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2023/07/23

藤沢桓夫、人脈をたどれば庄野潤三にも行き着くのだけど、『冬の花』という作品タイトルにこの間読んだ庄野『早春』にでてきたかな?と曖昧な記憶に改めてページをたぐると伊東静雄『夏花』だったというオチ‥おそまつ。 上司小剣『鱧の皮』。1914年といえば漱石の『こころ』と同じ年に、織田作と...

藤沢桓夫、人脈をたどれば庄野潤三にも行き着くのだけど、『冬の花』という作品タイトルにこの間読んだ庄野『早春』にでてきたかな?と曖昧な記憶に改めてページをたぐると伊東静雄『夏花』だったというオチ‥おそまつ。 上司小剣『鱧の皮』。1914年といえば漱石の『こころ』と同じ年に、織田作と言われても信じてしまうほどのモダンな作が著されていた事におどろく。大阪訛のセリフを見事に文字にしているところも当時としては時代の先端ではなかったか。56/100

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2021/03/18

「茶粥の記」 良人を偲ぶ思いが、じわじわどころか、がっつり伝わってくる。 姑を思うため再婚を拒んでいるような書き方だったけれど、それだけではないよね。 夫婦のあたたかい関係が、やさしかった家庭が、にじみでてくる作品だった。 「万年青」 純粋な想いが、本当の安らぎと関係を生む、とい...

「茶粥の記」 良人を偲ぶ思いが、じわじわどころか、がっつり伝わってくる。 姑を思うため再婚を拒んでいるような書き方だったけれど、それだけではないよね。 夫婦のあたたかい関係が、やさしかった家庭が、にじみでてくる作品だった。 「万年青」 純粋な想いが、本当の安らぎと関係を生む、という、綺麗なお話だった。 福子という名の通り、人に恨まれず、、幸福な気持ちをもたらす、丸く優しい人柄だ。 この作者の作品は、きれいすぎるくらいの心を持った登場人物が多いのだなあ。 なかなかこのように生きられない、さもしい心の私には、とてもうらやましく思える。 「茶人」 七兵衛さんは、けったいな人だ。 でも、憎めない。 驚いたりあきれたりしながらも、皆は仲間として茶の席に呼ぶのだなあ。 最後の、鰻のくだりが、箸をつけられない気持ちがよくわかって、面白いやら、こんな目には遭いたくないやら。 七兵衛さん、わざとなのか? それにしても、女性が語っているという体の文章だけれど、どうも違和感がある。 やはり、男が書く女の言葉は、どこか違うなあ。 「鱧の皮」 なんだか日本人的な終わり方だな、と、つい思えてしまった。 鱧の皮。 東京へ逃げて行ってしまった夫との、以前の生活が凝縮されたかのような、鱧の皮の包み。 それを一寸撫でるお文の心。 ちゃんと言葉に表されていないけれど、お文の気持ちは文章の奥で揺れ光っている。 その描き方もうまいな、日本人的だな、と思う。

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2019/01/30

一冊に、日本と世界の文豪3人の短編が収録されたアンソロジーシリーズの中の一冊。 初めて読む作家ばかり。現代作家の小説とは異なり、大きな事件や出来事がある訳ではないのに、ひとつひとつの行動や描写が味わい深いものばかりでした。 「茶人」の舟場言葉は懐かしく、黙読しつつ心の中では音読し...

一冊に、日本と世界の文豪3人の短編が収録されたアンソロジーシリーズの中の一冊。 初めて読む作家ばかり。現代作家の小説とは異なり、大きな事件や出来事がある訳ではないのに、ひとつひとつの行動や描写が味わい深いものばかりでした。 「茶人」の舟場言葉は懐かしく、黙読しつつ心の中では音読しているような、言葉の響きが楽しく感じました。

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2011/11/03

茶人の話がおもしろかった。 語り手によって強烈なキャラのおじさんが描かれている。 関西弁がまた妙にいい。 落語のようなおちがあり、 お茶会に行くたびに思い出してわらっちゃいそう。。

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2011/11/01

資産家の老婦人と、その孫の嫁のおはなし。 お嫁さんがとにかく!いい子!! 作中のおでんが美味しそうです。 最後は、きゅっと泣きたくなります。 【熊本大学】ペンネーム:オモト ☆この本は熊本大学附属図書館中央館にあります。   請求記号 908 H,99 (49)

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