「戦後」を点検する の商品レビュー
『「昭和」を点検する』の続編的内容。戦後処理から占領、昭和元禄の時代までをところどころ横道にそれながら語る。半藤先生がちょいちょい出してくる、文春で編集者として働いていた時代のエピソードが楽しい。坂口安吾に夜通し説教されて人生開眼って(笑)
Posted by
烏兎の庭 第五部 書評 8.31.15 http://www5e.biglobe.ne.jp/~utouto/uto05/diary/d1508.html#0830
Posted by
『「昭和」を点検する』(講談社現代新書)の続編です。終戦から1975年までの日本の歩みについて、昭和史に造詣の深いノンフィクション作家の2人が語り合っています。 戦前・戦中と戦後の間に明確な切断線を引くのではなく、戦後の日本の歩みを支えたのが「満州帰り」や「軍隊上がり」の人びと...
『「昭和」を点検する』(講談社現代新書)の続編です。終戦から1975年までの日本の歩みについて、昭和史に造詣の深いノンフィクション作家の2人が語り合っています。 戦前・戦中と戦後の間に明確な切断線を引くのではなく、戦後の日本の歩みを支えたのが「満州帰り」や「軍隊上がり」の人びとだったことに触れるとともに、それにも関わらず、彼らが思い思いの仕方で戦後を「一からの出直し」だと捉えていたという見方に、興味を引かれました。 議論の内容が多岐に渡っており、ややまとまりの悪さを感じたのは事実ですが、吉田茂の現実路線、石橋湛山の理想、岸信介の反共路線と60年安保といった「戦後」の主要事件を、左右のイデオロギーの綱引きとして捉えるのではなく、さまざまな立場が輻輳しつつ「戦後」という時代が作られてきたことを見るために、参考になるところが多々あったように思います。
Posted by
昭和も歴史になってしまった。僕は昭和37年生まれで、物心ついたのは昭和45年頃からだろうか。物心ついてから20年弱の昭和を歩んできたが、表面的にしか見ていなかったことはよく咀嚼できていない。当たり前のことだけど。 それを、当時ジャーナリストだった半藤さんと保坂さんとの対談であぶ...
昭和も歴史になってしまった。僕は昭和37年生まれで、物心ついたのは昭和45年頃からだろうか。物心ついてから20年弱の昭和を歩んできたが、表面的にしか見ていなかったことはよく咀嚼できていない。当たり前のことだけど。 それを、当時ジャーナリストだった半藤さんと保坂さんとの対談であぶり出されてみると、「ああ、こういうことだったのか」と納得。 石橋湛山は小日本主義だったけど、岸信介は大日本主義だったから、安保条約の改定のときには日本と米国とを対等の立場に持っていきたかったんだということが初めてわかった。その手腕はすごいもので、新安保では、「内乱条項の削除」~日本で内乱が起こったらその鎮圧のために米軍が出動するという植民知的な条項が内乱条項、「日米共同防衛の明文化」、「在日米軍の配置。装備に対する両国政府の事前協議制度の設置」を全て盛り込むことに成功した。この本に書かれているように、今から見ればもっともだけど、当時、特にこの岸首相がやったとなると国民の反発はすごかったという。こういうことは歴史の字面だけを追ってもわからないことで、歴史の生き証人の証言は貴重だと思う。
Posted by
- 1