないんだけど、とても面白いもののように思えた。作品を読...
三島由紀夫の小説に関するいろいろなエッセイを集めた物。とても面白かった。ぼんやりと何かが見えかけているとき、外国の人の話ばかり耳を傾けていたくなくて読んだんだけど、良かったと思う。小説を書くのって、上を見ればキリがなく簡単ではないんだけど、とても面白いもののように思えた。作品を読むのが楽しみに。
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告白するとこれが三島初体験。いやだってほら、ねぇ。三島さんってば世間に流布している情報からすればどっかいっちゃってる人ってイメージじゃないですか。普通の人は自決とかしないし。なんとなく敬して遠ざけていたのですが、図書館でふと手にとったら面白いんだこれが。なんで小説家は小説を書くの...
告白するとこれが三島初体験。いやだってほら、ねぇ。三島さんってば世間に流布している情報からすればどっかいっちゃってる人ってイメージじゃないですか。普通の人は自決とかしないし。なんとなく敬して遠ざけていたのですが、図書館でふと手にとったら面白いんだこれが。なんで小説家は小説を書くのかとかね。小説は言語で完結するとかね。いちいちウンウンと納得。でもここまで自分を客観的に分析しながら、それでも写真集を作っちゃったりしたのはなぜなのかなぁ。それも専守防衛だったのだろうか。そうなのか。なんともよくわからないけど、小説も読んでみようと思った。でもエッセーが好きだからって小説も好きとは限らないんだよね。自分の場合その代表例は村上春樹。
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012051. 自作や他の作家の作品を例にしながら創作の実際に触れる。小説家志望者へのアドバイスも。
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名著『文章読本』の姉妹篇。小説とは何か。わが創作方法。小説の技巧について。作家を目指す人々の為にミシマが遺してくれた書物。
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文章のためのハウツーはいろいろあって、私もいくつか読んでみましたが、・・・まぁ時間の無駄だったかな・・・と思うようなものも・・・(*・∀・)。結局、文章というものは、説明書のようなハウツーなどが助けになるような甘いものではないのです。大野晋先生の新書とこの本はよかった。・・・バタ...
文章のためのハウツーはいろいろあって、私もいくつか読んでみましたが、・・・まぁ時間の無駄だったかな・・・と思うようなものも・・・(*・∀・)。結局、文章というものは、説明書のようなハウツーなどが助けになるような甘いものではないのです。大野晋先生の新書とこの本はよかった。・・・バタイユに言及したりしていなければ高校生諸君にも薦めたいところなんだけどwwww
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ここに書かれている小説とはいわゆる『ライトノベル』とはまったく性質を異にするものと覚悟の上で読んだつもりだったけど意外や意外にラノベにも共通項を見い出させる部分が少なくなかった気がする。全ての作家志望の人にも一読の価値ありかと。あとやっぱり三島由紀夫は(いい意味で)変態です。
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読みきるのに覚悟がいった。本書は著者三島由紀夫の主張の塊で絶大な影響力をもってして読者の価値観を揺さぶる。 今後の小説の読み方が変わるのは避けられないだろう。 現実と超現実が相まみえるのが小説だ。 私たちが生きている世界とは全くの別次元だが酷似している。 自分のいる世界を小説の...
読みきるのに覚悟がいった。本書は著者三島由紀夫の主張の塊で絶大な影響力をもってして読者の価値観を揺さぶる。 今後の小説の読み方が変わるのは避けられないだろう。 現実と超現実が相まみえるのが小説だ。 私たちが生きている世界とは全くの別次元だが酷似している。 自分のいる世界を小説の中のそれと同一かのように錯覚してしまうことだってある。文章が自分の記憶の中の風景を連想させ、笑い、怒り、涙を引き起こすこともある。 また、本書でも述べられているが、「死」が賛美されてしまうのも小説の持つ特異性だ。 いかにして死ぬか、誰が死ぬか、誰に殺されるか、を読者は黙々と楽しむ。 狂気に満ちた言行に興奮し、エロスを期待する。 恐らく、小説は普段表に出さない、人の奥底に眠る不徳と破壊への欲望をくすぐるのだろう。それも絶妙に、その欲望が目覚めぬ程度に。 しかし、小説はどれも優しいものばかりではない、時に読者は自分の内にある触れてはならないそれが眠っているのに気付いてしまう。 戸惑い、自己を軽蔑する。 それでもまた新たな小説を手に取ってしまう。
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三島由紀夫著【小説読本】読了。亡くなって40年目に出版された新刊として、興味深く読んだ。まさに三島由紀夫の遺書だと言っても過言ではない。 三島由紀夫が一気に書いて、40年後に初版で出版されてたら、これ以上の心の叫びはないと思える一冊。 ただ、如何せん最後のページに初出一覧、編...
三島由紀夫著【小説読本】読了。亡くなって40年目に出版された新刊として、興味深く読んだ。まさに三島由紀夫の遺書だと言っても過言ではない。 三島由紀夫が一気に書いて、40年後に初版で出版されてたら、これ以上の心の叫びはないと思える一冊。 ただ、如何せん最後のページに初出一覧、編集付記を読でて…そう感じさせる事を前提に編集したんだと感じた。まさに編集部の企画力に感服。
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日の一冊は、三島由紀夫没後40年を記念して出版された、三島由 紀夫の小説指南書。 三島がさまざまな媒体に寄稿した原稿の中から、小説や文章につい て語った内容をまとめて編集したもので、小説とは一体何か、小説 の読者はどんな人か、どうすれば小説が書けるのかを、巧みな比喩 と事例を使...
日の一冊は、三島由紀夫没後40年を記念して出版された、三島由 紀夫の小説指南書。 三島がさまざまな媒体に寄稿した原稿の中から、小説や文章につい て語った内容をまとめて編集したもので、小説とは一体何か、小説 の読者はどんな人か、どうすれば小説が書けるのかを、巧みな比喩 と事例を使って述べています。 売るものがビジネス書だろうと、小説だろうと、はたまた洋服だろ うと、大切なのは「顧客の心」であって、これを読む限り、三島に はやはり読者の心が見えていたようです。 先日、ピエール・カルダンが来日した時、「ファッションとは、そ の人がなりたいと思ってなれなかった姿である」といった趣旨のこ とを述べていましたが、小説における三島の洞察は以下の通り。 「もともと小説の読者とは次のようなものであった。すなわち、人 生経験が不十分で、しかも人生にガツガツしている、小心臆病な、 感受性過度、緊張過度の、分裂性気質の青年たち。性的抑圧を理想 主義に求める青年たち…」 では、一体このような読者に、どうやってアプローチすればいいの か。本書では、そのヒントも書かれています。 また、現在の小説の地位を影響力の落ちたラジオにたとえ、その本 質を解説。今後、どうすれば小説が売上を伸ばしていけるのか、ヒ ントを提示しているあたりが興味深いです。 読み始めてわずか20ページの辺りで、正直、三島の知性あふれる文 章と、マーケットを見る洞察力の鋭さに、やられてしまいました。 書き手として食っていきたい方、編集者は必読の内容です。 小説家はまず第一にしっかりした頭をつくる事が第一、みだれない 正確な、そしていたずらに抽象的でない、はっきりした生活のうら づけのある事が必要である。何もかもむやみと悲しくて、センチメ ンタルにしか物事を見られないのは小説家としても脆弱である コツコツとたゆみない努力の出来る事が小説家としての第一条件で あり、この努力の必要な事に於ては芸術家も実業家も政治家もかわ りないと思う。なまけものはどこに行っても駄目なのである ある画家から聞いた話だが、フランスに行って絵描きが何を学んで くるかというと、毎朝必ずキャンバスの前にきちんと坐って仕事を 始める習慣だそうである 病人たちは時間をたっぷり持っており、愛憎は体にさわるので、い くぶん冷たくまた真摯な、他人に対する関心はゆるされており、自 分の内省は体によくないが、他人の内省に深入りするだけの精力は のこしている。そしてかれらは熱心にラヂオをきき、あるときは思 い余って、投書をしたりするのである(中略)実は私が語ってきた のはラヂオのことではない。小説のことである 小説家は、自分の内部への関係と、外部への関係とを同一視する人 種であって、一方を等閑視することを許さないから、従って人生に 密着することができない。人生を生きるとは、いずれにしろ、一方 に目をつぶることなのである 謎解きが、かくて小説の重要な魅力であるなら、現代流行の推理小 説にまさるものはないといえよう。しかし、作者によって巧妙にし つらえられた謎が一旦解明されると人々は再読の興味を失う ともすると、人間にとっては、「命を賭けても知りたい」という知 的探究心が真理を開顕することよりも、「知ることによって身を滅 ぼしたい」という破滅の欲求自体のほうが、重要であり、好もしい ことなのではなかろうか? われわれが小説を読むとは、半ば官能的、半ば知的究理的な体験で ある。「どうなるか」という期待と不安、「なぜ」「どうして」 「誰が」という疑問の解決への希望、こういう素朴な読者の欲求は、 高級低級を問わず、小説を読む者の基本的欲求と考えてよい E・M・フォースタアも言うように、「王が亡くなられ、それから 王妃が悲しみのあまり亡くなられた」という、「悲しみのあまり」 というプロット要因に小説の本質がひそむのである 「ドン・キホーテ」がそれ以前の騎士道小説に対する批評から生れ たように、既成の小説に対する批評を方法論の根本におくことが、 小説家の小説を書く上での最大の要請になるのである 人間の精神のなかには、大きなものへの嗜好と同時に、小さなもの への嗜好がひそんでいる
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